オリジナル保険商品の開発を得意としているアイアル少額短期保険会社。
2022年2月には妊産婦さん向けの医療保険「ディアベビー」を開発し、販売開始しました。

今回はアイアル少額短期保険会社の安藤社長に「ディアベビー」開発に込められた想いや背景、今後のお考えについてインタビュー。
現場のお客様の声を聴くことから始まった保険商品開発ストーリーを聞いてきました。

• アイアル少額短期保険会社 代表取締役社長　安藤 克行氏

  

  東京都出身。大学卒業後に国内損保８年・外資系損保４年勤務した後、保険代理店に転身し2005年に社長就任。

  2006年から少額短期保険会社の設立に着手し、2008年に登録が完了し現在に至る。

  現在も、業界初となるような商品開発を多く手掛けている。

アイアル少額短期保険会社ってどんな保険会社？

まず、アイアル少額短期保険会社がどのような保険会社なのか教えてください。

安藤さん

はい。弊社は住友生命グループの少額短期保険会社として営業しています。

「少額短期保険会社」という言葉を初めて聞かれた方もいらっしゃると思います。
「少額短期保険会社」とは少額かつ短期の保険商品を開発する保険会社のことでして、私たちアイアル少額短期保険会社はニッチなオリジナル商品を多く開発・販売してきました。

代表的なものは、
・不妊治療中の女性向けの医療保険「子宝エール」
・賃貸住宅の入居者が孤独死された際の「孤独死保険」
などで、これらは保険業界初の保険商品となりました。

「子宝エール」の商品開発時は、不妊治療中の方と座談会を開催したりアンケート調査をしたりと、実際にお客様の声を聞いて寄り添う姿勢が弊社の特長であり、女性向け保険商品開発の大きな強みになっています。

2022年2月に開発・販売開始した妊産婦さん向け医療保険「ディアベビー」においても、これまでの経験が活きました。

妊産婦さん向け医療保険「ディアベビー」はどのように作られたのか

「ディアベビー」はどのような経緯で開発にいたったのでしょうか。

安藤さん

「保険ウィズ」という保険比較サイトを運営する株式会社ウィズハートの木代社長から相談を受けたことが最初のきっかけでした。

木代さんのお話しを聞くと、妊産婦さんが様々な不安・悩みを抱えていることが分かりました。
保険業界には女性向け保険商品は多く存在しますが、妊産婦さんに対象を絞った専用保険はとても少ない。

妊産婦さん向けの保険を作れるかどうかは分からないけれど、もし開発に成功すれば妊産婦さんの助けにきっとなるし、住友生命グループが目指す「well-being（一人ひとりがよりよく生きる）社会」の考えにも合致するので、まずは取り掛かってみようとなりました。

開発にあたってはどのようなことを心がけていましたか？

安藤さん

妊産婦さんやその年代の女性は、女性特有の病気（乳がんなど）が発症しやすい時期でもあります。
もし若いうちに病気になり重症化してしまうと経済的に困窮してしまうケースが多いので、その方を救いたいという想いがありました。

一方で、あらゆる疾病リスクを保障しようとすると、今度は保険料（掛け金）が高くなってしまい、入りづらい保険になってしまう。
そうなっては本末転倒です。

であれば、軽めの疾病リスクについてはあえて保障の対象から外して、重症化リスクが特に高い疾病を手厚く保障できる保険にしたいと考え、開発に臨みました。

また開発を進めていくと、妊産婦さん向けに適切な情報提供を行っていくことも大切だと感じるようになりました。
弊社ではベビーカーメーカーのcombi社さんや、臍帯血バンクのステムセル社さんなど、信頼できる提携企業さんの情報を提供していくことで、妊娠期や出産後にご家族が安心して生活していけるように支援していくことを考えました。
（ディアベビーの提携企業による付帯サービス一覧はこちら）

出来上がった妊産婦さん向け医療保険「ディアベビー」

「ディアベビー」の強み・特長はどこにありますか？

安藤さん

開発にあたって特に意識したのが、「シンプルで分かりやすい保険であり、しかも安くて加入しやすい」ことです。

それで実現できた大きな特長が、以下の4つです。

① 妊娠週数に関係なく加入できる
② 出産後の赤ちゃんを自動保障
③ メンタル疾病（うつ病）への保障
④ 2年目以降はプラン自動変更により保険料が安くなる

① 妊娠週数に関係なく加入できる

他社の妊産婦さん向け保険では「加入は妊娠19週まで」といった制限を設けている商品が中心なので、「妊娠週数を問わず入れる」ことは「ディアベビー」の大きな特長の１つだと思っています。（待機期間はありますが）

