FP・識者の保険コラムExpart Column

人気が続くワーキングホリデー渡航で、途中帰国も増えているその理由とは。

歴史的な円安を背景に、海外で仕事しながら生活をするワーキングホリデーに行く方が増えています。
日本よりも短い時間での労働でより多く収入を得られるという点が特に人気の理由のようですね。

先日にもテレビ番組で取り上げられていました。

円安でワーホリが人気
「時給は日本円で3500円」“ワーキングホリデー”の問い合わせ殺到 歴史的円安で爆買い&日本脱出が急増

弊社はワーキングホリデーに行かれる方の海外旅行保険を手配する事業をしています。
たしかにこの1年で、ワーキングホリデー保険へのご相談・ご加入が増えています。

一番人気の国はやはりオーストラリア。
コロナ前のときよりワーホリ渡航者が増えているかもしれません。

ワーキングホリデーを途中で断念される人も多い

一方で、ワーキングホリデーで海外生活にチャレンジしてみたものの、途中で断念して帰国される人も以前より多いと感じています。
(あくまでワーホリのサポートをする事業者としての感覚です。)

ワーホリを途中で辞められた方から話をお聞きする機会がありまして、
・海外での生活が合わなくて精神的に辛くなった
・体調を崩してしまい、健康上の理由で海外生活を継続できなくなった。

などの声がありました。

これらを理由にしたキャンセルは以前からもありましたが、直近はその割合が多いように感じます。

ワーホリキャンセルが相次いでいる原因は何か?

これは個人的な推測ですが、2020年から続いたコロナ禍が影響しているのではないかと私は思っています。

コロナ禍の感染対策によって免疫機能が落ちてしまい、他の病気への抵抗力が弱くなってしまった・・というのがは背景にあるのではないでしょうか。
特に日本では感染対策が諸外国よりも徹底されていましたから、海外の環境には弱くなってしまったのかもしれません。

そして、もう1つがコロナ禍における他人と接する機会の減少です。

コロナ禍では人との接触が制限されていたのに、海外生活では逆に人とどんどん関わっていくことが求められます。
「人との関わり方」の急激な変化によるストレスはとても大きいのではないでしょうか

ただでさえ海外では言語が違うのはもちろん、コミュニケーション文化・生活スタイルも日本とは大きく違いますから尚更でしょう。
心の疲労が続けば、体にも不調が起こります。

これらがワーキングホリデーの途中キャンセルが続く背景にあるのではないかと思っています。

慣れない環境だからこそ心と体のケアをしっかりと。

これからの日本において、海外で積まれた経験はとても貴重なものになります。
ぜひ多くの方に海外チャレンジしてもらいたいと思っていますが、健康上の理由でそれを途中断念されるのは、仕方がないこととはいえとても悲しいことです。

これからワーキングホリデーに行かれる方は日本にいるとき以上に体調管理(心も含めて)をしっかりして、悔いなく充実した海外生活を過ごしてもらいたいと思います。

(と同時に、たとえ途中帰国することになったとしてもそれは決して失敗ではありません。
私のような海外経験の少ない者からしたら、挑戦をしただけでもすごすぎます。
必ずその経験は活きますので、次の新たな一歩のためにまずは心と体を休めてください)

海外旅行保険の仕事をしていて感じる、海外医療費の高騰

そして海外に行くなら忘れちゃいけないのが、保険です。

渡航先で体調不良を起こされて病院受診されるお客様が増えています。
そして昨今の円安もあって、海外医療費も世界的に上がっています。

以下は弊社のお客様事例です。
この事例は一部で、他にも多数の保険金お支払い事例が発生しています。

アメリカ旅行中に手術&入院されたお客様に、治療費2000万円の保険金をお支払いしました。
オーストラリアにワーホリで行かれたF様の海外旅行保険のご利用事例

海外旅行保険にご加入いただいているので医療費は保険カバーできますが、もし保険に入っていなければ全額自腹です。
万が一の備えの保険も絶対忘れずにしていただきたいなと思います。

木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
独立後は株式会社ウィズハートの代表として、保険相談サイト「保険ウィズ」や、FP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、特に個人・企業向けの賠償責任保険に精通。
現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。