FP・識者の保険コラムExpart Column

シニア世代の医療保険の選び方。80代でも加入できる保険を解説します。

投稿日:2025年04月25日
保険ウィズ(株式会社ウィズハート)代表取締役 木代晃輔
株式会社ウィズハート
代表 木代晃輔
保険ウィズ(株式会社ウィズハート)代表取締役 木代晃輔
株式会社ウィズハート
代表 木代晃輔

株式会社ウィズハートの木代(きしろ)です。
弊社はシニア向けの生命保険・医療保険を多く扱っている保険代理店です。

シニア世代の医療保険は、健康状態や月々の高額な掛け金から、加入が難しいという印象をお持ちの方もおられるかもしれません。
しかし、近年では80代でも加入できるプランなど、医療保険の選択肢も充実してきています。

この記事では、シニア世代が医療保険を選ぶ際に考えたいポイントや、80代でも加入できる医療保険の種類について詳しく解説します。

高齢になるほど医療の負担は大きくなる

シニア世代になると、ケガや病気のリスクも高まり、入院への備えとして医療保険の重要性が増してきます。

厚生労働省の「令和5年患者調査」によると、退院患者の平均在院日数は全体で28.4日ですが、65歳以上では35.5日、75歳以上では39.0日と、年齢が上がるほど入院日数が長期化します
疾患によって入院期間は大きく異なるものの、年齢が上がるほど長期化する傾向です。

後期高齢者医療制度や高額療養費制度などの医療費を軽減する制度は整備されていますが、治療期間が長期化すれば負担はやはり大きくなります。

さらに、2025年4月1日から食事療養費(一般所得者)が20円引き上げられ、1食あたり510円となりました。
1か月で45,900円(510円×1日3食×30日)かかることになり、入院費の負担も大きくなります。

このように、年齢が上がることによる入院リスクの高まりや入院日数の長期化に加え、医療費や諸費用の高騰にも対応するため、シニア世代にとって医療保険による備えは重要です

しかし選び方を間違えてしまうと月々の保険料支払いが負担になったり、保障内容が不十分になってしまったりなど、いざというとき役に立たない恐れもあります。
そのため、内容や毎月の保険料を比較して選ぶことが大切です。

■ 参考
厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」

シニア世代が医療保険を選ぶポイント

シニア世代が医療保険を選ぶ際は、次のようなポイントをチェックしましょう。

健康状態や加入条件をチェックする

医療保険に加入する時は、健康状態に関する告知や診査が求められます。
直近での入通院や持病治療歴など、告知や診査で問題がなければ、保険料の割安な通常型の医療保険に加入できる可能性もあります。

加入できる健康状態の基準は保険会社や商品によって異なりますので、自分の健康状態に合わせて、複数の保険会社や商品を比較してみるのもおすすめです。

終身保障タイプか定期更新タイプかを選ぶ

医療保険には、加入すると一生涯保障の続く「終身型」と、一定期間ごとに更新する「定期型」があります。
将来の医療費に備えるためにも、まずは終身型のプランへの加入することをおすすめします。

すでに最低限の保障に加入しており上乗せの保障を確保したい人や、終身型プランへの加入が難しい人は、定期型も検討しましょう。
1年更新タイプも多いですが、一定の年齢まで更新することができます。

シニア世代が加入できる医療保険の選択肢

シニア世代が加入できる医療保険には、次のような選択肢があります。

通常型の医療保険

生命保険会社が取り扱う一般的なタイプの医療保険です。
一度加入すると一生涯保障される「終身型」のプランを選ぶことができます。
健康に関する告知や診査があり、健康状態によっては持病が保障されないなど、条件がつく可能性があります。

シニア世代の医療保険は毎月の保険料が高くなりがちですが、年齢や健康状態によっては、比較的安価に加入できる可能性もありますので、まずはプランのシミュレーション(見積り)をしてみましょう。

引受基準緩和型の医療保険

健康に関する告知がシンプルで、持病があっても加入しやすいのが引受基準緩和型の医療保険です。
一般的に、通常型の医療保険よりも保険料が高い傾向にありますので、まずは通常型に加入できるか確認することが大切です。

引受基準緩和型の医療保険では多くの場合、終身型プランが用意されており、通常型と同様に一生涯の保障が確保できる点がメリットです。

少額短期保険

少額短期保険は通称ミニ保険とも呼ばれ、少額短期保険会社が販売しています。
生命保険会社が販売する医療保険よりもシンプルな保障内容で、お手頃な価格で加入できる保険です。

1年ごとに更新され、保険料は毎年見直されるため、必要な期間を決めて加入したい人などにおすすめです。

以下のページでは少額短期保険の保険料試算や保険内容チェックが可能ですので、参考にされてください。

タイプ別おすすめの医療保険

一生涯の手厚い保障を確保したい人

健康状態に問題がなく、充実した手厚い保障を確保したいという人は、生命保険会社が販売する通常型の医療保険がおすすめです
特に、シニア世代の中でも70歳くらいまでの方であれば、生命保険会社の販売する医療保険に安く加入できることもあります。

持病があって通常型プランに加入できなかった人

持病がある人の中で、通常型の医療保険への加入が難しいと言われてしまった場合、引受基準緩和型の医療保険を検討しましょう。
保険料はやや高くなる傾向にありますが、通常型プランと同様の充実した一生涯の保障を確保することができます。

保険料を抑えて手頃な保障が欲しい

シニア世代では、毎月の保険料負担が大きくなりがちです。
できるだけ保険料を抑えたいという人は、少額短期保険がおすすめです。

以下のページでは少額短期保険の保険料試算や保険内容チェックが可能ですので、参考にされてください。

木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
独立後は株式会社ウィズハートの代表として、保険相談サイト「保険ウィズ」や、FP相談サイトを開設。

15年以上にわたって生命保険・損害保険の仕事に従事し、北は北海道、南は沖縄までと、日本全国から年間100件以上のご家庭の保険相談にお応えしています。