FP・識者の保険コラムExpart Column

認知症対策、保険による予防策はどこまで出来る?

損害保険会社各社は、今後増加すると予測されている認知症患者に対する保険の品揃えを強化している模様です。
生命保険会社の太陽生命保険が業界初となる認知症に対して支払われる生命保険を販売していることや、認知症の男性が徘徊し死亡した最高裁の判決が世の中に対して認知症の新たな問題提起をさせた形だといえます。

最高裁の判決では、認知症患者が徘徊し鉄道会社に損害を与えたことについて家族への賠償責任がない判決が言い渡されましたが、これに関しましては一個人として良い判決だったと感じました。

もし損害を受けたのがJRではなく、自分だったら・・?

しかし、これが自分の住宅や自動車といった財産に対して損害を受けた場合にはたして同じ想いになれるだろうかと思いました。
きっと私でしたら相手の家族へ賠償を求めると思います。みなさんはいかがでしょうか?

認知症でも足腰が弱く寝たきりの方もいれば、夜中に徘徊したり、奇声をあげたりする認知症の方もおられるでしょう。
どのようなパターンに該当するのか、そもそも認知症になるなんて誰も思いもしないわけですから、やはりあらかじめの予防策が大切になってきます。

ファイナンシャルプランナーという立場としては、認知症の予防策として個人賠償責任保険に加入しておきたいと考えています。
これは、日常生活において偶発的な事故や損害を補填する効果がある損害保険なのですが、仮に自分の家族が認知症患者で他人の物に損害を与えてしまったときにはこの保険が機能してきます。

小さな子どもがいる場合にも効果が期待できるため、一石二鳥の効果が認められ、かつ、支払保険料も安いといった魅力があります。
今後需要が高まる損害保険といえるでしょう。