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腎不全でも入れる医療保険・生命保険はある?透析の治療費用と活用できる公的支援制度

投稿日:2026年04月15日

腎不全でも入れる保険はある?透析の費用と活用できる公的支援制度

腎不全でも入れる保険はある?透析の費用と活用できる公的支援制度

腎不全は、腎臓の機能が低下して老廃物や余分な水分を十分に排出できなくなる疾患です。
日本透析医学会の統計調査によると、2023年末時点で透析療法を受けている患者数は約34万3,500人にのぼります。

腎不全が進行すると人工透析や腎移植が必要になり、生活や経済面に大きな影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、腎不全の種類や症状、治療法に加え、特定疾病療養受療証や身体障害者手帳など活用できる公的制度について解説します。

腎不全とはどんな病気か

腎不全は、腎臓の機能が低下して体内の老廃物や余分な水分を十分に排出できなくなった状態を指します。
腎臓は血液をろ過して尿を作り、体内の水分・電解質バランスを調整する重要な臓器です。

また、血圧の調整や赤血球の産生を促すホルモンの分泌、骨を丈夫にするビタミンDの活性化なども担っています。
腎機能が低下するとこれらの働きが損なわれ、さまざまな症状や合併症が現れます。

腎不全を引き起こす主な原因には以下のようなものがあります。

・糖尿病(糖尿病性腎症)
・高血圧(腎硬化症)
・慢性糸球体腎炎
・多発性嚢胞腎
・加齢

日本透析医学会の調査では、慢性透析患者の原疾患として糖尿病性腎症が39.5%と最も多く、次いで慢性糸球体腎炎が23.4%、腎硬化症が14.0%となっています。

近年は腎硬化症の割合が増加傾向にあり、高血圧や動脈硬化の管理が腎不全予防において重要性を増しています。

腎不全の主な症状

腎不全の初期段階では自覚症状がほとんどありません。
そのため、気づかないうちに病気が進行してしまうケースが多いのが特徴です。

腎機能が低下すると、以下のような症状が現れることがあります。

・むくみ(顔や手足のむくみ)
・夜間頻尿(尿の濃縮力低下による)
・倦怠感や疲労感
・息切れ
・食欲不振や吐き気
・皮膚のかゆみ
・貧血

こうした症状が現れた時点では、腎機能がかなり低下している可能性があります。
特に夜間頻尿は腎機能が50%程度に低下した頃から現れることが多いため、注意が必要です。

定期的な健康診断で尿検査や血液検査を受け、早期発見に努めることが重要です。

腎不全の種類

腎不全は発症の経過によって、急性腎不全と慢性腎不全の2つに分類されます。
それぞれ原因や治療法が異なるため、正確な診断を受けることが大切です。

急性腎不全(急性腎障害)

急性腎不全は、数時間から1週間程度という短期間で急激に腎機能が低下する病態です
原因としては、脱水や出血による血流低下、薬剤の影響、尿路の閉塞などが挙げられます。

適切な治療を行えば腎機能が回復する可能性があります。
ただし、重症の場合は一時的に透析が必要になることもあります。

慢性腎不全(慢性腎臓病)

慢性腎不全は、数カ月から数年かけて徐々に腎機能が低下していく病態です。
糖尿病や高血圧、慢性糸球体腎炎などが原因で発症することが多く、一度低下した腎機能は回復しません。

慢性腎不全が進行して末期腎不全に至ると、透析療法や腎移植が必要になります。

腎不全の治療内容と、治療にかかる医療費

腎不全の治療は、病気の進行度合いに応じて段階的に行われます。
初期段階では生活習慣の改善や薬物療法が中心となり、末期腎不全では透析療法や腎移植が選択肢となります。

主な治療法

初期から中期の段階では、原因疾患の治療と生活習慣の改善が基本となります。
塩分やタンパク質の制限、血圧管理、血糖コントロールなどを通じて腎機能の低下を遅らせることを目指します。

末期腎不全に至った場合は、腎臓の機能を代替する治療が必要になります。
透析療法には血液透析と腹膜透析の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。

血液透析は医療機関で行う治療法で、1回約4時間の治療を週3回程度受けるのが一般的です。
血液透析の医療費は月額約40万円かかります。

腹膜透析は自宅で行える治療法で、通院頻度を減らせるメリットがあります。
月額約30万〜50万円の医療費がかかりますが、仕事や日常生活との両立がしやすい特徴があります。

医療費軽減のために活用できる公的制度

透析治療には高額な医療費がかかりますが、公的制度を活用することで自己負担を軽減できます。

① 特定疾病療養受療証

人工透析を必要とする慢性腎不全は、厚生労働省が定める「特定疾病」に指定されています。
加入している健康保険に申請して「特定疾病療養受療証」の交付を受けることで、医療機関窓口での自己負担額が月額1万円(上位所得者は2万円)に軽減されます。

申請は国民健康保険の場合は市区町村役場、協会けんぽの場合は全国健康保険協会の各都道府県支部で行います。
透析治療を開始したら速やかに申請手続きを行いましょう。

② 身体障害者手帳

腎臓機能障害により身体障害者手帳を取得することができます。
手帳を取得すると、以下のような福祉サービスを受けられます。

・所得税・住民税の障害者控除
・自動車税の減免
・公共交通機関の運賃割引
・高速道路料金の割引(50%以下)

