FP・識者の保険コラムExpart Column

エアコン清掃業の方へ。増加している作業中事故に、賠償責任保険で備えを。

投稿日:2026年6月11日

今年も夏本番を控えて、エアコンクリーニングの予約が殺到するシーズンが到来します。

しかし、案件数が増えるということは、それだけ「万が一の事故リスク」も高まるということです。
ほんの小さな判断ミスや不注意が、取り返しのつかない損害に発展することがあります。

NITE(製品評価技術基盤機構)のデータでは、エアコンの洗浄液起因による発火事故などが繰り返し注意喚起されています。
直近5年間でエアコン事故は345件発生しており、清掃業者が関与したケースも少なくありません

「もし明日、お客様の高級家具を水浸しにしたら?」
「作業から数日後にエアコンから出火したら?」
高額な賠償金に備えた保険加入がより必要になっています。

エアコンクリーニングで本当に起きた4つの事故事例

「自分の現場では起きない」と思っているかもしれません。
しかし以下は、実際に現場で多発しており、かつ高額賠償に発展しやすい事例です。

事例①:養生不足・ミスによる「室内の汚損・水漏れ」

高圧洗浄中に飛び散った泥水が、養生しきれなかった壁紙や高級家具、テレビや照明器具に付着。
作業後にお客様が気づいて「全部弁償してほしい」と言われることもあります。

壁紙の張り替え、家具の修繕・買い替え、電化製品の交換と積み上げていくと、修繕費用が100万円を超えることもあるでしょう。

事例②:分解・組立時の「部品破損・機器故障」

近年のエアコンは年代・機種によって内部構造が複雑化しています。
「お掃除機能付きエアコン」は分解の手順が多く、ツメやフィルター、ファンを折ってしまう事故が毎年多発しています。

さらに深刻なのは、洗浄液が基盤に付着してショートし、エアコンが完全に動作不能になるケースです。
修理不能と判断されれば本体の買い替えが必要になり、最新機種であれば設置作業費用も含めて25~50万円を超える費用がかかることもあります。

事例③:引き渡し後に発生する「時間差の漏水・発火」(PLリスク)

作業を完了して帰宅した数日後に、ドレンホースの接続ミスや詰まりが原因で壁裏から漏水し、階下の住居まで水浸しにしてしまったケースがあります。
マンションの上階での作業であれば、階下の家財・内装すべてが賠償対象になりかねません。

さらに恐ろしいのが発火リスクです。
洗浄液の流し残しがコンセント周辺に付着し、トラッキング現象によって夜間に出火・部分火災を引き起こしたケースも報告されています。
建物への類焼が起きれば、賠償額は数千万円規模に達することもありえます。

【チューリップテレビ報道画像:エアコンクリーニング後の発火事故】
「エアコン工事中に出火した」と工事業者から通報 富山市の住宅火災、約3時間後に消し止められる

「作業を終えて帰った後」の事故は、保険なしでは為す術がありません。
これをPL(製造物責任)リスクと呼び、清掃業における最も深刻なリスクの一つです。

事例④:お客様や家族に対する「対人事故」

脚立の上で作業中、誤って工具を落としてしまった。
その下にいたお客様、あるいはそのお子様に直撃し、骨折や裂傷などのケガを負わせてしまったケースもあります。

対人事故は、治療費・慰謝料・後遺症の補償など、長期にわたる賠償責任が発生します。
「足元に誰もいなかったはず」という認識のズレが、一生ものの後悔を生みます。

お客様が立ち会っている現場では、常に「人がそこにいる」という前提で動く必要があります。

データが語る現実:清掃・メンテナンス業の事故原因トップ5

清掃・メンテナンス業界の賠償事故データを整理すると、以下の順で事故が多く発生しています。

1位:清掃・メンテナンス対象物の損壊
エアコン本体の部品破損・機器故障など

2位:作業中の他物の損壊
家具・床・壁紙・家電への汚損・水濡れ

3位:引き渡し後の事故(PL事故)
時間差の漏水・発火など

4位:作業中の対人事故
お客様・同居家族へのケガ

5位:その他の財物損壊
駐車場の車・外構設備など

「保険未加入」がもたらす、3つの経営リスク

「今まで事故がなかったから大丈夫」という考えは、今すぐ改めてください。
保険未加入のまま事故が起きたとき、あなたのビジネスには3つの深刻なリスクが降りかかります。

リスク①:廃業レベルの賠償金

エアコン1台の修理・交換費用(数万~数十万円)であればまだ対応できるかもしれません。
しかし、階下への漏水や火災事故が起きれば、賠償額は数百万円~数千万円に達することもあります。

個人事業主や小規模な会社の場合ですと、自己資金での対応は困難になります。

リスク②:SNS炎上による「信用の消滅」

万が一の事故で、保険もなく誠実な対応ができなかった場合、「この業者に壊されたのに、全然対応してくれない」と評価がネット上に残ることもあります。

エアコンクリーニングは口コミ・紹介・地域密着型のビジネスであり、そのダメージは大きなものになりかねません。
最悪の場合、その地域での営業が二度とできなくなります。

リスク③:「保険あり」が今後の差別化になる

賠償責任保険に加入していることは、今後の強力な営業ツールになります。

「万が一の場合に備えて、賠償責任保険に加入しておりますので安心です」
この一言が言えるかどうかで、お客様の安心感はまったく違います。
保険加入はその信頼の証明となり、競合との明確な差別化になります。

逆に言うと、無保険状態であることはお客様に伝えられる安心が1つ欠けてしまっているということになります。

エアコン清掃業には、どのような賠償責任保険が必要か

① 施設賠償責任保険(請負賠償)

作業中に発生した賠償事故や、機材・設備の不備によって起きた賠償事故をカバーします。

例えば以下のような事故が該当します。
・脚立を倒して、顧客の家の壁やフローリングを傷つけた。
・掃除機のコードに顧客がつまずいて転倒・怪我をした。
・洗剤の入ったバケツをひっくり返し、高級絨毯を汚損した。

② 生産物賠償責任保険(PL保険)

作業完了後に起きた事故を補償します。

例えば以下のような事故が該当します。
・エアコン洗浄後、ドレンホースの接続不備で、数日後に水漏れが発生し、階下まで水浸しになった。
・エアコン修理のミスにより発火・火事が発生し、お客様の自宅に損害を与えてしまった。

まとめ

このような様々な事業リスクに対して、賠償責任保険で備えることは会社存続・事業継続のためにとても重要です。
ウィズハートではエアコン清掃業をされている小規模事業者・個人事業主向けの賠償責任保険を販売しています。

■ ハウスクリーニングや清掃業向けの賠償責任保険

事故が起きてからでは保険に加入することは出来ませんので、お早めにご加入をご検討ください。

年間保険料の目安は、小規模事業者であれば年間10万円前後で十分な補償が得られます。
倒産・破産リスクを減らすためにも、万が一のときには賠償責任保険を活用してください。

木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。

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