現役の糖尿病療養指導士が書く糖尿病コラムdiabetes-column

糖尿病療養指導士は糖尿病患者の人生のサポーター。看護師の私が意識していること。

公開日:2020/12/04
最終更新日:2020/12/30

「糖尿病療養指導士」とは、糖尿病とその療養指導全般に関する高度な専門知識をもって、糖尿病患者の生活を理解し、適切な自己管理や療養を指導するスタッフと定められています。

試験を受けるためには、看護師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士のいずれかの資格持っていて、過去10年以内に継続2年以上で通算1000時間以上糖尿病療養指導を行っている事が一つのラインになります。

さらに自分が経験した症例を報告し、やっと受験資格を得る事ができます。
試験を受けて合格しても5年ごとに更新があり、定期的に講習をうけたり学会に参加し日々知識・経験を積み重ねていく必要があるので、結構大変な資格です。

ちなみに私は試験を受ける前の症例報告で受験資格を満たすことができなくて、翌年に再提出して受験資格を得ることができ合格した苦い思い出があります。

糖尿病療養指導士は「糖尿病に関しての何でも屋さん」

患者さんが「血糖値をはかること」や「インスリン注射」、「食事」、「運動」など、糖尿病と付き合っていく上で必要なスキルを身に着けられるように指導しながら、一緒に学んでいきます。
外来で面談するときにはインスリンの打ち方を抜き打ちでテストをして自己流になってしまっていないか、安全に正確にできているかの確認もしたりします。

ときには病棟の看護師さんや外来の看護師さんから「どうやって指導したらいいんだろう?」、「この患者さん大丈夫かな?」ということも聞かれ、病院内での相談窓口の役割もしています。

人生を諦めずに病気と生きていくためのサポートをするのが仕事です

「糖尿病」というと「不健康で生活習慣の乱れた人がなる病気」というイメージが一般的には広まっていますが、本当は違います。
特に1型糖尿病の患者さんは誤解や偏見をうける事が多く、同じ病気の患者さんや親御さん同士の繋がりがなく孤立してしまいがちです。

私は、患者さん・ご家族同士が繋がっていけるような橋渡しをしたり、糖尿病教室やサマーキャンプを開催し、最近はSNSも活用するようにして患者さんとの関係を続けていけるようにしています。

最近では、糖尿病や合併症のお話だけではく、日常生活での困ったことや悩み相談もよくされるようになりました
これも長く患者さんと関わってきて、糖尿病療養指導士として経験を積んできた証なのだと思います。

人生には進学や就職、結婚、出産、病気などのターニングポイントがいくつもあります。
「糖尿病」がある事で人生の選択や人間関係に悩んだり、病院から足が遠のいてしまったり、時には自暴自棄になってしまう患者さんもいます。
糖尿病という病気があってもご自身のやりたい事や、せっかくの人生のチャンスを諦めて欲しくはないと私はいつも思っています。

担当医師と患者さんとの橋渡しだけでなく、必要であれば地域の薬剤師さんや校医・担任の先生、産業医、病棟看護師・訪問看護師・往診医とも連携をとり、患者さんが日常生活で困ったり、不自由な思いをしないようにチームでサポートできる体勢を患者さんそれぞれに整えるようにしています。

いつでも、どんなことでも話せる看護師でいたい。

最近ではちょっと「おしゃべり」で「世話焼き」なくらい、患者さんにはお話をするような看護師になりました。
何気ない一言や表情などで変化に気づくこともあります。話しやすいスタッフでいることを常に意識しているからか、患者さんから色々とお話ししてくださることも多くなりました。

人生の最期まで付き合っていく糖尿病という病気を抱え、患者さんはたくさん悩み苦労もされていると思います。
「誉められる、よい患者である必要はないよ」と担当の患者さんには折に触れ話すようにしていますし、問題がある方が私も燃えます!ともお話します。

困ったときに相談できる、なんでも話せるそんな存在を目指して私はいつでも病院で患者さんを待っています。