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関節リウマチの治療費はどのくらいかかる?難病医療費助成制度と民間保険の活用法

更新日:2026年01月15日

関節リウマチの治療費と保険活用

関節リウマチの治療費と保険活用

関節リウマチは、関節に炎症が起こり、進行すると関節破壊をきたす自己免疫疾患です。
治療には長期にわたる継続が必要となり、特に生物学的製剤やJAK阻害薬を使用する場合は医療費が高額になります。

関節リウマチは指定難病ではありませんが、高額療養費制度をはじめとする公的支援制度を活用することで、経済的負担を軽減しながら治療を継続することが可能です。

本記事では、関節リウマチの治療にかかる費用と、利用できる公的支援制度について詳しく解説します。

関節リウマチとは

関節リウマチは、免疫の異常により自分の関節を攻撃してしまう自己免疫疾患です。
発症は30歳代から50歳代に多く、男女比は1:4と女性に多く見られます。

朝のこわばり、手指や手首などの小さな関節の腫れや痛みが左右対称に現れることが特徴で、放置すると関節の破壊や変形をきたします。
発症初期の段階で関節破壊が進行するため、早期診断・早期治療が重要です。

通常の関節リウマチは指定難病には指定されていません。
指定難病第46号に指定されているのは「悪性関節リウマチ(リウマトイド血管炎)」で、既存の関節リウマチに血管炎などの重篤な関節外症状を伴う疾患です。

関節リウマチ治療にかかるお金の実際

関節リウマチの治療費は使用する薬剤によって大きく異なります。
病状の進行度や治療効果に応じて薬剤を選択するため、医療費の負担も変動します。

基本的な治療にかかる費用

関節リウマチの第一選択薬はメトトレキサートです。
通常、1週間に6mg~16mgを服用し、薬剤費は1日あたり約900円程度(保険適用前)となります。

健康保険適用後(3割負担)では、薬剤費は月額約800円~900円程度です。
これに診察料や定期的な血液検査、X線検査の費用を含めると、健康保険適用後(3割負担)の医療費は月額1万円~2万円程度となります。

メトトレキサートは関節リウマチ治療の中心的な薬剤で、関節の炎症を抑え、関節破壊の進行を防ぐ効果があります。

生物学的製剤を使用した場合の費用

メトトレキサートで十分な効果が得られない場合や副作用で使用できない場合、生物学的製剤が検討されます。
生物学的製剤は、TNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインを標的とする注射薬で、高い治療効果が期待できます。

薬剤費は種類によって異なりますが、月額8万円~14万円程度です。
3割負担の場合、月額の自己負担額は約2万5千円~4万円程度となります。

ただし、後述する高額療養費制度を利用することで、実際の自己負担はさらに軽減されます。

JAK阻害薬を使用した場合の費用

JAK阻害薬は、生物学的製剤とは異なる作用機序で炎症を抑える内服薬です。
関節の腫れや痛みなどの炎症を抑える効果は生物学的製剤と同等以上とされ、関節破壊の進行抑制効果も認められています。

3割負担での自己負担額は年間約60万円(月額約5万円)です。
副作用として肝障害や感染症のほか、日本人では特に帯状疱疹の発現が多いことが報告されています。

高額療養費制度の活用方法

関節リウマチは指定難病ではないため、難病医療費助成制度は利用できませんが、高額療養費制度により医療費の自己負担を軽減できます。

高額療養費制度は、1か月の医療費が自己負担限度額を超えた場合、超えた金額が払い戻される制度です。

自己負担限度額について

自己負担限度額は年齢と所得によって異なります。
事前に加入している医療保険の窓口で「限度額適用認定証」の交付を受け、医療機関の窓口で提示することで、支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。

69歳以下の方の自己負担限度額(月額)

所得区分 (年収目安) 自己負担限度額
年収約1,160万円以上 252,600円 + (総医療費 - 842,000円) × 1%
【多数回該当:140,100円】
年収約770万〜約1,160万円 167,400円 + (総医療費 - 558,000円) × 1%
【多数回該当:93,000円】
年収約370万〜約770万円 80,100円 + (総医療費 - 267,000円) × 1%
【多数回該当:44,400円】
年収約370万円未満 57,600円
【多数回該当:44,400円】
住民税非課税世帯 35,400円
【多数回該当:24,600円】