透析治療を受けている方は、申請によりほとんどの場合「身体障害者1級」に認定されます。
1級に認定されると、上記に加えて自治体による医療費助成を受けられる場合があります。

③ 自立支援医療(更生医療)

身体障害者手帳を取得している方は、自立支援医療(更生医療)の給付を受けられます。
透析治療にかかる医療費の自己負担が原則1割となり、世帯の所得に応じてさらに軽減される場合もあります。

透析患者は「重度かつ継続」に該当するため、負担上限額が設定されます。
申請はお住まいの市区町村の障害福祉窓口で行います。

④ 障害年金

人工透析を受けている方は、障害年金の受給対象となる可能性があります。
透析治療を受けている方は原則として障害年金2級に該当し、初診日の加入年金制度によって障害基礎年金や障害厚生年金を受給できます。

障害年金の申請には、初診日の証明や年金保険料の納付要件を満たしていることが必要です。
糖尿病から腎不全に至った場合は、糖尿病で初めて受診した日が初診日となります。

詳細は最寄りの年金事務所にご確認ください。

⑤ 高額療養費制度

透析以外の治療や入院費用には、通常の高額療養費制度が適用されます。
1カ月の医療費が自己負担限度額を超えた場合、超過分が健康保険から支給されます。

所得区分 (年収目安) 自己負担限度額
年収約1,160万円以上 252,600円 + (総医療費 - 842,000円) × 1%
年収約770万〜約1,160万円 167,400円 + (総医療費 - 558,000円) × 1%
年収約370万〜約770万円 80,100円 + (総医療費 - 267,000円) × 1%
年収約370万円未満 57,600円
住民税非課税世帯 35,400円
⑥ 医療費控除

1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすることで所得税の還付を受けられます。
高額療養費制度で対象外となる入院時の食事代(病院から支給されるもの)や、通院のための交通費(公共交通機関)なども控除の対象に含まれます。

医療費控除は過去5年間にさかのぼって申告できるため、申告を忘れていた方も手続きが可能です。

⑦ 傷病手当金

会社員や公務員など健康保険に加入している方が、病気で仕事を休み給与が支払われない場合に受け取れる制度です。
連続して3日間仕事を休んだ後、4日目以降の休業日に対して標準報酬日額の3分の2相当額が支給されます。

支給期間は通算して1年6カ月が上限となっており、腎不全の治療や療養で長期間仕事を休む必要がある場合に活用できます。

透析治療中の民間保険加入について

腎不全は長期にわたる治療が必要な疾患であり、特に透析療法を受けている方は生活面でも経済面でも大きな影響を受けます。
公的制度による医療費軽減に加えて、民間の医療保険で備えておくことで、透析以外の医療費や将来のリスクに対応できるでしょう。

医療保険や生命保険に加入する際は、健康状態についての告知が必要です。
慢性腎臓病や腎不全と診断されている方が、一般的な医療保険への新規加入を検討する場合、腎機能の低下により審査が通りにくくなる傾向があります。

腎臓の機能が一度低下すると回復が見込めず、透析導入や合併症のリスクがあるため、保険会社の審査基準に適合しないケースが大半です。
ただし、病状や治療段階によっては加入できる保険もあります。

腎臓病でも入れる可能性がある保険

腎不全の診断を受けた方でも加入できる可能性がある保険があります。

引受基準緩和型の医療保険や生命保険であれば、健康状態に関する質問が限定されており、「過去2年以内に入院・手術をしたか」「現在入院を勧められているか」など、3〜5項目程度の質問に答えるだけで申し込み可能です

透析導入前の慢性腎臓病で症状が安定している方はもちろん、透析治療を受けている方でも告知項目に該当しなければ加入できる可能性はあるでしょう。
ただし、一般的な医療保険と比較すると月々の保険料は高めに設定されており、契約から1年間は給付金が半額になることもある点には注意が必要です。

透析導入前の方は、透析導入後に比べて選択肢が格段に多くなります。将来に備えるという意味で、早い段階で保険について検討することが大切です。

引受基準緩和型保険でも加入が難しい場合は、無選択型保険という選択肢があります。
無選択型保険は健康状態の告知が一切不要ですが、保険料がさらに高額になります。

また、契約から90日間は病気による入院・手術が保障対象外となり、既往症(腎不全を含む)の悪化も保障されない商品もあるため、注意が必要です。

保険加入時のチェックポイント

腎不全の方が保険を検討する際は、以下の点を確認することが重要です。

・現在の腎機能の状態と合併症の有無
・透析治療の有無と開始時期
・過去の入院・手術歴

告知項目の内容は保険会社によって異なるため、複数の保険商品を比較検討することをお勧めします。
また、腎不全に関する入院や治療が保障対象になるか、保障される範囲はどこまでかを必ず確認してください。

保険料の負担と実際に受けられる保障内容のバランスを慎重に検討し、ご自身の状況に最も適した保険を選ぶことが大切です。

弊社ウィズハートでは腎不全でもご加入いただける保険がございますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。
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