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椎間板ヘルニアの手術費用と公的支援制度|保険加入の可否も解説

投稿日:2026年5月07日

椎間板ヘルニアの手術費用と公的支援制度|保険加入の可否も解説

椎間板ヘルニアの手術費用と公的支援制度|保険加入の可否も解説

椎間板ヘルニアは背骨の骨と骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで腰や足に痛みやしびれが生じる病気です。
20代から40代の比較的若い世代に多く発症し、日常生活に大きな影響を与えることがあります。

この記事では、椎間板ヘルニアの症状や治療法に加え、高額療養費制度や医療費控除など活用できる公的制度について解説します。

椎間板ヘルニアとは

椎間板は背骨の間にあるクッション役の軟骨で、これが変性して飛び出すことで神経を圧迫し、さまざまな症状が現れます。

主な症状

椎間板ヘルニアの症状は圧迫される神経の場所によって異なり、腰椎ヘルニアでは腰痛や下肢の痛みが中心となります。

・腰痛(前かがみの姿勢で悪化することが多い)
・お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけての痛み
・足のしびれや感覚の鈍さ
・足の筋力低下(つま先立ちやかかと歩きが困難になる)
重症化すると排尿障害や歩行困難

椎間板ヘルニアの80%以上は腰に発生し、30歳から50歳の人に多く見られます。
症状の現れ方は急性型と慢性型に分かれ、急性型では重い荷物を持ち上げた時などに突然強い痛みが起こり、慢性型では徐々に症状が進行していきます。

発症要因

発症には複数の要因が関与しており、加齢による椎間板の水分量減少、不良姿勢や重い物を持ち上げる動作、スポーツでの腰の酷使などが挙げられます。

喫煙者は非喫煙者に比べて腰椎椎間板ヘルニアの発症リスクが1.27倍高くなることが報告されています。
これはニコチンが椎間板周辺の毛細血管を収縮させ、椎間板への栄養供給が不足することが原因と考えられています。

椎間板ヘルニアの治療と医療費

椎間板ヘルニアの治療は、症状の程度に応じて保存療法から手術療法まで選択されます。

保存療法

保存療法には複数の選択肢があり、症状に応じて組み合わせて実施されます。
薬物療法では非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩薬を使用して痛みや炎症を抑え、神経ブロック注射は局所麻酔薬を注射することで痛みを和らげます。

理学療法では牽引療法や温熱療法、運動療法を行い、コルセットなどの装具で腰椎を安定させることもあります。
約90%の患者様で症状の改善が認められ、半年間の保存療法によって約80%の患者様にヘルニアの縮小や消失が見られます。

厚生労働省の令和5年度医療給付実態調査によると、椎間板ヘルニアの1通院あたりの平均医療費は約11,360円(全額負担の場合)となっています。
ただし、この数字は保存療法のみではなく、経過観察や術後の通院なども含めた椎間板ヘルニアの通院全般の平均値です。

3割負担の場合、1回の通院で約3,400円程度の自己負担となり、週1回の通院を3か月間続けた場合、合計で約4万円から5万円程度となります。
■出典:表番号5 統計表 第3表 疾病分類別、診療種類別、制度別、件数、日数(回数)、点数(金額)

手術療法

保存療法で改善が見られない場合や、排尿障害などの重篤な症状がある場合は手術療法を検討します。
内視鏡下手術(MED法・PED法)は傷口が小さく体への負担が少ないのが特徴で、入院期間も3日から1週間程度と短く、3割負担で20万円から25万円程度となります。

従来型のLOVE法は日本で多く選ばれている手術方法で、3割負担で15万円から30万円程度です。
脊椎固定術はヘルニアの処置後に金属プレートなどで脊椎を安定させる手術で、3割負担で30万円から40万円程度となり、入院期間は約1週間から2週間程度となります。

活用できる公的制度

椎間板ヘルニアの治療には公的制度を活用することで、経済的な負担を軽減できます。

高額療養費制度

月々の医療費が所得に応じて定められた上限額を超えると、超過した金額が加入している健康保険から払い戻される仕組みです。
入院や高額な治療を受ける際に、この制度を利用することで家計への負担を抑えることができます。

70歳未満の方の自己負担限度額は所得区分によって5段階に分かれています。

所得区分 (年収目安) 自己負担限度額
年収約1,160万円以上 252,600円 + (総医療費 - 842,000円) × 1%
年収約770万〜約1,160万円 167,400円 + (総医療費 - 558,000円) × 1%
年収約370万〜約770万円 80,100円 + (総医療費 - 267,000円) × 1%
年収約370万円未満 57,600円
住民税非課税世帯 35,400円

