ウマ娘のLA公演が中止決定!相次ぐ海外公演中止に、海外旅行キャンセル保険で備えるべき理由。

人気ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の海外イベント「7th EVENT WORLD TOUR “THE STAGE” in LOS ANGELES」(10月22日・23日)について、10月20日、公演の中止が発表されました。
中止の理由は、「公演に必要な米国ビザを取得できなかったため」です。
スタッフ一同、開催を目指し関係各所とも調整を重ね、あらゆる方法を模索してまいりましたが、公演に必要な米国ビザを取得できなかったため、苦渋の決断ではございますが、公演の実施を断念せざるを得ない状況となりました。
「ウマ娘 プリティーダービー公式サイト」より
運営(株式会社Cygames)は半年以上前から現地の弁護士やプロモーターと協力してビザ取得の準備を進めてきましたが、開催3日前になっても承認が下りず、中止となりました。
発表内容を整理すると、次のようになります。
- 払い戻し予定:現地観覧チケット、配信チケット、公式ツアー(ウマ娘 × JTB OFFICIAL TOUR)、ライブビューイング
- 現地参加を予定していた方への対応:検討中(詳細は「7th EVENT 特設サイト」で案内予定)
- 今後の公演:ロンドン、ソウル、横浜の公演は予定どおり開催予定
すでに出国していたファンの方もいると報じられており、個人で手配した航空券やホテルの費用がどこまで救済されるかは、現時点ではわかっていません。
今回のイベント中止は海外旅行キャンセル保険の補償対象になるのか?
今回のようにイベントの中止が確定した場合、海外旅行キャンセル保険に加入していた方は補償対象になる可能性が高いです。
下の画像は、ある保険会社のキャンセル保険の約款の記述です。

この約款によれば、参加予定の音楽・舞台・スポーツ観戦などの「イベント」が中止または延期となった場合に、旅行をキャンセルした費用が補償の対象になると定められています。
ただし、約款をよく読むと、次のような条件が付いていることがわかります。
- 出国を予定していた日までに中止または延期になったこと
- 入場券は、保険料の領収前(または契約日以前)に取得・予約したものであること
- 日付指定の入場券が複数ある場合は、旅行期間内かつ有効期間内のイベントがすべて中止または延期になったこと
今回は22日・23日の2公演がどちらも中止になっていますので、出国前の方であれば、この条件に当てはまります。
一方で、この約款では「出国を予定していた日までに」中止になったことが条件ですので、中止発表の前にすでに出国していた方は補償の対象外となります。
(キャンセル保険の補償内容や約款は保険会社によって異なりますので、ご自身が加入されたキャンセル保険でカバーされるかどうかは、必ず保険会社に確認してください。)
また、キャンセル保険は「中止の可能性が発表されてから加入しても対象外」になります。
「出発の〇日前までに加入しなければならない」といった条件が付いている商品も多いため、ビザ未承認の発表が出た後にキャンセル保険に加入した方は、残念ながら補償の対象にはならないでしょう。
キャンセル保険は、旅行やチケットを手配したタイミングで加入しておく保険です。
海外イベントの中止・延期が増えている理由
弊社ウィズハートは海外旅行保険を強みとして取扱う保険代理店です。
その弊社から見て、今回のようなビザを原因とした海外イベントの中止・延期は、今後さらに増えていくと感じております。
その理由は、「世界各国で、不法就労対策や外国人労働者の抑制のためにビザの審査が厳しくなっていること」です。
海外でライブやイベントに出演するアーティストや声優・スタッフは、観光ではなく「仕事」として入国するため、就労ビザ(アメリカであればOビザやPビザ)が必要になります。
このビザの審査が各国で厳しくなっており、イベント開催の大きな壁になってきているのです。
アメリカ:トランプ政権による不法就労対策の強化
特にアメリカでは、トランプ政権が不法就労・不法移民対策を強力に進めています。
2025年には国務省のルールが変わり、ビザの面接は原則として居住国・国籍国の大使館・領事館で受けなければならなくなりました。
その影響で、芸術分野のビザでは審査待ちが最大9~10か月に及ぶケースも報じられています。
