日本生命が就業不能保険を販売停止。予想を超える多くの保険金請求で。
日本生命は、2021年7月から販売してきた就業不能保険「収 NEW 1」(シュウニューワン)について、新規販売を停止すると発表しました。
予想を大きく超える保険金請求があったことを理由に挙げています。
【記事概要】
日本生命は入院の長期化により生じる収入源に備える就業不能保険の新規取り扱いを2025年1月2日に停止する。
給付金を受け取れる「14泊15日」の入院事例が、国民全体の平均と比べて約2倍に膨らんでいた。
加入者の一部が、給付金を多く受け取れるよう意図的に入院期間を延ばしている可能性がある。
日本生命、就業不能保険の販売停止へ 不正対策 (日本経済新聞より)
就業不能保険とは、「入院が継続した時の収入源に備える保険」です。
日本生命の「収 NEW 1」では、14日以上継続して入院したときに給付月額の6か月分を一度にまとめて受け取れるという保障内容となっています。
例えば給付金額を月額10万円と設定していた場合、14日以上の継続入院で60万円が受け取れることになります。
一方で、継続入院日数が13日以下の場合は給付金が支払われません。
加入者としては給付金を受け取りたいため、一部が意図的に入院期間を延ばしていた可能性があります。
このように保険商品の開発者が想定していなかったことが起こり、収支が赤字になったり販売停止になる事例は定期的にあります。
■販売停止となった保険の事例
・妊婦さん向け医療保険「エブリワン」、新規販売の停止のお知らせ(2021年)
・日新火災海上保険の海外旅行保険の販売中止のお知らせ(2024年)
保険会社も加入前審査を行うなど対策をしていますが、完全なリスクコントロールはなかなか難しいようです。
この記事の執筆者:木代 晃輔
株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。
損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。