「妊婦さんに医療保険は必要ない」の嘘。妊婦さんこそ保険に加入しておくべき理由
最終更新日:2022/06/15
「妊娠・出産で医療保険は必要ですか?」
これはよく聞かれる質問です。
結論からいえば、妊婦さんこそ医療保険に入っておくべきだと考えています。
その一番の理由として、身近な人が医療保険で救われた事例を私は見ているからです。
妊娠中に何もトラブルなく出産できた方は「保険なんて要らないよ」と言うかもしれませんが、実際に妊娠異常で緊急手術&緊急入院をした人を近くで見て、またその入院生活のことを聞くと「妊婦さんこそ医療保険って必要だな」と強く思うのです。
妊娠・出産に備えた保険の3つの特徴
妊娠中になぜ保険で備える必要があるのか?
それは妊娠・出産に備える医療保険には以下の3つの特徴があるからです。
① 妊娠中の手術・入院リスクに備えられる
② 一度帝王切開などすると次回以降は保険の補償が得られない
③ 産後の体調不良にも備えられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 妊娠中の手術・入院リスクに備えられる。
まず、初めに知っておいて欲しいのが妊娠・出産のトラブルに関する費用です。
通常の妊娠は病気ではないので、検診や出産では公的医療保険は使えません。
つまり、妊娠・出産時に何も問題がなければ全額自己負担(出産一時金等の助成はあります)になるのです。
(ただし、医師が治療を必要だと判断した場合、その部分に関しては公的医療保険の対象になります。)
それなら民間の医療保険は必要ないのでは?と思うかもしれませんが、残念ながらすべての妊婦さんが順調に出産できるわけではありません。
妊娠中のトラブルとしてあげられるのが、
・切迫流産・早産
・流産
・重度のつわり
・妊娠糖尿病・高血圧
などです。
通院で解決する場合もありますし、ひどい場合は入院や手術を受けることもあります。
また出産時のトラブルとしてあげられるのは、
・帝王切開
・吸引分娩
などの異常分娩です。
特に帝王切開は年々増加して、現在は4人に1人程度の割合で帝王切開による出産となっています。
医療保険に加入していれば、入院に対して入院給付金が支払われますし、入院中に手術となった場合は手術保険金が支払われ、それらの出費に備えられます。
実際に弊社で勤務している女性スタッフSさんも、妊娠22週の妊婦検診で切迫早産の兆候が見つかり、緊急手術&3か月間の入院、最後は帝王切開で出産するという大変な体験をしています。
家計への負担が大きくて、全てあわせて100万円弱の費用がかかったそうです。
Sさんの入院生活状況や気持ちは以下の特集ページ後半に載せていますので、よろしければご覧ください
弊社の女性スタッフが妊娠22週で妊娠異常が見つかり、3ヶ月間もの入院および帝王切開出産をしました
月々2,000円前後の保険料でこのような高額な入院費用に備えられるのですから、保険の費用対効果としても悪いものではないでしょう。
さきほどのSさんも
「入院中は子供のことや手術や今後のことでもういっぱいいっぱいだったけど、保険に入っててお金の心配をしないで済んだのはすごくありがたかった」
と言っています。
金銭面の物理的な補償だけでなく、心配事が1つ減るというのはとても大きなメリットなのです。
② 一度帝王切開などすると次回以降は保険の補償が得られない
妊娠に対する保険を検討するなら一番良いのは妊娠前です。
もし現在妊娠中で保険未加入で、妊娠が順調に経過しているなら今が加入のラストチャンスです。
というのも一度帝王切開等の異常分娩をしてしまうと、次回以降の妊娠では帝王切開の保険保障が受けられなくなるからです。
同様にすでに何かしら妊娠・出産に問題があれば、今回の妊娠でもその部分が保障の対象外となってしまいます。
また、妊娠中の方は加入出来る妊娠週が決まっていたり、告知審査があったりするので、出来るだけ早めに加入しておくことをお勧めします。
今回の妊娠に関しても次回以降の妊娠に関しても、問題がない今のうちに加入しておかなければ、いざ保障が欲しい時に使えないという事が出てくるのです。
③ 産後の病気・ケガにも備えられる。出産後に保険加入じゃ遅い?
保険は出産後に見直せばいいかという方もいるかもしれません。しかし、産後の経過が良くなくて入院が長引いた場合どうなるでしょうか?
その時に保障をしてくれるのは出産前に加入した保険になります。
また、産後はホルモンバランスや体の変化から体調不良を訴えたり、怪我をしてしまったりする人もいます。
子育てが落ち着いてから保険を検討しようと思っていたらその前に体調を崩してしまったという人も多くいます。
備えの1つの方法として医療保険を活用
厚生労働省の調査によれば帝王切開による出産は年々増加しており、4年前は「5人に1人が帝王切開出産」だったのが今では「4人に1人が帝王切開出産」となっています。
妊娠中も働く女性が増えていること、高齢出産が増えていることが理由として考えられていて、それだけ妊娠トラブルが起きる可能性が高まっているのです。
保険の1つの役割として「万が一に備える」という機能があります。
もちろん誰だって妊娠・出産の「万が一」なんて考えたくはありません。
しかし、その「万が一」は誰にでも起こりうるものなのです。
備えの方法は保険だけではありませんが、金銭面の安心のためにはとても有効な手段です。妊娠・出産に備えた医療保険の特徴を知って、自分に必要かどうかをもう一度しっかり考えてみてはいかがでしょうか。
この記事の執筆者:FP 佐藤日奈子
保険ウィズ編集部の佐藤日奈子です。北海道出身、千葉県在住の2児の母。
損害保険会社での勤務を経て、現在はファイナンシャルプランナーとして活動しています。
https://twitter.com/withhearthoken