FP・識者の保険コラムExpart Column

金融庁、不妊治療向け保険を3月にも解禁の予定

「不妊治療の費用を保障する保険商品を解禁する」と金融庁が公表しました。解禁されるのは2016年3月を予定しており、各社がどのような不妊治療保険を打ち出してくるかが気になります。

不妊治療保険が解禁された背景とは

晩婚化や出産年齢の上昇傾向により、不妊治療をする人が増加しています。実際に私の身近でも40歳代で結婚し、不妊治療の結果子供が授かった友人もいます。

晩婚化は、女性の大学進学率が上がって就職して仕事に力を入れる人も増えたことが背景にあるのではないでしょうか。また一方、若者の契約社員が増え、収入的に厳しいと言うことで結婚に二の足を踏む男性が増えていることも一因だと思います。

初婚年齢・初産年齢は上昇傾向

初婚年齢の平均は、2014年のデータによると男性が31.1歳、女性が29.4歳となっています。初婚年齢が高くなると言うことは、初産年齢も高くなるわけです。

昔は20歳代前半で初産を経験する女性が多かったのですが、今では30歳代も当たり前で、中には40歳代で初産を経験する人も増えています。
しかし、年齢が30歳代・40歳代と上がるに連れて妊娠はしにくくなりますし、身体的にもリスクが大きくなってきます。
芸能人やスポーツ選手が不妊治療をしていることがマスコミに取り上げられることも多いですよね。

不妊治療にかかる費用はどのくらい?

この不妊治療ですが、非常に高額の費用がかかります。
排卵誘発剤の費用は数千円~1万円ですが、人工授精ですと約1~3万円、体外受精ですと10万~100万円、顕微授精ですと30万~100万円もかかります。

人工授精や体外受精、顕微授精になりますと健康保険の対象外となり全費用が自己負担になりますから、誰もが気軽に治療を受けられるというわけにはいきません。

このような状況ですから、この3月に不妊治療の費用を保障する保険商品が解禁になれば、加入を検討する人も多いのではないでしょうか。
子供は国の財産だと思います。
子供を産み、育てやすい環境の整備はとても大切なことですよね。

また、不妊治療には助成金が受けられることもありますし、確定申告にて高額医療費控除を受けられることもあります。
保険に加入することも一つの安心ではありますが、助成金や確定申告なども調べて申請を忘れないようにしたいものです。