② 出産後の赤ちゃんを自動保障

一般的に医療保険では、保険対象者は氏名・生年月日等の特定（報告）が必要となりますが、「ディアベビー」では出産された赤ちゃんは当社への報告なしで自動的に保障対象になります。

出産現場で頑張っているのはお母さんだけではなく、赤ちゃんも一生懸命頑張っています。
母体だけでなく赤ちゃんの万が一にも対応できる保険にしたいと考え、この保障を作りました。
ディアベビーが「ママと赤ちゃんの医療保険」と銘打っているのもこれが理由です。

③ メンタル疾病（うつ病）への保障

妊娠うつや産後うつは社会問題にもなっています。
国立成育医療研究センター研究所によると、妊娠中や産後１年未満に死亡した妊産婦さんの一番の死因は自殺でした。
少しでもママの不安を取り除いて、妊娠・出産・育児に臨める保険にしたいと考え、この保障を目立つようにしました。

④ 2年目以降はプラン自動変更により保険料が安くなる

出産を終えた後は妊娠・出産のリスクが無くなりますから、その保障を外すことで保険料がその分安くなります。
医療保険として継続活用いただけて、将来にまた妊娠をされたら妊産婦さん向けプランに戻すことが出来ます。

この保険を作るにあたって特に苦労されたのはどの点でしょうか？

安藤さん

保障内容と保険料のバランスをどう取るかというのに苦心しました。

先ほども言いましたように、あらゆる疾病リスクを保障しようとすると保険料がとても高くなってしまう。 価格が高くて加入できないとなれば保険の意味がありません。
重症化リスクにどこまでフォーカスするのか、そのバランスの取り方にはとても苦心しました。

もう1つ苦労したのは、赤ちゃんの自動保障についてです。
新しい保障の開発にあたっては財務局の認可が必要になります。
約款内容や保険料の整合性などについて様々な審査を受けて、複数回の折衝を重ねてようやく承認を頂くことが出来ました。

どのような方たちに「ディアベビー」に加入してもらいたいですか？

安藤さん

全国の妊産婦さんにご加入いただきたいのはもちろんですが、まだ妊娠されていない妊活中の方にもぜひ加入を検討していただきたいです。

「ディアベビー」には30日間の待期期間があり、妊娠・出産の保障が始まるのはご加入して31日目からになります。
妊活中のうちからご加入いただければ、妊娠してすぐに保障を得ることが出来ますから、妊娠計画をたてられている方は早めのご加入で安心を得てほしいと思います。

「ディアベビー」を販売開始してから

販売開始から半年が経過しましたが、反響はありますか？

安藤さん

反響として大きかったのは、週刊ダイヤモンドの少額短期保険会社部門で「ディアベビー」が第1位を獲得できたことです。
しかも、「子宝エール」とのダブルの1位受賞となりました。

ディアベビーが第1位を獲得した
週刊ダイヤモンド2022年6月11日発売号

著名なFPの方々が投票するランキングで、多くの有識者から高く評価をしていただけたのはとても嬉しかったです。
お客様の声を直接聞いて保険を作る弊社のやり方が、プロからも認めてもらえたと思っています。

そして、お客様に保険金をお支払いする事例も実際に出てきています。
最近では、切迫早産や妊娠高血圧症候群が重症化してしまい長期入院された妊婦さんに保険金をお支払いしました。
初産の平均年齢が上がっていて、それに応じて母体リスクも上がってきますので、妊産婦さん向け医療保険の必要性・社会的意義が高まっているのを感じています。

お客様にお伝えしたい想い

最後に、安藤社長から保険を検討されている方へのメッセージをお願いします。

安藤さん

妊娠・出産は女性にとって人生の大きなイベントの１つです。

私自身も子どもが生まれたときには人生観が大きく変わりましたし、それと同時に様々な不安が湧き上がってきました。
また、こんなに小さい子をしっかり育てていかないといけないという責任感を強く感じました。

新しい命が生まれるときには様々な心配事があって、そこには身体的なリスクもあれば精神的なリスクもある。
それを軽減させる対応策は多数ありますが、その１つである保険には重要な役割があります。

妊娠・出産・育児を応援できる保険として作ったのがこの「ディアベビー」です。
女性にとって大切な人生のイベントを「ディアベビー」はサポートしていますし、保険会社としても応援し続けていきたいと考えています。

また、保険商品は作ったら終わりではありません。
お客様のほうで「もっとこの部分の保障が欲しい」などのご要望があれば、それも受け入れながら更に良い保険に作り上げていきたいので、リクエストがあればぜひお気軽にお知らせいただければ大変幸いです。

本日はありがとうございました！