あらかじめ「限度額適用認定証」を健康保険に申請しておけば、病院の窓口で支払う金額を上限額までに抑えられるため便利です。

医療費控除

年間の医療費支払額が10万円(総所得金額等が200万円未満の方は所得金額等の5%)を上回った場合、確定申告により所得税の還付が受けられる制度です。
通院のための交通費(公共交通機関に限る)も対象に含まれるため、領収書や記録をきちんと保管しておきましょう。

この制度は過去5年分まで遡って申告が可能ですので、過去に申告を忘れていた方も手続きができる場合もあります。

傷病手当金

健康保険に加入している会社員や公務員の方が対象となる制度で、病気により仕事を休んで収入が得られない期間に給付を受けられます。
連続3日間の休業後、4日目以降の欠勤日について、標準報酬日額の3分の2に相当する金額が支給対象となります。

通算で最長1年6カ月まで受給でき、椎間板ヘルニアによる療養や入院で長期間働けない場合に利用可能です。

治療状況別・保険加入の可能性

椎間板ヘルニアは症状の程度や治療状況によって、民間の医療保険への加入条件が大きく異なります。
保存療法で症状が安定している場合は、治療中でも通常の医療保険に加入できる可能性があります。

一方で、手術を予定している場合や頻繁に症状が悪化する場合は、慎重に加入が検討されるでしょう。
保険加入の審査では、発症時期、治療内容、症状の安定性、手術歴などが総合的に評価されます。

症状が不安定な場合や、近い将来手術が予定されている場合は、加入条件が厳しくなる可能性が高いでしょう。

治療中でも検討できる保険

椎間板ヘルニアの診断を受けた方でも、病状や治療状況によっては加入できる保険があります。

通常の医療保険

椎間板ヘルニアで保存療法中の場合でも、症状が安定しており、手術の予定がなければ、保険会社によっては標準的な条件で加入できる場合もあります。
完治している場合は、通常の医療保険への加入がさらに有利です。

治療によって症状が改善し、医師から完治の診断を受け、完治後一定期間(通常2年から5年)が経過していれば、多くの保険会社で条件なく加入できる可能性が高くなります。
ただし、現在治療中の場合や完治後間もない場合は「部位不担保」という特別条件が付くケースが多く、椎間板ヘルニアの場合は「腰椎部は5年間保障しない」などの条件がつく場合があります。

引受基準緩和型保険

治療中の方や、通常の保険への加入が難しい場合は、引受基準緩和型保険を検討しましょう。
この保険は健康告知が3~5項目程度に簡素化されており、主に「過去3ヶ月以内の入院・手術の推奨」「過去1~2年以内の入院・手術歴」などを確認します。

保存療法による定期通院と投薬治療を継続している段階であれば、これらの告知項目に該当しないケースが多く、加入できる可能性があります。

将来的に椎間板ヘルニアが悪化して入院治療が必要になった場合でも保障を受けられるため、早めに検討するとよいでしょう。
通常の医療保険と比較して月々の保険料は高めに設定されており、契約から1年間は給付金が半額になる商品が多い点には注意が必要です。

無選択型保険

引受基準緩和型保険でも審査が通らなかった場合は、無選択型保険という手段もあります。
健康告知が完全不要で誰でも加入できますが、保険料はかなり高額になります。

契約後90日間は病気による入院・手術が免責となる他、既往症である椎間板ヘルニアやその関連疾患の悪化による入院は保障対象外となる商品もあります。
つまり、椎間板ヘルニアによる入院リスクに備えるという本来の目的が果たせないケースもあるため、保険料負担と実際の保障内容を慎重に比較検討する必要があります。

椎間板ヘルニアと診断されたら確認したい3つのポイント

椎間板ヘルニアの方が保険を検討する際は、以下の3つのポイントを確認することが重要です。

症状の程度と治療状況の把握

現在の症状が安定しているか、手術の予定があるかなどを把握しておくことで、加入できる保険の選択肢が広がります。
MRI検査の結果や、ヘルニアの発生部位なども正確に記録しておきましょう。

治療内容と経過の整理

保存療法の内容、投薬期間、神経ブロック注射の実施歴、症状の改善状況などを時系列で整理しておくと、保険会社への告知がスムーズに進みます。
また、完治の診断を受けている場合は、その時期を明確にしておくことが重要です。

手術歴の確認

過去に椎間板ヘルニアの手術を受けている場合、その手術内容、実施時期、術後の経過も保険加入の審査に影響します。
再発の有無や、現在の症状についても正確に告知する必要があります。

保険料の負担と実際に受けられる保障内容のバランスを慎重に検討し、ご自身の状況に適した保険を選ぶことが大切です。
弊社ウィズハートでは椎間板ヘルニアでもご加入いただける保険がございますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。
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