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「持病の薬、海外でどうやって確保する?」海外旅行保険のプロがアドバイス

投稿日:2025年12月05日
保険ウィズ(株式会社ウィズハート)代表取締役 木代晃輔
株式会社ウィズハート
代表 木代晃輔
保険ウィズ(株式会社ウィズハート)代表取締役 木代晃輔
株式会社ウィズハート
代表 木代晃輔

持病をお持ちの方が海外赴任や留学、あるいは長期旅行などが決まったときに最も心配することの一つが「薬の確保」ではないでしょうか。

「日本の薬は海外に持ち込めるの?」
「現地で同じ薬は手に入る?」

そんな不安があると思います。

私は海外旅行保険の仕事を15年以上携わってきまして、持病をお持ちの多くの方の海外渡航のサポートをしてきました。

今回は、持病をお持ちの方の薬確保の方法についてまとめました。

日本国内での準備:渡航前にできること

もっとも確実で安心な方法は、
「日本から慣れ親しんだ薬を持っていくこと」
です。

海外での薬は、同じ成分が入っていたとしても日本とは微妙に成分量が異なることもあり、人によっては体質に合わないことがあります。

① 主治医に相談し、多めに処方してもらう

まずは主治医に海外渡航の予定を伝えましょう。

日本のルールでは処方日数に制限がありますが、「海外に長期で滞在する」という事情があれば例外的に長期間(3ヶ月分、半年分など)の処方が認められる場合があります。

こればかりは医療機関やかかりつけ医の考え方次第になるのですが、事前相談してみた結果、多めの薬を処方してもらったという方は多くいらっしゃいました。

② 「英文薬剤証明書」と「英文処方箋」を作成してもらう

薬を海外へ持ち込む際、税関で荷物のチェックを受けて、薬の説明が必要になることがあります。
以下の英文書類があれば、チェックがスムーズになります。

■ 英文の薬剤証明書
あなたが所持している薬が、治療のために正規に処方されたものであることを証明する書類です。

■ 英文の診断書
病名、治療内容、薬の成分名(一般名)が英語で記載されたものです。

③ 渡航先の「持ち込み規制」を確認する

国によっては、日本では一般的な薬(一部の鎮痛剤、睡眠薬、向精神薬など)が「麻薬・禁止薬物」に該当し、持ち込み禁止または厳しい制限を受けている場合があります。

事前に大使館や外務省のサイト等で確認し、必要であれば許可申請の手続きを行ってください。

海外現地での調達方法:薬が切れたらどうする?

長期滞在で手持ちの薬が尽きてしまった場合、以下の4つの方法で確保を検討します。

① 現地の医療機関(クリニックやGPなど)を受診する

薬
処方薬を確保する場合、医師の診察を受け、処方箋をもらう必要があります。

診察の際には持参した「英文診断書」を現地の医師に提示できるスムーズです。
現在服用している薬と同じ成分・量の薬の処方箋を発行してもらいましょう。

② 日系クリニックを利用する

観光地であれば、日本人医師や日本人スタッフが働いている「日系クリニック」があるケースも多いです。
日本語で病気や薬の話が出来ますし、日本の医療事情を理解しているためもっとも安心して相談できるでしょう。

日本にいるうちに現地の日系クリニックがないか事前に調べておき、もしあればHPやメールで事前に相談しておくことをお勧めします。

③ 家族に国際郵便(EMS等)で送ってもらう

日本にいる家族に代理で薬を受け取ってもらい、海外へ郵送してもらう方法です。

これも医療機関やかかりつけ医の考え方次第ですが、本人が海外からオンライン診療で診察を受け、ご家族が代わりに処方箋・薬を受け取ることを認めてくれることもあります

なお、国際郵送については、発送できる薬や量が国によって異なりますので、その国の税関ルールを確認しておきましょう。
また、「送れるかどうか分からなかったが、実際に発送してみたら送ることが出来た」ということもよくあります。

海外滞在の早い段階で国際発送してみて、届くかどうか少量でまずはテストしてみるのも良いでしょう。
没収されれば現地病院で薬確保するようにし、国際郵送で届くようであれば定期的に送るようにすれば良いのです。

④ 家族に持ち込んでもらう、一時帰国して自分で持ち込む

物理的に「人の手」で運ぶ方法です。

■ 一時帰国時に自分で持ち込む
夏休みや正月などの一時帰国をしたときに日本の病院を受診し、再度まとまった量を処方してもらい、再渡航時に持ち込みます。

■ 家族や知人に持ち込んでもらう
家族が遊びに来る際などに持ってきてもらう方法です。
ただし、原則として「医薬品の持ち込みは、本人が使用する場合に限る」というルールの国が多いため、大量に持ち込むと税関で指摘されるリスクがあります。
英文の薬剤証明書や診断書コピーなど、説明ができる準備をしておくことのが良いでしょう。

海外に長期滞在されたお客様の事例

実際に海外で持病の薬を確保された方にインタビューで聞きましたので、その経験談を紹介します。

■ 潰瘍性大腸炎の方のケース
カナダでの薬確保や費用、病院の探し方(あぼねこ様の事例)
イギリスでの薬確保や費用、病院の探し方(F様の事例)
オーストラリアでの薬確保や費用(F様の事例)

■ 全身性エリテマトーデス(SLE)の方のケース
カナダ留学・ワーホリでの薬や病院の探し方(H様の事例)

■ 海外留学保険・ワーホリ保険の手配事例
持病があったり治療中の人が加入できるウィズハートの海外留学保険

最後に。海外の薬についての注意点

海外で薬を扱う際には、日本とは異なるリスクやルールが存在します。

■ 薬の「商品名」ではなく、「一般名(成分名)」を知っておきましょう。
潰瘍性大腸炎の薬の例だと、販売名:ペンタサ、成分名:メサラジンになります。

■ 服用量(用量)の違いに注意
欧米人と日本人では体格や代謝酵素が異なるため、海外で処方される薬の「1回あたりの用量」が日本人には多すぎる(強すぎる)場合があります。
現地で薬を処方してもらう際は、医師に「日本人の体格であること」を考慮してもらい、必要であれば用量を調整してもらうよう相談してください。

木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。

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