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大腸がんの治療費の目安と自己負担を抑える公的制度|診断後の保険加入も解説

投稿日:2026年6月09日

大腸がんにかかる治療費と医療費助成制度の解説|医療保険加入についても解説

大腸がんにかかる治療費と医療費助成制度の解説|医療保険加入についても解説

大腸がんは日本で最も罹患数が多いがんであり、年間15万人以上が診断されています。
早期に発見できれば完治が見込めるケースも多い一方、治療が長期にわたると経済的な負担が重くなることも少なくありません。

この記事では、大腸がんの基礎知識と治療の選択肢、医療費の自己負担を軽くする公的制度、持病がある方の保険加入について解説します。

大腸がんとはどんな病気か

大腸がんの概要と罹患状況、主な症状について確認していきましょう。

大腸がんの概要と罹患状況

大腸は、食べ物が最後に通る消化管で、長さは約1.5〜2mあります。
結腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)と直腸に分かれ、主に水分を吸収して便を形成する役割を担っています。

大腸がんは、この大腸の粘膜に発生するがんで、日本人ではS状結腸と直腸にできやすいといわれています。
腺腫という良性の腫瘍ががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接がんが発生するものがあります。

国立がん研究センターの統計によると、2021年に大腸がんと診断された方は154,585例(男性86,271例・女性68,314例)でした。
大腸がんは、がん全体の罹患数で最も多く、日本人が一生のうちに大腸がんと診断される確率は男性10.3%、女性8.1%とされています。

2024年の死亡数は54,416人(男性28,826人・女性25,590人)で、がんによる死亡では肺がんに次いで2番目に多くなっています。
5年相対生存率は71.4%(男性72.4%・女性70.1%)です。
国立がん研究センター がん統計(大腸)

気をつけたい自覚症状

大腸がんは、早期の段階ではほとんど自覚症状がありません。
そのため、症状が出る前に検診で発見されることも珍しくないのが特徴です。

がんが進行すると、以下のような症状があらわれることがあります。

・便に血が混じる(血便・下血)
・便の表面に血液が付着する
・便が細くなる、残便感がある
・便秘や下痢が続く
・腹痛、おなかの張り
・貧血による立ちくらみや息切れ

がんの部位によって症状の出方は異なり、肛門に近いS状結腸や直腸では便秘や便の狭小化が、盲腸や上行結腸など口側に近い部位では貧血や腹部のしこりで発見されることがあります。

気になる症状がある方は早めに医療機関を受診しましょう。
また、自覚症状がなくても、40歳以上の方は年に1回の大腸がん検診(便潜血検査)を受けることが推奨されています。

大腸がんの治療の選択肢と費用の目安

大腸がんの治療は、がんの進行度(ステージ)に応じて異なります。

ステージ別の治療方針

大腸がんのステージは0期〜Ⅳ期の5段階に分けられ、がんの深さ(深達度)、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって決まります。

0期〜Ⅰ期(早期がん)

がんが粘膜から粘膜下層の浅い部分にとどまっている場合は、内視鏡治療で切除できることがあります。
お腹を切る手術が不要なため、体への負担が少なく、入院の要否もがんの状態や施設によって異なります。

ただし、内視鏡で切除した組織の病理検査の結果、リンパ節転移の危険性があると判断された場合は、あらためて外科手術が必要になることもあります。

Ⅱ期〜Ⅲ期(進行がん)

がんが腸の壁の深くまで達している場合や、リンパ節への転移がある場合は、手術による腸管の切除とリンパ節郭清(周辺のリンパ節を取り除く処置)が基本の治療となります。

手術には従来の開腹手術のほか、お腹に小さな穴を開けて行う腹腔鏡下手術や、ロボットアームを用いたロボット支援下手術(直腸がんは2018年、結腸がんは2022年から保険適用)があります。

Ⅲ期や再発リスクの高いⅡ期では、手術後に薬物療法(抗がん剤治療)が行われることがあります。

Ⅳ期(転移がある場合)

肝臓や肺などの遠隔臓器に転移がある場合は、転移先も含めて切除が可能であれば手術が検討されます。
切除が難しい場合は、薬物療法(化学療法・免疫療法)や放射線治療が中心となります。

治療にかかる費用の目安

厚生労働省の「医療給付実態調査(令和5年度)」のデータをもとに算出された大腸がんの平均的な治療費は、以下のとおりです。

結腸がん(入院):総額 約685,500円 → 3割負担で約205,700円
結腸がん(外来):総額 約45,000円 → 3割負担で約13,500円
直腸がん(入院):総額 約799,000円 → 3割負担で約239,700円
直腸がん(外来):総額 約59,900円 → 3割負担で約18,000円