2025年の米国国務省によるビザ申請ルールの変更により、居住国での面接が義務付けられ、審査待ち期間が最大9~10ヶ月に及ぶ
出典:米国ビザ発給の遅延が舞台芸術業界に与える影響より
実際に、ウマ娘以外でもビザが原因で公演が中止・延期となった事例が相次いでいます。
- SHINee テミンさん
2026年10月に予定していた北米ツアーの6公演を、スタッフのビザ発給の見通しが立たないとして延期 - TwoSet Violin
2025年半ばに予定していた米国5公演で、メンバー2人が同じ内容でビザを申請したものの1人だけが却下されて延期
さらにアメリカでは、ESTA(電子渡航認証)の申請時に過去5年分のSNS情報の提出を義務付ける案も出ており(2025年12月提案、日本も対象)、観光で渡航する一般の方にとっても入国審査が厳しくなる方向に進んでいます。
オーストラリア:ワーキングホリデービザも取得しづらく
外国人の受け入れを抑える動きは、アメリカだけではありません。
日本人に人気のオーストラリアでも、移民政策の見直しに伴って、ワーキングホリデービザが取得しづらくなってきています。
- 2026年7月から、ワーホリビザ(417)の申請料が1年目670豪ドル→840豪ドル、2年目・3年目は1,000豪ドルに大幅値上げ
- ワーホリビザの申請処理が以前より遅くなっていることを内務大臣が認め、内務省は「ビザが許可されるまで航空券などの手配を確定しないように」と案内
- 462ビザ(ワーク・アンド・ホリデー)は、対象29か国・地域のうち24か国の申請が一時停止(日本人が利用する417は現在も受付中)
このように、世界的に「外国人の就労」に対するハードルが上がっています。
海外イベントは出演者もスタッフも「海外で働く人」ですので、こうした流れの影響を真っ先に受けているのです。
海外イベント参加者にキャンセル保険をお勧めしたい理由
海外イベントに参加するための旅行は、航空券やホテルの代金に加えて、高額なチケット代もかかります。
イベントが中止になれば旅行そのものの目的がなくなりますが、格安航空券やホテルのキャンセル料は戻ってこないことがほとんどです。
今回のウマ娘の件でも、チケット代や公式ツアーは払い戻しの予定ですが、個人で手配した航空券やホテルの扱いはまだ決まっていません。
一般的に、主催者がチケット代を払い戻しても、航空券やホテルのキャンセル料までは払い戻してくれません。
この部分をカバーできるのが、「海外旅行キャンセル保険」です。
ビザ問題によるイベントの中止・延期は、主催者がどれだけ早くから準備をしても防ぎきれないことが今回のウマ娘の件でもわかりました。
海外イベントを目的に旅行される方にとって、キャンセル保険の必要性は今後確実に高まっていきます。
なお、キャンセル保険はあくまで「行けなくなったとき」の保険です。
渡航先でのケガや病気の医療費は補償されませんので、医療費などを補償する海外旅行保険への加入が必須であることは言うまでもありません。
特にアメリカは医療費が非常に高額で、弊社のお客様でもアメリカ旅行中の手術・入院で2000万円の保険金をお支払いした事例があります。
【海外旅行保険】アメリカ旅行中に手術&入院されたお客様に、治療費2000万円の保険金をお支払いしました
まとめ
世界各国でビザの審査が厳しくなる流れは、今後もしばらく続くと思われます。
海外イベントの中止・延期のリスクは、これまで以上に高くなっていきます。
海外イベントに参加される方は、チケットや旅行を手配したタイミングで、海外旅行キャンセル保険と海外旅行保険の両方に加入しておくことをお勧めします。
キャンセル保険は商品によって補償の条件が大きく異なりますので、専門のプロに相談するなどして、ご自身の旅行に合った保険を選んでいただければと思います。
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この記事の執筆者:木代 晃輔
株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。
損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。
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