FP・識者の保険コラムExpart Column

ウーバーイーツ配達員が入っておくべき自転車保険。ウーバーイーツ提供の保険制度との違いは?

ウーバーイーツ配達員が入っておくべき自転車保険
新型コロナウイルスの影響で、ウーバーイーツ(Uber Eats)の配達員として働く人が増えています。

ウーバーイーツの配達員は、自分の都合に合わせて働けることから副業として人気が出ており、新型コロナウイルスの影響で収入が減った方が始めているようです。
自転車があれば気軽に始めれるのも人気の要因でしょう。

さて今回の記事では、「ウーバーイーツ配達員の自転車保険」を取り上げます。

ウーバーイーツ側でも保険制度を配達員向けに用意しているのですが、ここには大きな落とし穴があります。

その危険をどうやってリスク管理すべきかを解説していきます。
副業で始めたのに逆にお金をたくさん失ってしまっては元も子もありませんからね。

ウーバーイーツ配達で考えられる大事故

まずは配達中にどのようなリスクがあるのか、3つほど列挙します。

人身傷害

歩行者にぶつかって相手に大怪我をさせたり、最悪の場合には死亡させてしまうことも考えられます。
自転車の事故はここ数年で特に増えており、その損害賠償額もすごい勢いで上昇しています。

その理由としてスピードの出し過ぎももちろんですが、被害者が高齢者であることが多く、高齢者の場合はケガの治療に時間がかかったり、酷い時には重大な身体障害を与えてしまって治療費や賠償費用が高くなるという背景があります。
実際に、ここ5年間の自転車事故による賠償金額事例を見ると、数千万円レベルの事故がたくさん発生しています。

天気が良くて明るい日中ならリスクは低いですが、夕暮れ時や夜は相手が見えづらいですし、雨が降ってくればスリップしてぶつかるという危険も高まります。

この人身傷害は、配達員の方が一番気を付けなくてはいけないリスクと言えるでしょう。

自動車への接触事故

道交法では自転車は原則として車道を通行することになっていることから、自転車と自動車の接触事故も増えています。

自転車と自動車の接触事故では、たとえ自分の落ち度が少なかったとしても(自転車側の過失割合が小さくても)、自動車の方が修理費用が高額になることから、あなたが負担する賠償金が高くなります。

「車のほうが悪いのにどうして自分の負担金額のほうが大きくなるのか」と不満も出てくるでしょうが、現在の法律ではそのように賠償金が決められているので、こればかりはどうしようもありません。

自分自身のケガや障害

配達中に怪我をしてしまうこともあり得ます。
どんなに気を付けていても予想外の事故は起きてしまうもので、もし配達中の事故が原因で後遺障害が残って本業を続けられなくなってしまっては悔やんでも悔やみきれないでしょう。

ウーバーイーツ提供の補償制度の中身と注意点

上記に列挙したリスクに対して、ウーバーイーツも配達員向けに補償制度を用意してくれています。
以下がその補償内容です。
(2020年10月1日より「ドライバー自身の補償」が充実しました)

対人賠償補償 配達中の事故により他人を死傷させてしまった場合 最大1億円
(示談交渉がない点に要注意。詳細は後述します)
対物賠償補償 配達中の事故により、他人の物品を壊してしまった場合 最大1億円
自分自身への補償 配達中の事故により、あなた自身が死傷した場合 死亡時 1,000万円
葬式費用見舞金 100万円
後遺障害時 1,000万円
手術・検査費用
50万円まで
入院費用
1日あたり7,500円(60日間まで)
入院一時金
ヘルメット装着時:20,000円
ヘルメット非装着時:5,000円
手術一時金
入院し宿泊を要する場合:75,000円
外来手術の場合:37,500円
見舞金
死亡時には配偶者や相続人に15万円

補償金額だけ見ると十分な金額に思えますが、実はここには大きな落とし穴があります。

ウーバーイーツが用意しているこの保険制度は、「配達中」のみが対象であり、配達をしていない間(配達リクエストを待っている間や、配達前や後の移動中など)は対象とならないのです

ウーバーイーツの公式HPでも以下のように注意書きを載せています。

本保険は自転車・原付バイク・バイク・軽自動車を利用する Uber Eats 配達パートナーが、配達リクエストを受諾した時点から配達が完了、またはキャンセルされるまでの間に生じた事故に対して適用されます
(ウーバーイーツ公式HP:Uber パートナー ドライバーの保険 – 仕組みについてより)

実際に配達員をしてみると、配達以外の時間が意外と長いことが分かります。
お金を多く稼ぐコツとして飲食店の多い地域でリクエストを受けることがあげられますが、配達を終えてそこに向かう移動時間も多いです。

そのためウーバーイーツの保険制度だけでは不十分で、自転車保険に個別に入っておく必要が出てくるのです

配達外の移動や待機中は保障制度の対象外。自転車保険で備えよう。

自転車保険、安い保険会社なら月額100円から加入できる。

自転車利用者が増えて、現在は様々な自転車保険が保険会社や自治体から販売されています。
価格は年間1000円台~3000円台のものが多く、家族を含めたり補償内容を充実させると金額がさらに上がります。

もしあなたが自分自身の補償だけで良いというのであれば、全日本交通安全協会が提供している自転車保険をお勧めします。
公的機関ゆえの安心感が抜群だからです。

全日本交通安全協会の自転車保険

【全日本交通安全協会】自転車保険加入のご案内
https://cycle-anshin.com/

配達事故で最も高額リスクの高い賠償事故に特化しているので、安いプランだと価格も年間1200円と最安レベルで、ネットで簡単に加入を済ませることができます。
補償金額も1億円と申し分ありません。

そしてとても重要なのが、「示談代行サービスも付いている」ことです。
この示談代行サービスが無い保険だと、事故を起こした際の示談交渉(相手とのやりとりや弁護士の手配など)を自分自身で行わなければならなくなり、ものすごく大変です。
一部の保険では示談代行サービスが付いていないものもあるので、もし自転車保険に入る際には必ずチェックしておきましょう。

なお、ウーバーイーツ提供の補償制度には示談代行サービスが付帯されておりません。これにより、配達員だけでなく事故被害者も苦しむという実例も出てきています。
この問題については別記事にて書かせていただきました。
ウーバーイーツ配達員向けの補償制度、足りない補償が社会問題に。

まとめ:ウーバーイーツは気軽に始められるけどリスクの大きい仕事

自転車は免許なしに乗ることができますが、車両の1つです。
スピードも出ますし、人や物にぶつかれば大事故に引き起こすこともあり得ます。
(さらに重量のある電動自転車で配達をされていれば、衝突の衝撃はかなりのものになります。)

新型コロナウイルスの影響で今後もウーバーイーツ配達はどんどん必要とされていきますが、その一方で配達員自身でそのリスク管理もしっかり行っていく必要もあります。
副業といえど、個人事業主に近い立場ですからね。

年間1000円程度の負担でそのリスク管理が出来るのですから、まだ未加入の人は加入の検討だけでもまずはしておくのが確実に良いでしょう。