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うつ病の治療費はいくらかかる?利用できる公的制度と保険加入の選択肢を解説

投稿日:2026年9月05日

うつ病にかかる治療費と医療費助成制度の解説|医療保険加入についても解説

うつ病にかかる治療費と医療費助成制度の解説|医療保険加入についても解説

うつ病は代表的なこころの病気のひとつであり、治療が長期にわたるケースも少なくありません。
休養と薬物療法を中心に、通院で治療を進めるのが一般的ですが、症状が重い場合は入院が必要になることもあります。

この記事では、うつ病の基礎知識から治療費の目安、利用できる公的制度、治療歴がある方の保険加入の可能性まで解説します。

うつ病とはどんな病気か

うつ病の仕組みや患者数の推移、注意すべき症状について確認しましょう。

うつ病の原因と仕組み

うつ病は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンなどの働きが低下することで発症すると考えられています。
「気分の落ち込み」「意欲の低下」「不眠」などの症状が2週間以上続く場合にうつ病が疑われます。

発症の引き金となりやすいのは、人間関係の悩みや家族との死別といったつらい出来事だけではありません。
昇進や結婚、引越しなど、一見よろこばしい生活環境の変化もストレスとなることがあります。

性格面では、几帳面で責任感が強く、何でも一人で抱え込みやすい方がかかりやすい傾向があるとされています。

患者数の推移

厚生労働省の「患者調査」によると、うつ病を含む気分障害の総患者数は1999年の約44万人から大幅に増加し、2020年には約172万人に達しました。
2023年の調査では約159万人となり、依然として高い水準で推移しています。

患者数が増加した背景には、うつ病に関する普及啓発が進み医療機関を受診する人が増えたことも一因と考えられています。

■出典: 厚生労働省健康局 気分障害患者数の推移(PDF)
■出典:厚生労働省 社会・援護局 精神保健医療福祉の現状等について(PDF)

うつ病の主な症状

うつ病の症状は精神面だけでなく、身体にもあらわれます。
主な症状は以下のとおりです。

・気分の落ち込みが続き、何をしても楽しめない
・意欲や集中力が低下し、仕事や家事に手がつかない
・不眠や過眠など睡眠のリズムが乱れる
・食欲の減退または過食
・頭痛、肩こり、胃の不快感などの身体症状

初期には不眠や疲労感が目立つため、「疲れがたまっているだけ」と見過ごされがちです。
上記の症状が2週間以上続く場合は、早めに心療内科や精神科を受診しましょう。

うつ病の主な治療法と費用の目安

うつ病は適切な治療を続けることで回復が見込める病気です。
治療法と費用の目安を確認しましょう。

治療の基本は休養と薬物療法

うつ病の治療で最も大切なのは、十分な休養をとることです。
そのうえで、医師の判断に基づいてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRIなどの抗うつ薬が処方されます。

薬の効果があらわれるまでに数週間かかることがあるため、自己判断で服用を中断せず、医師と相談しながら治療を続けることが重要です。
近年は薬物療法に加え、考え方のパターンを修正する認知行動療法を組み合わせた治療も取り入れられています。

通院治療にかかる費用の目安

月に数回の通院と薬代を合わせると、3割負担で月額3,000~6,000円程度の自己負担が目安です。
ただし、後述する自立支援医療制度を利用すれば、自己負担を1割に軽減できます。

入院が必要になった場合の費用

精神科への入院費用は、入院する病棟の種類や治療内容によって異なりますが、3割負担の場合で月額10万〜35万円程度が目安とされています。

気分障害の平均在院日数は118.2日(約4ヶ月)であり、入院が長期にわたるケースも少なくありません。
■出典:厚生労働省 令和5年患者調査(e-Stat)Z12 退院患者平均在院日数,性・年齢階級(5歳) × 傷病中分類 × 病院-一般診療所別

ただし、高額療養費制度を利用すれば月々の自己負担には上限が設けられるため、実際の負担は軽減されます。

うつ病の医療費負担を軽減するための公的制度

うつ病の治療は長期にわたることが多いため、利用できる公的制度を事前に把握しておくことが大切です。

① 自立支援医療制度で通院費の自己負担を1割に軽減する

うつ病の通院治療で活用されている公的制度が自立支援医療制度(精神通院医療)です。
この制度を利用すると、通院にかかる医療費の自己負担が3割から1割に軽減されます。

