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家財保険はなぜ加入しなければならないの?家財保険の必要性を保険プロが解説します。

公開日:2025/01/22

家を借りる時、不動産業者や大家さんから「家財保険に加入してください」と案内されることは多いですよね。

賃貸保険、家財保険、火災保険など呼び方はさまざまですが、「賃貸住宅向け、家財の損害を補償する火災保険」という意味で、すべて同じものを意味しています。
ここでは「家財保険」という呼び方で統一します。

木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。

なぜ加入しなければならないのか?

家財保険に加入する理由は、主に2つあります。

加入理由1 大家さんからの要請・入居時の要件

家財保険に加入しなければならない理由のひとつは、入居者が原因で建物に損害が生じた時、原状回復にかかる費用を入居者自身が負担する必要があるからです。

例えば、こんな事故が想定されます。
・料理中ちょっと目を離した隙に、てんぷら油から火が出て火事を起こしてしまった
・お風呂のお湯を出しっぱなしにしてしまい、部屋中が水浸しになってしまった

損害の内容によっては数万円程度で直せることもあるかもしれませんが、数十万~数百万円の修理費用がかかることも考えられます。
そんなときに修正費用を補填してくれるのが家財保険です。

加入理由2 建物内の私物への補償

加入しなければならないもう一つの理由は、入居者自身の私物に損害が出た時の補償を確保しておくためです。

家財保険という名前の通り、基本的には入居者の家財道具(家具や家電、その他部屋の中にある私物など)が補償の対象となります。

■ 火災・自然災害リスク
火事や洪水、土砂災害などの自然災害に遭うと、建物全体が損害を受け、その中にある家財道具がすべて失われてしまうことも考えられます。
家財保険ではこういった大規模な災害にも備えられます。

■ 盗難リスク
近年では窃盗や強盗のニュースを見かけることが多くありますが、家財保険では盗難による損害にも対応しています。

住宅内に置いていたものが盗まれてしまった場合や、家財を壊されてしまった場合などに、新たに買い直すための費用が家財保険で補償されます。
ただし、現金や貴金属類には補償の上限が設けられていることがありますので、よく確認しておきましょう。

■ 不測かつ突発的事故リスク
家財保険の中には、予期せぬ急な損害である「不測かつ突発的事故」を補償するプランもあります。

たとえば、次のような事故が想定されます。
・ゲームで遊んでいたところ、コントローラーをテレビ画面にぶつけて液晶を割ってしまった
・部屋の模様替え中に、植木鉢を落としてガラステーブルの天板を割ってしまった

もし家財保険に加入しないとどうなるのか?

高額な賠償責任を負ってしまう

入居者さんが原因で建物に損害を与えてしまった時は、入居者さんは大家さんへ損害賠償責任を負います。

水漏れ事故のときには階下の部屋まで水浸しとなってしまい、階下の住人の家財にまで損害を与えることもあります。
これらの事故の内容によっては、数百~数千万円の修理費を請求される恐れがあるのです。

保険に加入していなければ、大家さんや階下の住人への高額な費用を、全額自腹で支払わなければなりません

家財の買い換えに大きな出費が発生する

また、火事や水害などの自然災害では、住宅内の家財が全部ダメになってしまうこともあります。
すべてを再び買い揃えるとなると、膨大な費用がかかってしまいますよね。
近年では物価の上昇も続いているため、購入した当時よりも高くなっているかもしれません。

このように、自分の現在の生活や将来設計を脅かさないためにも、家財保険に加入しておくことはとても大切です

どんな家財保険に加入すればいい?

家財保険は、入居者が自由に選ぶことができますが、どれでもいいというわけではありません。
保険を選ぶ時は、次のようなことを確認しておきましょう。

押さえておきたい補償内容

家財保険に加入する時にまずチェックしたいのが、補償内容です。
基本的にはどの保険も次の3つの補償が組み合わされています。

■家財の補償
入居者自身の家財道具に対する補償です。
火事や水害などの大きな災害に遭うと、家財道具をすべて失ってしまうかもしれません。

家財道具と言われてイメージしやすいのは大型の家具や家電ですが、それ以外にも日常的に使っているもの、着ている服などすべてを含みます。
本棚や収納ケース、タンス、クローゼットの中身などをイメージしてみてください。
これらのものを「すべて新しく買い直す時にいくらかかるか?」という観点で、家財保険の保険金額を設定します。

また、「火災」のほか、台風などの「風災」といった基本補償は多くのプランで共通しています。
しかし、洪水や大雨による土砂災害などを補償する「水災」や、予期せぬ事故を補償する「不測かつ突発的な事故」は、プランによって補償の有無が異なるため、ご自身の必要性に応じて選択するのがおすすめです。

■大家さんに対する補償(借家人賠償責任保険)
大家さんに対する「借家人賠償責任保険」は、1000~2000万円が目安となりますが、ほとんどの場合、基本補償として付帯されています。

■他の入居者など第三者に対する補償(個人賠償責任保険)
個人賠償責任保険も、借家人賠償責任保険と同様に基本補償として自動的に付帯されています。

自動車保険や傷害保険などに付帯されているケースも多く見られますので、もし保険料を節約したいと考えるのであれば、他の保険に付帯されていないかチェックしてみるといいでしょう。

お得な加入方法

家財保険への加入が必要となった時、できるだけおトクに加入できるプランを選ぶためには、次のようなポイントをチェックしてみましょう。

■ 保険料の安さを比較する
家財保険の保険料は保険会社によって異なります。
同じような補償内容でも、保険料が数百~数千円違うこともありますので、複数のプランを比較して検討してみましょう。
特に、Web契約できるプランは、手続きにかかる人件費が不要となることから保険料が安い傾向があります。

■ クレジットカード払ができる
保険料をクレジットカードで支払うとポイントがつきます。
選択できる支払い方法も保険会社によって違いがありますので、手続き前に確認しておくことがお勧めです。

弊社では、複数の保険会社のプランを比較できるページをご用意しています。
こちらのページからご自分に合ったプランを探してみてください。