[確認完了]狭心症の治療費はいくら?公的制度の活用と医療保険の選び方


狭心症は、心臓に血液を供給する冠動脈の血流が悪くなり、心筋が一時的に酸素不足に陥ることで胸の痛みや圧迫感が生じる疾患です。
厚生労働省の令和5年(2023年)患者調査によると、狭心症の総患者数は約97万8,000人にのぼり、男性が約60万人、女性が約38万人と男性に多い傾向があります。
治療せずに放置すると心筋梗塞に進行する可能性があり、命に関わる事態に発展することもあります。
この記事では、狭心症の種類や症状、治療法に加え、高額療養費制度や傷病手当金など活用できる公的制度について解説します。
この記事の目次
狭心症とは
狭心症は、心臓の筋肉(心筋)に酸素や栄養を届ける冠動脈の血流が低下し、心筋が酸素不足になることで起こる病気です。
心筋梗塞と合わせて「虚血性心疾患」と呼ばれています。
主な原因は動脈硬化で、冠動脈内にコレステロールなどが蓄積して血管が狭くなることで発症します。
動脈硬化を引き起こすリスク要因には以下のようなものがあります。
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症(高コレステロール血症など)
・喫煙
・肥満
・加齢
狭心症では血流が完全に途絶えるわけではないため、適切な治療により症状をコントロールできるケースも多いです。
ただし、症状が悪化すると冠動脈が完全に詰まって心筋梗塞へ進行する可能性があるため、早期の治療が重要になります。
狭心症の主な症状
狭心症の代表的な症状は以下のとおりです。
・胸の中央部に締め付けられるような痛みや圧迫感
・みぞおちや肩、腕、あご、背中への放散痛
・息苦しさや動悸
・冷や汗を伴う胸部不快感
症状の持続時間は数分から15分程度が一般的で、ニトログリセリンの舌下投与で症状が改善することが多いです。
高齢者や糖尿病の方では典型的な症状が出にくいこともあるため、注意が必要です。
狭心症の種類
狭心症は発症のしかたによって、主に3つのタイプに分類されます。
それぞれ症状の現れ方や治療法が異なるため、自分がどのタイプに該当するかを把握しておくことが大切です。
労作性狭心症
労作性狭心症は、冠動脈の狭窄(きょうさく:血管が狭くなること)により心筋への血流が減少し、階段を登るなどの運動時に胸部症状が生じるタイプです。
歩行や階段などの労作によって症状が生じ、安静にすると数分程度で治まるのが特徴です。
食後や寒い環境では症状が出やすくなる傾向があります。
冠攣縮性狭心症
冠攣縮性狭心症は、冠動脈が一時的に痙攣(攣縮)を起こして血流が悪くなるタイプです。
夜間や早朝の安静時に発作が起こりやすいのが特徴で、冠動脈に器質的な狭窄がなくても発症することがあります。
喫煙や飲酒、ストレスが誘発因子となることが多いため、生活習慣の見直しが予防につながります。
症状は労作性狭心症より長く続くことがあり、15分程度持続するケースもあります。
不安定狭心症
不安定狭心症は、発作の頻度が増えたり、安静時にも症状が出るようになったりするタイプです。
心筋梗塞に移行する危険性が高い状態であり、緊急の治療が必要になります。
これまで安定していた症状が変化した場合は、すぐに医療機関を受診してください。
狭心症の治療と医療費
狭心症の治療は、薬物療法とカテーテル治療、冠動脈バイパス手術の3つに大別されます。
症状の程度や冠動脈の状態によって、最適な治療法が選択されます。
主な治療法
軽度の狭心症や冠攣縮性狭心症では、薬物療法が治療の中心となります。
使用される主な薬剤は以下のとおりです。
・抗血小板薬(アスピリンなど):血栓の形成を予防
・硝酸薬(ニトログリセリンなど):冠動脈を拡張して血流を改善
・β遮断薬:心拍数を抑え心臓の負担を軽減
・カルシウム拮抗薬:血管の痙攣を抑制
・スタチン系薬剤:動脈硬化の進行を抑制
薬物療法で改善しない場合は、カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術:PCI)を検討します。
カテーテルを使って狭くなった冠動脈にステント(金属製の網状の筒)を留置し、血流を確保する治療法です。
カテーテル治療は局所麻酔で行われるため身体への負担が少なく、入院期間は3〜4日程度で済みます。
複数の冠動脈に狭窄がある場合や、カテーテル治療が困難な場合には、冠動脈バイパス手術が選択されることもあります。
