現役の糖尿病療養指導士が書く糖尿病コラムdiabetes-column

1型糖尿病の子供を幼稚園保育園・学校に入れる際の注意点を、現役看護師が解説

公開日:2021/03/13
最終更新日:2021/08/01

春は進学・進級・就職など新しいことが始まる季節です。
病気を持った人たちも例外ではなく、1型糖尿病を持つお子さんには周囲のサポートが必要です。

今回の記事では、入園や入学を迎える1型糖尿病のお子さんとそのご家族に対し、糖尿病療養指導士として私が日頃どのような働きかけをしているか、ご紹介していきます。

現役看護師 小田あかり

この記事の執筆者:現役看護師 小田あかり

看護師として、腎臓・循環器、糖尿病に関する業務を多くこなし、糖尿病患者さんの指導も行っています。
多数の学会発表の経験を活かして、医療ライターとしても活動中。

主な所有資格:糖尿病療養指導士、呼吸療法認定士、透析学会認定など


まだまだ認知度が低い子どもの糖尿病

子どもの1型糖尿病患者は10万人に2~3人と大変少なく、1年間で発症するのは500-600人、患者数も全国で5000人前後です。

発症のピークは乳幼児期と10-13歳前後ですが、乳幼児期からの1型糖尿病患者数は圧倒的に少ないのです。
そのため、ほとんどの幼稚園保育園・学校の先生たちは糖尿病の子どもを担当したことがありません。

担当したことがない→わからない→怖い→責任取れない→うちの園(学校)では受け入れません というケースも耳にします。

1型糖尿病に必要なことは特別な配慮ではなく、少しだけ注意して様子を見ていただけるだけでよいですし、病気を理解し対応を知れば、怖い病気ではないのです。

幼稚園・保育園での1型糖尿病患者の受け入れ

乳幼児期患者さんの総数が少ないため、受け入れ経験のある園が少なく、拒否的なケースが多いのが現状です。

受け入れ可能な園を探すときに、私が大切にしている情報源があります。
地域の糖尿病患者の患者会やネットでの親同士のつながりです。

患者会では長い経験をもとに、1型糖尿病や医療処置に理解のある園の情報が蓄積されています。
親御さんにはそういった情報を参考に園選びをすることをご提案し、見学や体験の時期から、受け入れが可能か直接確認していただくようにお話しています。

この時期はまだ、子ども自身でインスリン注射や血糖測定はできないので、周囲のサポートが必要になります。
そのため、インスリンや血糖測定・低血糖の対応ができる、看護師常駐の園を選ぶことをお勧めしています

なお私立保育園では厚生労働省の方針で、看護師を常駐させることになっています。
反対に、公立保育園では努力義務のため地方自治体よって対応が異なりますので、参考にしてみてください。

実際に入園される際には、以下のサイトからパンフレットを印刷しお渡ししています。
日本糖尿病学会「1型糖尿病(インスリン治療を必要とする)幼児の幼稚園・保育施設への入園取り組みガイド」
1型糖尿病幼児の保育園・幼稚園への入園取り組みガイド

必要があれば、病院へ保育スタッフに来院していただき、1型糖尿病の勉強会の開催、血糖測定やインスリン注射・グルカゴン注射の実技指導も行っています。

小学校・中学校への入学について

学校や教育委員会によって受け入れは様々ですが、小学校高学年から中学生にかけてが1型糖尿病発症の2つ目のピークとなっていますので、1度も受け入れをしたことがないということは、あまり耳にはしません。

小中学校の受け入れも視野に入れて保育園・幼稚園を探される親御さんも少なくないですし、小中学校で対応できないとのことで転居されたご家族もいらっしゃいました。

この年齢になると子ども自身が少しずつ、インスリン注射や血糖測定・低血糖の対応ができるようになってきます。
小学校入学に合わせて入院して練習する病院もあるようですね。

子ども自身が悪化の予兆を一番よくわかっていますので、自分でできることが増えると身を守り、社会と適応していく力をつけることが可能になります。
けれども、子どもたちは完璧で安全な自己管理ができるわけではないので、保健室や教員との連携は引き続き大切です。

小学校入学のときに気を付けること

保育園・幼稚園から小学校1年生に進学した時に一番注意していることがあります

園よりも朝が早くなり通学距離が延び、間食の時間がなくなります。
体育など教科によって運動量も増えるので、低血糖のリスクが高くなるのです。
持続型の血糖測定などで、低血糖を早めに察知し対応する必要があります。

また、小学校・中学校では児童・生徒にも情報提供を行うことが大切です。
体調悪化の際に、一番身近にいる友人やクラスメイトが気づいて対応してくれる…というケースは少なくありません。

低血糖対応のジュースやお菓子、血糖測定器などの医療機器がいじめ・差別を助長することもあるようです。
子ども自身できちんと説明できる場合もありますが、クラス会・保護者会・参観日などの場を利用して、病気について教員から説明してもらうことも必要です。

その際の資料の提供や、事前勉強会の開催など、必要なサポートは保育園・幼稚園のときと変わらず行っています。

高校・大学への入学

こどもの世界が一段と広がる年齢で、親や医療者の介入が及ばない場面が多くなります。

小中学校よりもさらに自己管理が「自分なりに」できるようになっていますが、楽しいことを優先させて、自己管理が不十分になりやすい時期でもあります。

医療者としては継続的にかかわりたくても難しいお年頃で、病院から足が遠のいてしまいがちです。

この年齢になると、病気と学校や楽しいことを自分の力で両立することが目標です。
病院に頼ることは少なくなってしまう年齢ですが、いつでもサポートできるようにスタンバイはしています。

現役看護師 小田あかり

この記事の執筆者:現役看護師 小田あかり

看護師として、腎臓・循環器、糖尿病に関する業務を多くこなし、糖尿病患者さんの指導も行っています。
多数の学会発表の経験を活かして、医療ライターとしても活動中。

主な所有資格:糖尿病療養指導士、呼吸療法認定士、透析学会認定など

糖尿病の悪化や合併症発症には保険での備えを。

糖尿病をお持ちの方に特に気を付けていただきたいのはやはり合併症です。
もし合併症が発症すれば生活・家計への影響が大きくなることもあり、それへの対策として保険はとても有効な手段です。

特に今は新型コロナという新しい病気が出てきており、糖尿病の方の健康リスクはさらに大きいものとなりました。
もしまだ医療保険に未加入の方がいらしたら保険加入をお勧めしたいです。

糖尿病の方向けの医療保険・生命保険を比較できるページを用意していますので、ぜひご参照ください。
糖尿病の悪化や合併症に備える医療保険・生命保険を比較!