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ママ頑張り過ぎていませんか?出産後の産後うつとその対策

産後数週間から数ヶ月に発症するうつ病の事を「産後うつ」と言いますが、この産後うつがコロナ禍で急増していると言われています。

私は2人の子供を育てながら子育てボランティア団体を運営していますが、コロナ禍で思うように活動が出来ず、専門家の方々も「産後うつ」の心配をしています。
今、産後うつの心配があるママさんや育児が辛いと感じるママさんに伝えたいことがあります。

「ママ頑張り過ぎていませんか?」

コロナ禍で危惧される「産後うつ」

ここ最近産後うつに関するニュースが増えています。
2020年9月に自殺で亡くなった人気女優のニュースが流れた時、彼女が1歳未満の子供を育てていたことから産後うつが原因ではないかと憶測が流れました。

また、2020年10月には新型コロナウィルスの影響で産後うつの可能性がある母親は以前の倍に増えているという調査結果も出ました。
この調査では4人に1人が産後うつを発症し、そのうち3分の2は自身が危険な状態であることを認識出来ていないという結果になりました。

一般的に産後うつは出産後しばらくすると少なくなる傾向にありますが、今回の調査では一定の高い割合で持続しているという結果も出ています。

子育て支援もコロナで活動自粛に

冒頭でも説明した通り、私は2人の子供を育てながら子育てボランティア団体を運営しています。
子育ては楽しい事ばかりではありません。その大変さを少しでも和らげて、日々の活力を保てるようにと色々なイベント等を開催しています。

しかし、今年は新型コロナウィルスの影響で人が集まるイベントはほとんど出来ず、新しくママになった人たちと出会う機会もありませんでした。
新米ママが家に篭りっきりになってストレス発散ができなかったり、心配事を抱えていたりしてないか
これは活動を通して知り合った助産師さんらも心配しています。

なかなか日々の生活で自分に目を向ける余裕はないかもしれません。
しかし、時々自分に目を向けて、何かおかしいと感じたらすぐに対処しなければ後々大きな問題となる可能性があるのです。

ママ頑張り過ぎていませんか?

私が子育て支援に関わっているのは自分のためでもあります。

長男を出産してから「育児ってこんなに大変な事なんだ…」と思うことの連続でした。
そんな時に心を軽くしてくれたのがママ友や先輩ママ、支援センターの方や助産師さんでした。

話を聞いてくれたり、一緒に遊びに行ってくれたりするだけで気持ちがリフレッシュ出来たのです。話をするだけでやる事には変わりはないのですが、閉鎖的だった思考に新たな視点が生まれたり、話を受け止めてくれたり、共感してくれたりする人がいるというだけで一人ではない安心感がありました。

ホッとする時間を持つ事で気付いたのは「知らないうちに頑張っていたんだな」という事です。母になったら育児は当たり前と毎日がむしゃらに過ごしているうちにそんな事も気付かなくなっていたのです。

これを読んでいるママは、最近何かおかしいな…と感じているのかもしれません。そんな時は少しだけ自分を見つめてみて下さい。

育児が辛いと感じたら

育児が辛いなど育児にマイナスな感情を抱くのが悪いと感じる方もいます。でも、心の声に蓋をしてしまうと気持ちはどんどん辛くなります。

辛い時は辛いのです。人によって感情は異なって同じことをしていてもそれを楽しめる人と楽しめない人がいます。

育児も同じです。辛いものは辛いし、悲しい時は悲しいのです。気持ちに蓋をしてやり過ごすより、その気持ちを認めて、どう向き合うか?どう対処するか?を考えた方が長い子育て期間を上手に乗り切れるのではないかと思います。

乗り切り方は、その人の性格や状況によっても異なります。人に話すことで乗り切れることもあれば、一時預かりなどで子供と離れて乗り切れることもあります。

私も上の子が4歳、下の子が1歳ですが、まだまだ手探りという状態です。特にコロナ禍で生活がガラリと変わってしまったので、この中で日々の疲れをどう取るか、どうリフレッシュしていくかは大きな課題です。

しかし、支援側も色々な対策をしていて、3密を避けるために人数制限の集まりやオンラインの子育てサロンを始めているところもあります。また、託児所付きの美容室やリラクゼーションサロンも感染症対策で人数を大幅に制限し、より安全に利用できるようになってきています。

身近な人に頼るのはもちろんですが、頼りづらい環境であればこれらの支援を受けることも検討して下さい。支援側はいつでも参加を待っています。

産後うつかな?と思ったら

もし、「すでに産後うつかもしれない」と感じている場合はすぐに医療機関や専門の機関に相談しましょう。
出産した病院、かかりつけの内科、小児科、心療内科などで相談に応じていますし、地域の子育て支援課などで保健師や助産師への相談を受け付けているところもあります。
特に自治体で実施している育児相談なんかは行きやすいと思います。

ただし、機関によって対応は異なりますし、合う・合わないはあると思います。
私の知り合いでも育児相談に行った人が数人いますが、同じ支援を受けているのに、合う人は通い続け、合わない人は辞めていきました。

私の場合も結果はマタニティブルー(産後直後、ホルモンバランスの変化等で数日間心身のバランスを崩すこと)でしたが、産院で気持ちの落ち込みについて相談したら「とにかく寝て下さい」と言われただけで、なんとも言えない悲しい気持ちになりガッカリしたことを覚えています。

なので医療機関に相談することが大切ですが、そこが合わなければ他の機関に行くというのも考えておいて下さい。
1つの場所にこだわらないというのも大切な考え方です。

産後うつは誰にでもなる可能性があるものです。自分には関係ないと思わずに、少し変だなと感じたらしっかり人に頼りましょう。

保険ウィズ編集部 佐藤日奈子

この記事の執筆者:FP 佐藤日奈子

保険ウィズ編集部の佐藤日奈子です。北海道出身、千葉県在住の2児の母。
損害保険会社での勤務を経て、現在はファイナンシャルプランナーとして活動しています。
https://twitter.com/withhearthoken