活用できる公的制度
狭心症の治療では、医療費の負担を軽減する公的制度を活用しましょう。
高額療養費制度
1カ月の医療費が自己負担限度額を超えた場合、超過分が健康保険から支給される制度です。
カテーテル治療の費用は総額で約120万〜180万円程度ですが、この制度を利用することで自己負担を軽減できます。
| 所得区分 (年収目安) | 自己負担限度額 |
|---|---|
| 年収約1,160万円以上 | 252,600円 + (総医療費 - 842,000円) × 1% |
| 年収約770万〜約1,160万円 | 167,400円 + (総医療費 - 558,000円) × 1% |
| 年収約370万〜約770万円 | 80,100円 + (総医療費 - 267,000円) × 1% |
| 年収約370万円未満 | 57,600円 |
| 住民税非課税世帯 | 35,400円 |
事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えられます。
医療費控除
1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすることで所得税の還付を受けられます。
高額療養費制度で対象外となる入院時の食事代や差額ベッド代、通院のための交通費なども控除の対象に含まれます。
医療費控除は過去5年間にさかのぼって申告できるため、申告を忘れていた方も手続きが可能です。
傷病手当金
会社員や公務員など健康保険に加入している方が、病気で仕事を休み給与が支払われない場合に受け取れる制度です。
連続して3日間仕事を休んだ後、4日目以降の休業日に対して標準報酬日額の3分の2相当額が支給されます。
支給期間は通算して1年6カ月が上限となっており、狭心症の治療や療養で長期間仕事を休む必要がある場合に活用できます。
心疾患と保険加入の関係
狭心症は再発や心筋梗塞への進行リスクがある疾患のため、治療後も継続的な通院や薬物療法が必要になるケースが多くあります。
公的制度に加えて民間の医療保険で備えておくことで、将来の医療費負担に対する不安を軽減できます。
医療保険や生命保険に加入する際は、健康状態についての告知が必要です。
狭心症と診断された方や治療中の方は、通常の医療保険では加入を断られたり、心臓・血管系の疾病を保障対象外とする条件(部位不担保)が付いたりすることがあります。
これは保険会社が加入者間の公平性を保つために設けている基準であり、狭心症に限らず持病のある方に共通する課題です。
ただし、すべての保険に加入できないわけではありません。
狭心症診断後に検討できる保険
持病がある方でも加入しやすい保険として、引受基準緩和型保険と無選択型保険があります。
引受基準緩和型保険は、通常の保険より告知項目が少なく設定されている保険です。
一般的に「過去2年以内に入院・手術をしたか」「現在入院を勧められているか」など、3〜5項目程度の簡単な告知で申し込めます。
カテーテル治療後で経過が安定している方や、薬物療法で症状がコントロールされている方は、加入できる可能性があります。
ただし、通常の医療保険と比べて保険料が割高になる点や、契約から1年間は給付金が半額になる商品が多い点には注意が必要です。
無選択型保険は、健康状態の告知が一切不要で加入できる保険です。
引受基準緩和型保険でも加入が難しい方の選択肢となりますが、保険料はさらに高額になる傾向があります。
また、多くの場合、契約から90日間は病気による入院・手術が保障対象外となり、既往症の悪化も保障されません。
ご自身に合った保障を見つけるために
狭心症の方が保険を選ぶ際は、現在の治療状況と将来のリスクを考慮することが大切です。
・ステント留置後の定期的な検査費用
・将来的な再治療の可能性
・心筋梗塞への進行リスク
これらを踏まえて、保険料の負担と保障内容のバランスを検討しましょう。
保険商品は各社で引受基準や保障範囲が大きく異なります。
ご自身の治療状況に合わせた最適な保険を見つけるために、詳しい内容を知りたい方はお気軽にご相談ください。
弊社ウィズハートでは狭心症でもご加入いただける保険がございますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。