医療給付実態調査 報告書 令和5年度 データベース2と3

進行がんで手術と術後の抗がん剤治療が必要になると、治療期間が長引き、自己負担額もさらに増える可能性があります。

ただし、後述する高額療養費制度を活用すれば、月ごとの自己負担額には上限が設けられるため、実際の支払いを抑えることが可能です。

医療費の自己負担を軽減できる公的制度

大腸がんの治療費に不安を感じる方も多いかもしれません。
日本には、医療費の自己負担を軽くするための公的制度がいくつか整備されています。

① 高額療養費制度で窓口負担を一定額までに抑える

高額療養費制度は、ひと月の医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。
上限額は所得に応じて異なります。

69歳以下の方の自己負担限度額(月額)は、以下のとおりです。

所得区分 (年収目安) 自己負担限度額
年収約1,160万円以上 252,600円 + (総医療費 - 842,000円) × 1%
年収約770万〜約1,160万円 167,400円 + (総医療費 - 558,000円) × 1%
年収約370万〜約770万円 80,100円 + (総医療費 - 267,000円) × 1%
年収約370万円未満 57,600円
住民税非課税世帯 35,400円

たとえば年収約370万〜770万円の方が入院手術で総医療費が100万円かかった場合でも、自己負担額は約87,430円に抑えられます。

なお、入院前に加入している健康保険の窓口で「限度額適用認定証」を取得しておけば、病院の窓口での支払いを最初から上限額までに抑えることが可能です。

また、直近12か月以内に高額療養費の支給を3回以上受けている場合は、4回目以降の上限額がさらに引き下げられる「多数回該当」の仕組みがあります。
抗がん剤治療など長期にわたる治療を受ける方にとって、負担軽減につながる仕組みです。

※高額療養費制度は見直しが決定しており、2026年8月から2段階で自己負担限度額が引き上げられる予定です。最新の情報は厚生労働省のサイトでご確認ください。
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ

② 治療で休業したときに受け取れる傷病手当金

会社員や公務員など、健康保険の被保険者が大腸がんの治療のために連続して4日以上仕事を休んだ場合、4日目から傷病手当金を受け取ることができます。

支給額は、直近12か月の標準報酬月額の平均額の3分の2に相当する金額です。
支給期間は、支給開始日から通算して最長1年6か月間となっています。

手術後の回復期間や抗がん剤治療の副作用で通常どおり働けない期間にも、生活費を確保するための支えとなる制度です。
なお、国民健康保険に加入する自営業者やフリーランスの方は、原則としてこの制度の対象外となる点に注意が必要です。

③ 医療費が高額になったら医療費控除の申告を

1年間(1月〜12月)に支払った医療費の合計が10万円(または総所得金額の5%のいずれか低い方)を超えた場合、確定申告をすることで所得税の一部が戻ってくる医療費控除を受けられます。

控除の対象には、治療費に加えて通院にかかった公共交通機関の交通費や処方された医薬品の費用なども含まれます。
家族の分も合算できるため、年間の医療費が高額になった場合は忘れずに申告しましょう。

その他に知っておきたい制度

大腸がんの治療に関連して、以下のような制度も活用できる場合があります。
永久的な人工肛門(ストーマ)を造設した場合は、身体障害者手帳の交付対象です。

手帳が交付されると、ストーマ装具費用の助成や公共交通機関の割引、税金の減免などを受けられます。
条件によっては、障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)の受給対象となることもあります。

申請の条件や手続きについては、お住まいの市区町村の福祉窓口、または病院のがん相談支援センターで確認できます。

大腸がんと診断された後の保険加入について

大腸がんの治療を経験した方のなかには、「これから保険に入れるのだろうか」と不安を抱く方もいらっしゃるでしょう。

がん治療歴がある場合の告知と加入審査

一般的な医療保険やがん保険に申し込む際には「告知」を行います。告知とは、現在の健康状態や過去の病歴の詳細について申告することです。
大腸がんの治療歴がある場合、告知の内容によっては引き受けを断られたり、特定の部位に関する保障が一定期間除外される「部位不担保」の条件が付くケースも考えられます。

ただし、治療完了後一定の年数が経過し、再発がないことが確認できれば、通常の医療保険に加入できる場合もあります。
加入の可否は保険会社や商品ごとに異なるため、まずは確認してみることが大切です。

持病があっても申し込める引受基準緩和型保険とは

通常の保険への加入が難しい方には、引受基準緩和型の医療保険が選択肢となります。
この保険は、告知項目が3〜5項目程度に簡略化されており、持病や既往歴がある方でも加入しやすいメリットがあります。

主な特徴は以下のとおりです。

・告知項目が少なく、大腸がんの治療歴があっても加入できる場合がある
・加入後1年間は給付金が半額に削減される商品が多い
・通常の医療保険と比べて保険料はやや割高になる傾向がある

医療保険のほか、がん保険にも引受基準緩和型の商品があります。
保険の種類や保険料は商品によって異なるため、詳細を知りたい方はお気軽にご相談ください。

弊社ウィズハートでは大腸がんでもご加入いただける保険がございますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。
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