現役の糖尿病療養指導士が書く糖尿病コラムdiabetes-column

糖尿病内科で働く看護師がしている仕事とは

公開日:2020/11/16
最終更新日:2021/08/01

初めまして。私は糖尿病を中心とした内科外来で働いている看護師(15年目)です。
以前には大学病院や総合病院の小児科や内科系病棟も経験していました。

今回最初の記事では、糖尿病内科で働いている看護師が普段どんな仕事をしているか、ご紹介します。

私と糖尿病との関わりは小児科での新人時代にさかのぼります。
1型糖尿病の患者さんが多く病気や治療について勉強したくても参考書や症例が少ないなか、沢山の子供たちから色々と教えてもらいました。
内科系病棟・外来では2型糖尿病の患者さんが中心ですが、大学生から100歳を越える方まで、幅広い年齢、職業、病歴の患者さんに日々対応しています。

看護師の仕事は大きく分けると、「外来の仕事」と「入院病棟の仕事」の2つに分かれます。

外来の仕事では看護師は何をしているの?

一般的な医師の診察の補助・検査の介助をしています。
糖尿病の受診の場合は医師とヘモグロビンA1cと血糖値の話をして、たまに怒られて、薬をもらって帰る・・そんな方も多いと思います。

私の働く病院では、糖尿病患者さんの看護師面談を行っていて血糖測定・インスリンの注射の練習、糖尿病に関連したお薬の説明や食事・生活指導、検査・手術での注意点など全般に渡って生活指導をして、糖尿病をかかえる様々な状態の患者さんが自宅で安定して過ごせるようサポートしています。
看護師面談の中では退院したばかりの患者さんには入院中の経過をもとに、問題なく過ごせているか情報を収集し医師と共有して患者さんと接していくようにしています。

糖尿病は経過が長い病気です。私の看護師人生よりも長く糖尿病を患っているベテラン患者さんも沢山いらっしゃって、皆さん長い時間を糖尿病とともにドラマチックに人生を歩んでいます。

社会的にも高齢化が進むなか変わりなく過ごされているか、問題を抱えていないかお話しを伺い、それぞれの患者さんに合わせた生活指導を心がけています。

入院病棟で看護師がしている仕事について

「糖尿病」をもつ患者さんとはいえ糖尿病であることも、血糖値やヘモグロビンA1cの値がいいかも一見しただけではわかりませんよね。
採血や入院前の経過から糖尿病かどうか、ちゃんと治療しているかはある程度知ることはできますが、糖尿病の患者さんは肺炎や簡単な手術でも合併症をおこしやすく、傷の治りが悪かったり、回復が遅くなったりと重症になりやすいので「ハイリスク」として治療をする事が一般的です。

血糖値測定やインスリンの注射のほかにも、入院の原因となった病気の治療をして、全身の状態をみて低血糖や高血糖をおこさず血糖値が安定してくるよう、早くに退院できるように医師と総合的に経過を見ていく必要があります。
糖尿病患者さんが発症しやすい合併症も多いので早期発見・対応に務めるのも糖尿病患者さんにとっては大切な看護です。

入院してはじめて糖尿病と診断された患者さんには糖尿病とは何か正しい知識を知ってもらいます。糖尿病の良くないイメージが先行して病気を受け入れることができなかったり、治療を拒否する人もいますが、少しずつでも「血糖測定」「インスリン注射」などの練習は行っていきす。

ただ繰り返し練習してもなかなかできない患者さん、訪問看護などの社会的サポートが必要な患者さんなど対応に苦慮するケースの場合は、糖尿病療養指導士に指導や調整を依頼します。
そういった患者さんの場合には、外来でも継続して関わって行けるように外来受診の際に糖尿病療養指導士の面談の場を設けるように連携をします。

現役看護師 小田あかり

この記事の執筆者:現役看護師 小田あかり

看護師として、腎臓・循環器、糖尿病に関する業務を多くこなし、糖尿病患者さんの指導も行っています。
多数の学会発表の経験を活かして、医療ライターとしても活動中。

主な所有資格:糖尿病療養指導士、呼吸療法認定士、透析学会認定など

糖尿病の悪化や合併症発症には保険での備えを。

糖尿病をお持ちの方に特に気を付けていただきたいのはやはり合併症です。
もし合併症が発症すれば生活・家計への影響が大きくなることもあり、それへの対策として保険はとても有効な手段です。

特に今は新型コロナという新しい病気が出てきており、糖尿病の方の健康リスクはさらに大きいものとなりました。
もしまだ医療保険に未加入の方がいらしたら保険加入をお勧めしたいです。

糖尿病の方向けの医療保険・生命保険を比較できるページを用意していますので、ぜひご参照ください。
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