電動自転車による保育園送迎のリスク。自転車保険での備えが大事。
子育ての強い味方「電動自転車」
小さな子を持つお父さん・お母さんは、子供を連れて移動するだけでも一苦労です。
そんな時に強い味方となるのが「電動アシスト自転車(電動自転車)」です。
一般的な自転車よりも楽に進むことが出来て子供を乗せての移動負担がかなり軽減されることもあって、電動自転車の利用者も年々増加しています。
私の近所でも保育園の送迎に電動自転車を使っている方を多く見かけるようになりました。
一方で自転車事故も増えており、相手に重傷を負わせたり死亡させるなどで高額な賠償金支払い命令を受けるケースも出てきました。
実は電動自転車は普通の自転車以上に危険が乗り物です。
警察庁の調査でも電動アシスト自転車の事故数は流行前の2倍にも増えており、死亡事故の割合も高いという結果が報告されています。
この記事ではそのリスク解説と、万が一の事故に備える自転車保険の一例について説明します。
この記事の目次
電動自転車の大きなリスク
電動自転車は便利な反面、以下のような特有の危険があります。
重量が多いことのリスク
一般的な自転車の重さは10~15kgですが、電動自転車は30kg前後の重量があります。
重量があるということは、衝突事故を起こしたときに相手に与える被害が大きくなるということです。
例えば人にぶつかれば大怪我をさせたり死亡事故につながりやすくなりますし、車とのすれ違い事故でも車への損害も大きなものになります。
漕ぎ始めは楽だが、重心が崩れて倒れやすい
電動アシスト自転車は普通の自転車に比べて、漕ぎ始めからスピードが出やすくなっています。
加速がつくということは重心が崩れやすいということであり、漕ぎ始めや坂の登り始めのときに運転操作を誤ったり転倒してしまうことが多く起きています。
特に保育園送迎は通勤・通学ラッシュで交通量が多い時間帯ですし、保育園敷地内に送迎中の子供がいることもありますから、1つの運転ミスが大事故につながる要素が多々あります。
座席に子供を乗せるときのリスク
電動自転車の前後座席に子供を乗せている方もいます。
座席に子供を乗せると自転車の重心が高くなるので急なストップや小回りが効かなくなり、一層の安全運転が求められます。
座席に乗った子供が動くことでさらにバランスが崩れるので、運転ミスの危険が増す要因の1つです。
もしも自転車事故を起こしてしまったら・・
自転車で事故を起こし、ケガをさせたり物を壊してしまったら、当然のことながら、賠償責任を追うことになります。
昨今、自転車事故による賠償金は高額化しています。2013年には小学生男児が起こした自転車事故について、小学生男児の両親に約9500万円の賠償金支払い命令が下った判決もあります。
また、自転車は原則車道を走ることが周知されたことで、車との接触事故も多く起きています。
お互い走行中の事故であれば、両者に過失ありと判断されることがほとんどでしょう。
過失ありの場合は、自身の過失割合分だけ賠償責任を負うことになりますが、自動車と自転車では修理費用が全然違います。
あなたの過失が少なくても車の高額な修理費用を一部負担しなくてはなりません。
万が一に備え、自転車保険の加入を
ここまで電動自転車のリスクについて書いてきましたが、電動自転車そのものを否定しているのでは決してありません。
どんなに気をつけていても、事故を起こしてしまうことはあります。
大切なことは、そのもしもの事態に備えてあらかじめ対策を取っておくことです。
自転車事故の高額な賠償請求には自転車保険で備えることが出来ます。
現在は様々な自転車保険が保険会社や自治体から販売されています。
価格は年間1,000円台~3,000円台のものが多く、家族を含めたり補償内容を充実させると金額がさらに上がります。
もしあなたが自転車保険に未加入であれば、全日本交通安全協会が提供している自転車保険をお勧めします。
価格もかなり安めですし、公的機関ゆえの安心感があるからです。
■ 【全日本交通安全協会】自転車保険加入のご案内
https://cycle-anshin.com/
詳しい保険内容や価格は上記HPをご確認ください。
ちなみに一般的に重要なのが、「示談代行サービスが付いていること」です。
この示談代行サービスが無い保険だと、事故を起こした際の示談交渉を自分自身で行わなければならなくなり、ものすごく大変です。
一部の保険では示談代行サービスが付いていないものもあるので、もし自転車保険に入る際には必ずチェックしておきましょう。
(さきほどの全日本交通安全協会の自転車保険には付いています)
また、「電動自転車は自転車保険で補償されるのか?」という疑問も浮かびますが、電動自転車ももちろん補償対象です。
(私も電動自転車ヘビーユーザーです)
自転車に乗るときはルールも守ろう
自転車に乗るときには自転車保険への加入と同じくらい大切なことがあります。
それは「交通ルールを守ること」。
当たり前のことなのですが、守れていない人が意外と多いのです。
お子さんを座席に乗せるときは必ずヘルメットを装着し、シートベルトを締めましょう。
たまに「子供が嫌がるから」という理由で、ヘルメットやシートベルトをしていない方がいますが、嫌がるなら自転車以外の移動手段を考えた方がお子さんの安全のためには良いでしょう。
2023年4月1日からはヘルメット着用が義務化されました(道路交通法で制定)。
抱っこひもで前に赤ちゃんを抱っこした状態で自転車に乗る方もいますが、あれも危険です。
おんぶであれば問題ないのですが、抱っこは前屈みになりバランスを崩しやすくなります。法律(交通法)でも認められていないので違法行為です(おんぶは可)。
抱っこの方が好きなお子さんも多いと思いますが、お子さんの命を守るためにも抱っこでの自転車乗車は避けたほうが良いしょう
このように電動自転車は便利な乗り物ですが、子育てに役立てる際には
・万が一の事故への備えに保険加入
・安全運転や交通ルール遵守の徹底
を守ることがとても大切です。