FP・識者の保険コラムExpart Column

埼玉の川島町が画期的英断。全ての中学生を対象に自転車保険料を町が負担。

埼玉県川島町教育委員会が、町内の中学校に通う全生徒を対象に、町が保険料を負担して自転車保険に加入させることとしました。

埼玉県では2018年4月1日より「埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例」の改正をし、
・自転車保険の加入義務化
・学校等における保険加入確認の努力義務
が定められました。

川島町ではこの改定内容をさらに進め、町内の中学生を対象に自転車保険料を町が負担することを決定しました。

自転車事故の加害者の多くが10代の若者

交通事故総合分析センターの平成26年度資料によると、自転車に乗ってて事故を起こして加害者になるのは「13~18歳」の割合が高いことを示しています。

自転車による交通事故の加害者数

ちょうど中高生の年代ですね。
通学や外出に自転車を利用することが多い年代であるため、事故を起こしてしまう割合も高いのでしょう。

自転車事故を起こすと、当然のことですが損害賠償が請求されることもあります。
過去には小学生が加害者となった自転車事故で1億円近い損害賠償が請求された事例もあり、自転車保険加入の重要性が伺えます。

条例を制定し自転車保険の加入を義務付ける自治体は増えてきていますが、個別の加入状況を把握できない等の理由から「保険加入は努力義務」としている自治体も多く存在します。

そのような状況の中、町が保険料を負担して町内の中学生に自転車保険に加入させ、万が一の事故に備える川島町の判断は素晴らしいですね。
川島町はほぼ全中学生が自転車通学をしているとはいえ、民間の保険会社が販売する自転車保険の保険料を負担するとは画期的です。

保険料負担の動きは他の自治体にも広がって欲しい

川島町の中学生だけでなく、「子育て支援」の一環として自治体負担で全ての子供が自転車保険に加入できることが理想的だと思います。
子供が自転車保険に加入することで、親世代も加入するきっかけにもつながるでしょう。

もちろんすべての自治体が保険料を負担することは今すぐできることではありません。
まずは子供の自転車保険の必要性をもっと広め、学校で行われる交通安全教室等で子供達にも自転車保険の必要性を認識する機会が与えられると良いと思います。