相模原市でも自転車保険を加入義務化。普及のカギは「罰則」。
神奈川県の相模原市が2017年12月25日、自転車を利用する市内居住者や事業者、通勤・通学者(自転車を利用する未成年者の保護者も含む)を対象に、損害賠償保険の加入を義務付ける条例「安全に安心して自転車を利用しようよ条例」を施行しました。
これまでも多くの自治体が自転車保険加入の義務化を定める条例を出してきましたが、「自転車の販売業者にも、自転車を販売する際に自転車保険加入の確認を義務付けている」という点で大きな違いがみられました。
自転車保険の加入義務は今後も増える
先日に、横浜市と川崎市で自転車事故があり、自転車にひかれた方はどちらも亡くなられました。自転車は気軽に乗れて便利な乗り物ですが、時には人を傷つける凶器であることを再認識する痛ましい事故でした。
自転車事故は全国で急増しており、加害者が高額な賠償責任を負うケースも出ています。数年前には、小学生が自転車で女性をに後遺障害を負わせてしまい、9500万円もの賠償金を請求されたケースもありました。
このように自転車事故で高額な賠償金を負担することもあることから、平成27年10月に兵庫県が全国で初めて自転車の損害賠償保険の加入を義務化して以降、同様の自治体が増えています。
相模原市でも自転車利用者及び自転車事故が多いことから、市独自の条例を制定し義務化に至りました。おそらく今後も自転車利用者の保険加入義務化の広がっていくでしょう。
保険義務化の課題は「罰則」の有無
相模原市以外でも言えることですが、自転車保険加入を義務化している自治体では、保険を加入していない場合の罰則を設けていません。罰則を設けていないというよりは「罰則を設けられない」のが実情です。
たとえば自動車保険であれば定期的に車検があり、その際に車両ごとに自動車保険(自賠責保険)の加入をチェックすることが出来ますが、車検のようなチェック制度がない自転車では加入の実態を把握するのは困難です。
したがって、加入実態把握ができない状況で罰則を設けることはできないのでしょう。加入を義務化しても、「罰則がないのであれば自転車保険には加入しない」と考える人は多いと思います。
自分と相手を守る自転車保険。料金負担も少ないネット加入タイプも。
私個人としては、たとえば罰則が設けられてないとしても、自転車を乗る方はどうか賠償責任保険に加入しておいて欲しいですね。
賠償責任保険に未加入で事故を起こし高額な賠償金が発生した場合、加害者はその賠償責任を負いきれず自己破産しなくてはならないケースもあります。被害者の方は十分な補償を得ることができずに泣き寝入りです。
またお子さんがいる方は、自分が事故を起こさなくてもお子さんが誰かを傷つけてしまうかもしれません。責任無能力者である子供が事故を起こしたときはその親が損害賠償責任を負うことになります。
最近ではインターネットで簡単に加入できる自転車保険も増えています。安いところであれば月100円~200円で加入できる自転車保険もありますから、未加入の方はぜひ検討されてみてください。