70歳以上の方の自己負担限度額(月額)

所得区分 (年収目安) 自己負担限度額
現役並み所得者3
(年収約1,160万円以上)
252,600円 + (総医療費 - 842,000円) × 1%
【多数回該当:140,100円】
現役並み所得者2
(年収約770万〜約1,160万円)
167,400円 + (総医療費 - 558,000円) × 1%
【多数回該当:93,000円】
現役並み所得者1
(年収約370万〜約770万円)
80,100円 + (総医療費 - 267,000円) × 1%
【多数回該当:44,400円】
一般所得者
(年収156万円〜約370万円)
外来:18,000円(年間上限144,000円)
入院:57,600円【多数回該当:44,400円】
低所得者2 外来:8,000円
入院:24,600円
低所得者1 外来:8,000円
入院:15,000円

世帯合算と多数回該当

同一の公的医療保険に加入している家族の医療費を合算することができます(70歳未満の方は21,000円以上の自己負担が対象)。

また、過去12か月以内に3回以上高額療養費の支給を受けている場合、4回目以降は「多数回該当」として自己負担限度額がさらに引き下げられます。

その他の公的支援制度

高額療養費制度以外にも、病状に応じて利用できる公的支援制度があります。

① 介護保険制度:関節リウマチは介護保険の特定疾病に指定されており、40歳以上で介護が必要な状態と認定されれば介護保険サービスを利用できます。

② 身体障害者手帳
関節の機能障害が一定以上進行した場合、身体障害者手帳を取得できます。
等級に応じて、公共交通機関の運賃割引、税制上の優遇措置、医療費助成などの支援を受けられます。

③ 傷病手当金
症状により働けなくなった場合、健康保険の傷病手当金として、最長1年6か月間、給与の約3分の2が支給されます。

④ 障害年金
日常生活や労働に著しい制限が生じた場合、障害年金の受給が可能な場合があります。

関節リウマチ患者が知っておきたい民間保険のこと

公的支援制度によって医療費負担は軽減されますが、差額ベッド代や通院時の交通費など、公的制度ではカバーされない費用も発生します。

関節リウマチと診断されてからも加入できる医療保険は?

関節リウマチの診断を受けた場合、通常の医療保険への新規加入はかなり難しくなります。
診断後でも加入を検討できる保険としては、告知緩和型の医療保険が挙げられます。

告知緩和型医療保険は通常の医療保険と比べて告知項目が少なく設定されていますが、保険料がすこし高額になるなどの制限もあります。

弊社ウィズハートでは関節リウマチをお持ちの方でもご加入いただける保険がございますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。
ウィズハートへの保険のご相談はこちら

もし診断前から加入していた保険があったら

診断前に加入していた医療保険は、関節リウマチの治療でも給付対象となります。
入院給付金、手術給付金、通院給付金などの保障内容を確認し、入院や手術の際は速やかに保険会社に連絡して給付金を請求しましょう。

診断後は、既存の保険を安易に解約しないことが大切です。
一度解約すると、関節リウマチの診断歴があるため再加入が困難になる可能性が高くなります。

まとめ

関節リウマチは自己免疫疾患で、長期的な治療が必要となります。
関節リウマチは指定難病ではないため、難病医療費助成制度は利用できません。

しかし、高額療養費制度を活用することで、所得に応じた自己負担限度額が設定され、医療費の経済的負担を大幅に軽減できます。
特に生物学的製剤やJAK阻害薬を使用する場合は、高額療養費制度の活用が重要です。

その他、介護保険制度、身体障害者手帳、傷病手当金、障害年金などの公的支援制度も病状に応じて利用できます。
民間保険については、診断後の新規加入は困難になる可能性が高いため、既存の保険は安易に解約せず、保障内容を十分に活用しましょう。

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