【2025年版】海外旅行保険の損害率の推移とまとめ
このページでは、損害保険料率算出機構や一部保険会社が公表している海外旅行保険の損害率データをまとめています(2015年~2024年公表分)。
保険業界者にとっては損害率はとても重要ですし、一般消費者目線で見れば保険選びの際の1つの指標にもなります。
参考になれば幸いです。
損害保険料率算出機構の公表データ
損害保険料率算出機構が公表している「傷害保険の概況」からデータ引用しています。
このデータは損害保険各社からの情報をまとめた統計資料で、いわば海外旅行保険の平均的な損害率データといえます。
収入保険料 | 支払保険金 | 損害率 | |
2014年度 | 33,649 | 17,726 | 52.7% |
2015年度 | 30,209 | 18,049 | 59.7% |
2016年度 | 29,401 | 15,111 | 51.4% |
2017年度 | 29,396 | 13,614 | 46.3% |
2018年度 | 30,181 | 12,495 | 41.4% |
2019年度 | 26,356 | 12,678 | 48.1% |
2020年度 | 3,932 | 5,942 | 151.1% |
2021年度 | 7,982 | 5,283 | 66.2% |
2022年度 | 13,954 | 8,653 | 62.0% |
2023年度 | 19,359 | 10,655 | 55.0% |
2019年頃までは、海外旅行保険の損害率は40%台で推移していました。
2020年に新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大によって海外渡航者のコロナ感染が増え、2020年度の損害率は148%にまで急激に上昇しました。
新型コロナが蔓延してからは海外渡航をする人は大幅に減り、海外旅行保険がまったく売れなくなる「冬の時代」となります。
2023年頃から徐々にコロナが落ち着いて渡航規制の緩和も進んで、損害率も60%ほどまで落ち着いてきましたが、昨今の円安・海外医療費インフレを背景に損害率は確実に上昇傾向となっています。
複数の損害保険会社では海外旅行保険の料率改定(値上げ)を実施しています。
【データ引用元】
損害保険料率算出機構HP「統計集」より
海外旅行保険を取り扱っている損害保険会社の損害率
損害保険会社の中でも、一部の保険会社は海外旅行保険の損害率を公表しています。
ここではその2社の損害率も参考までに掲載します。
■ネット系損保 A社
収入保険料 | 保険金+ 損害調査費* |
損害率 | |
2017年度 | 16,749 | 5,862 | 35.0% |
2018年度 | 17,446 | 6,141 | 35.2% |
2019年度 | 17,654 | 6,550 | 37.1% |
2020年度 | 4,309 | 3,223 | 74.8% |
2021年度 | 5,294 | 2,594 | 49.0% |
2022年度 | 10,525 | 4,652 | 44.2% |
2023年度 | 12,429 | 4,835 | 38.9% |
■ ネット系損保 B社
収入保険料 | 保険金+ 損害調査費* |
損害率 | |
2017年度 | 3,178 | 1,316 | 41.4% |
2018年度 | 3,709 | 1,439 | 38.8% |
2019年度 | 4,457 | 1,645 | 36.9% |
2020年度 | 26 | 549 | 2,111.5% |
2021年度 | 183 | 264 | 144.4% |
2022年度 | 1,866 | 1,088 | 58.3% |
2023年度 | 3,047 | 1,328 | 43.6% |
海外旅行保険の損害率とは?
損害率とは、海外旅行保険の加入者が支払う保険料に対して、保険会社が支払った保険金の割合のことをいいます。
その数値が大きければ大きいほど、保険会社が支払っている保険金が多いことを示します。
損害率の傾向から、海外旅行者が考えるべきこと
世界的なパンデミックや、円安・海外医療費の高騰など、海外旅行先で何かあった時、支出も大きくなっていることは間違いありません。
ケガや病気で病院を受診した際の医療費は、日本と異なり全額が自己負担となるため、高額な請求を受ける恐れがあります。
海外へ渡航される時は、海外旅行保険に加入されることを強くお勧めします。