FP・識者の保険コラムExpart Column

自転車保険が足立区で義務化。自転車事故に備える保険は何がある?

投稿日:2019年02月08日

自転車の事故で高額な賠償金が命じられるケースがあることをご存知でしょうか。
自転車は免許もいらず、練習さえすれば誰でも乗れる便利な乗り物ですが、一歩間違えると危険な乗り物にもなります。

事故を起こさないためには正しい乗り方をするのが一番です。もちろんそのために安全講習などの対策も行なっていますが、それでも防ぎきれない事故があります。

事故が起これば加害者も被害者も人生を変える結果になるかもしれません。
そんな時に金銭的な負担に備えようという動きが自転車保険の義務化です。

足立区で自転車賠償保険が義務化の方針

自転車事故では賠償金額が1億円近くになった事例が過去にいくつかあります。

保険に加入していない場合、その損害金は自腹で支払うことになります。被害者だけでなく加害者にも大きな負担となります。

自転車による交通事故の加害者数

これらの金銭的負担に備えるために必要になるのが自転車保険です。
各自治体が条例で自転車事故の賠償に備えられる保険の加入義務化を進めたり、国土交通省も事故への対策を検討し始めています。

今回は、東京都足立区が自転車賠償保険への義務化を発表したというニュースがありました。埼玉県や相模原市などの地方での義務化はありましたが、都内では初めての義務化になります。

自転車の事故に備えられる保険は?

この自転車賠償保険ですが、すでに加入している人はそのままで良く、現在未加入の人は新たに加入をする必要があります。

自転車事故の賠償に対応する保険は色々とあり、主に以下の3つが候補になるかと思います。

1.自転車保険
2.個人賠償責任保険
3.区民交通傷害保険

1.自転車保険

自転車保険は単体で入れる保険で、主に自転車事故での自分の怪我などに備える補償と、相手への賠償に備える補償が付いています。
中には自動車保険のようなロードサービスが付いている保険もあります。

交通安全協会でも自転車保険を発売するなど、様々な機関・保険会社が自転車保険を提供し始めています。
交通安全協会の自転車保険「サイクル安心保険」

2.個人賠償責任保険

個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険などに特約で付けられる保険です。
自転車事故だけでなく、日常生活で損害賠償が発生した時にも保障されます。

保障範囲が広くて費用も比較的安い反面、本契約の保険と同時に解約になったり、保障内容が選べないなど縛りがあるのがデメリットになります。

3.区民交通傷害保険

今回、足立区の場合は保険の義務化と同時に区民交通傷害保険を始めることも検討されています。
これは区が窓口となって少額で加入出来る保険のことで、こちらでも自転車賠償に備えることが出来ます。
ただ、実施しているのはまだ10区程度で、加入出来る人が限られているというデメリットがあります。

これら3つの方法にはそれぞれメリット、デメリットがあります。
保障の範囲、保険料、保障金額等を確認しましょう。特に誰が保障されるのかと保障金額は重要で、自転車事故に備えるなら最低でも一億円は必要です。

義務化になっていない地域でも自転車事故は起こります。
これを機会に自転車保険の検討・見直しをしてみましょう。