うつ病を含む気分障害は制度の対象疾患であり、1割の負担が過大なものとならないよう、世帯の所得に応じた1か月あたりの自己負担上限額も設けられています。

世帯の所得区分 自己負担割合 月額上限額
生活保護受給世帯 0円
市町村民税非課税世帯(本人収入80万円以下) 1割 2,500円
市町村民税非課税世帯(本人収入80万円超) 1割 5,000円
市町村民税課税世帯(市町村民税額235,000円未満) 1割 医療保険の自己負担限度額
市町村民税額235,000円以上 制度の対象外(医療保険の負担割合が適用)

なお、うつ病は「重度かつ継続」の対象疾患に含まれており、医師の診断書によって認定された場合は、中間所得層以上でも月額5,000~20,000円の上限額が適用されることがあります。

詳しくはお住まいの市区町村の窓口にご相談ください。
■出典:厚生労働省 自立支援医療(精神通院医療)について(PDF)

② 高額療養費制度で入院時の負担を抑える

入院治療が必要になった場合は、高額療養費制度を活用できます。
ひと月の医療費の自己負担額が所得に応じた上限を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。

所得区分 (年収目安) 自己負担限度額
年収約1,160万円以上 252,600円 + (総医療費 - 842,000円) × 1%
年収約770万〜約1,160万円 167,400円 + (総医療費 - 558,000円) × 1%
年収約370万〜約770万円 80,100円 + (総医療費 - 267,000円) × 1%
年収約370万円未満 57,600円
住民税非課税世帯 35,400円

※高額療養費制度は見直しが決定しており、2026年8月から自己負担限度額が段階的に引き上げられる予定です。
■出典:厚生労働省 高額療養費制度の見直しについて(PDF)

③ 傷病手当金で療養中の生活費を補う

会社員や公務員など健康保険の被保険者が、うつ病の治療で連続3日以上仕事を休んだ場合、4日目から傷病手当金を受け取れます。
支給額は直近12か月の標準報酬月額の平均額の3分の2で、支給開始日から通算して最長1年6か月間です。

国民健康保険の加入者(自営業者やフリーランスの方など)は原則として対象外である点に注意が必要です。

④ 医療費控除で税負担を軽くする

1年間に支払った医療費の合計が10万円(または総所得金額の5%のいずれか低い方)を超えた場合、確定申告で医療費控除を受けられます。
通院にかかった公共交通機関の交通費や処方された医薬品の費用も控除対象です。

家族の分も合算できるため、年間の医療費が高額になった場合は忘れずに申告しましょう。

うつ病の治療歴がある方の保険加入について

うつ病の治療中の方や治療を終えた方にとって、保険に加入できるかどうかは気になるポイントではないでしょうか。
ここでは、告知の仕組みや加入が難しくなる理由を整理したうえで、うつ病の方でも検討しやすい保険の種類を紹介します。

告知と一般的な保険への加入可否

一般的な医療保険や生命保険に申し込む際には、現在の健康状態や過去の治療歴を「告知」する必要があります。
うつ病は再発リスクがある疾患と見なされるため、治療中はもちろん、治療を終えてから数年間は通常の保険への加入が難しくなるケースがほとんどです。

がん保険なら加入できる可能性がある

うつ病はがんとは異なる疾患であるため、通常のがん保険であれば加入できる可能性があります。
がん保険の告知項目はがんに関する治療歴が中心であり、精神疾患の治療歴は問われない商品が多いためです。

ただし、保険会社や商品によって告知内容は異なるため、申し込み前に必ず確認しましょう。

引受基準緩和型保険なら加入できる可能性がある

通常の保険への加入が難しい方には、引受基準緩和型の医療保険が選択肢になります。
告知項目が3~5項目程度に簡素化されており、うつ病の治療歴がある方でも加入しやすいのが特長です。

うつ病の治療歴があっても加入できる場合があるほか、持病が悪化して入院や手術をした場合でも保障の対象になります。

一方で、加入後1年間は給付金が半額に削減される商品が多く、通常の医療保険と比べて保険料はやや割高になる傾向がある点には留意が必要です。

弊社ウィズハートではうつ病をお持ちの方でもご加入いただける保険が販売しておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。

無選択型保険は最後の手段として検討する

無選択型保険は、告知や医師の診査が一切不要で加入できる保険です。
ただし、既往症(加入前からの病気)の悪化による入院や手術は保障の対象外であり、保険料も割高になります。

うつ病のように再発の可能性がある疾患をお持ちの方は、既往症が保障対象外となることもある点に注意が必要です。

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