社会保障における公的・私的サービスに関する意識調査、厚労省が公表
厚生労働省が2015年の「社会保障における公的・私的サービスに関する意識調査」の結果を公表しました。
20歳以上の7割超が「民間の医療保険や介護保険」に加入しており、うち4割弱の人が「公的医療保険・介護保険の自己負担分を補うため」に加入していることがわかりました。
公的な医療保険の場合、自己負担金額が通常3割となり、入院などをした場合には差額ベッド代などがかかることも考えられます。
また、がんの重粒子線治療などの先進医療では健康保険適用外になるため、全額実費になるため、治療を受ける場合の経済的負担は大きなものになります。
民間の医療保険に加入して高度先進医療特約などを契約していれば、医療保険から治療費を工面することも可能になるため、医療保険に加入する人が多いのではないかと考えます。
また、介護保険の場合、介護状態により受けられるサービスも異なる上、特別養護老人ホームなどは入居待ちの長さが問題にもなっています。
有料の老人ホームなどは費用が高額になることも考えられ、それに備えて介護保険に加入する人も少なくないのではないでしょうか。
公的医療保険・介護保険制度がある日本は恵まれているとは感じますが、高齢化社会により今後も同じ水準で社会保障制度が維持できるかどうかも不安なところです。
財政的な問題もあり、恐らく都度社会保障の見直しが行われていくことが予想されます。
公的保障と民間保障の兼ね合いはどうなっていくのか?
資産家には医療費や介護費用に困らない人もいると思いますが、大勢の人にとっては医療費や介護費用は今後ますます大きな問題になっていくことが考えられます。
公的制度においても保険料は徴収されますので、その負担率の見直しがされ、負担が大きくなっていくことも考えられる一方、受けられるサービスに関しては逆に縮小される可能性もないとは言えません。
医療保障においては先進医療を全額自己負担となれば先進医療を諦めざるを得ない人もいるかもしれません。
介護保障においては、認定基準が厳しくなりサービスが受けにくくなってきていると感じます。
どこまで国が保障し、どこからが自助努力で補うべきかを真剣に国も国民も考えて、誰もが安心して生活していけるような制度を維持できるようにしていく必要があると考えます。