FP・識者の保険コラムExpart Column

70歳女性が配達代行の自転車にはねられて右足を骨折。配達員には高額な損害賠償の見込み。

歩道を歩いてた70歳の女性が、料理の配達サービスの自転車にはねられて、右足を骨折する事故がありました。

事故を起こしたの配達員は25歳のベトナム人で、注文待ちをしながら自転車で周辺を行き来しており、事故当時は「前をよく見ていなかった」と話しています。

配達員による自転車事故の増加

新型コロナウイルスの流行を背景に、料理の配達サービスの需要が高まっています。
それと同時に、配達員による自転車事故も増えています。

2020年には、ウーバーイーツ配達員の自転車に接触した女性が救急車で搬送される事故も発生しました。
この被害女性は目に傷を負い、むちうち症とも診断されて治療費等を損害賠償請求しましたが、ウーバーイーツが提供している保険には示談交渉サービスが付帯されておらず、保険会社との交渉ができませんでした。

事故を起こした配達員も請求に応じなかったため、女性は過失傷害の疑いで配達員を刑事告訴しています。

ウーバーイーツ配達員向けの補償制度、足りない補償が社会問題に

配達代行をする方は、必ず自転車保険に加入を。

配達代行のお仕事は、自転車があれば手軽に始められ、スキマ時間を活用できるので、副業としてこれから始めようと考えてる方も多いでしょう。

その場合には、必ず自転車保険(賠償責任保険)に加入し、万が一の事故への賠償に備えるようにしましょう。

ウーバーイーツ配達員が入っておくべき自転車保険。ウーバーイーツ提供の保険制度との違いは?

配達会社側で保険を用意している場合もありますが、
・示談交渉サービスがなく、事故を起こしたら配達員自身が被害者と示談交渉をしなくてはいけない
・配達中以外の事故は補償されない

などのような不十分な点が多いのです。

配達会社提供の保険を過信せず、ご自身で別途自転車保険に加入しましょう。

今回の事故の賠償費用はどのくらい?

今回の事故について、配達員が自転車保険に加入していたかは分かりませんが、もし、自転車保険に加入していなかった場合、
①被害者の治療費
②慰謝料
③ヘルパーや家事代行費用
など、すべて自身で支払う必要があります。

特に今回の被害者は70歳と高齢なので、治療にかかる費用は長期かつ高額になることが予想されます。

過去に、70歳代の女性に重傷を負わせた交通事故では、加害者に1000万円以上の賠償金の支払いが命じられた事例もあることから、今回の事故でも1000万円近い金額の賠償責任が科せられると思われます
配達員の生活・人生が破綻するといっても過言ではない金額で、とても貯金で対応できるレベルではなく、対応策は「保険で備える」しかありません。