FP・識者の保険コラムExpart Column

損害保険会社で雇用慣行賠償責任保険の補償拡大が相次ぐ

損保大手各社が、雇用慣行賠償責任保険(ハラスメント保険)の補償を拡大しています。

雇用慣行賠償責任保険は、企業がハラスメントや不当解雇等の「不当行為」を理由に従業員から訴えられた場合に、賠償費用や訴訟費用を補償する保険です。

セクハラ、パワハラを代表とするハラスメント行為ですが、最近ではその種類も多くなったと感じます。
マタニティハラスメントやスメルハラスメントというのもありますし、新型コロナウイルスが流行している今では「コロナハラスメント」と呼ばれるハラスメントまで話題になっています。

企業がハラスメントを予防するのが難しい理由

ちょっとしたことで「ハラスメントだ!」と言って騒ぎ立てる最近の風潮に少々疑問を感じる部分もありますが、ハラスメント行為に悩んで心を患ったり退職せざるを得ない状況まで追い込まれている人がいるのも事実です。

ハラスメント行為は加害者が無自覚で行っていることも多く、「ちょっとふざけただけ」「良かれと思って言っただけ」と思っていても相手にとっては不快なこともあります。

また、ハラスメント行為は相手の受け取り方次第で成立するものなので、同じ発言をしても受け手によってはハラスメントと感じたりそうではなかったりします。

つまり、ハラスメント予防はとても難しい問題であり会社が対応マニュアルを作ったところで抑え込める問題ではありません

雇用に関するリスクへの対処

このようにハラスメント問題は難しい問題であるからこそ、万が一訴えられた場合に備えて保険で備えることが大切です。

冒頭でも述べましたが、損害保険会社各社がハラスメント保険の補償を拡大しています。
補償対象となるハラスメントを拡大したり、子会社従業員からの訴えにも対応可能としています。
それだけ社会からのニーズが増えてきているという背景が伺え、企業がハラスメント問題に真剣に取り組まなければいけないということでしょう。

この話題に対するコメント

人手不足で企業は従業員を確保するのに従業員を大事にしないといけないから、以前より従業員の立場が強くなってきている。
従業員側からより主張しやすくなってきたと思う。

従業員救済の観点ではなく企業側の立場で見ると、モンスター従業員がいても簡単に解雇できない事情があり、企業側も逆に訴えられたりと苦しい立場にある。
ちょっと叱責したらパワハラ、お酒に誘えばパワハラ、スタイルの事を褒めたらセクハラとかとか。
双方で落とし所を上手く見つけることが大事。
Twitterより

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