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香港のワーキングホリデーVISAと選ぶべき海外旅行保険。保険プロが解説

更新日:2025年02月08日

香港のワーキングホリデー。VISA要件と選ぶべき海外旅行保険を保険プロが解説

2025年2月時点での情報です。


木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。

香港は、中国の南部沿岸にある特別行政区です。陸側は中国広東省に隣接し、海側は南シナ海に面しています。
1,110平方キロメートル(東京都の約半分)の面積に、人口約740万人が暮らしています。
言語は中国語(広東語)や英語が使用されており、通貨は香港ドル(HKD)です。

香港の位置

日本との時差は約1時間と近いですが、亜熱帯気候に属しており1年を通して温暖な気候です。

ワーホリビザの申請要件

香港ワーホリビザでは最長1年間滞在することができます。
付随的な就労は認められていますが、同じ雇用主のもとで6か月以上働くことはできません。
学習・研修コースは累計6か月以内の期間で受講することができます。

項目 要件
滞在可能期間 1年間
年齢 18歳から30歳まで
申請時に必要な資金 20,000香港ドル以上(約40万円)
申請料 不要
ビザ発給数 1,500件
申請時期 出発の1か月前以内が目安、
受理翌日から5開館日程度で交付

香港移民局HP「ワーキングホリデー制度」より

VISA申請の流れ

香港のワーホリビザはオンラインで書類を作成し、申請者本人により大使館または総領事館へ持参します。
具体的には次のようなステップで手続きを進めます。

■Step1:申請資格を確認する
香港のワーホリビザの取得申請にあたっては、申請資格を満たしていなければなりません。
年齢のほか、一定額の預金など、申請要件をクリアしているか確認しましょう。

■Step2:必要な書類を準備する
ビザの申請に必要な書類には次のようなものがあります。

・申請書類
・写真
・銀行の残高証明書(20,000香港ドル、約40万円)
・帰国のための航空券または航空運賃に相当する金額を所持していることを証明する書類
・滞在期間中有効な保険の加入証明書類

■Step3:駐日中国大使館または総領事館に書類を直接持参して申請する
オンラインにより申請登録をした後、駐日中国大使館または総領事館へ、申請者本人が書類を持参します。

海外旅行保険への加入が重要

香港のワーホリビザ申請時には、滞在期間をカバーする海外旅行保険に加入しなければなりません。
申請書類のひとつとして、海外旅行保険の加入証明書の提出が求められます。

Q&A ワーキングホリデーの海外旅行保険の費用の相場・目安はどのくらい?
ウィズハート 木代
木代

1年間の保険期間で、安い保険会社では大体20万円前後、高い保険会社ですと50万円となっているのが相場です。

保険会社によって行先や年齢に応じて価格(保険料)が変わってくるところもあり、40~50万円以上の金額になる保険会社もあります。

昨今の円安や海外医療費インフレでどの保険会社の海外旅行保険とも利益がひっ迫していることから値上げする保険会社が相次いでいて、今後も保険料相場は上がっていくことが予想されます。

弊社が取り扱っている保険会社はまだ値上げせずに20万円~30万円弱で頑張ってくれていますが(詳細は後述します)、もしかしたら今後上がる可能性があります。

Q&A 日本の健康保険は使えないの?
ウィズハート 木代
木代

香港に限らず、海外では日本の健康保険証を使うことはできません
そのため海外で病院を受診した時は全額を支払う必要があり、高額な医療費がかかることがあります。

健康保険には「海外療養費制度」という制度があって帰国後に申請することで海外での治療費の一部金額の還付を受けることができますが、還付申請の手続きが複雑だったり、還付金が思ったよりもずっと少なかったケースもあるので頼り過ぎは禁物です。

Q&A クレジットカード付帯保険ではダメなの?
ウィズハート 木代
木代

香港のワーホリでは、滞在期間中を補償する医療保険として海外旅行保険に加入することが必要で、VISA申請時にその証明書を提出する必要があります
クレジットカード付帯保険では不可となります。

海外旅行保険ってどんな保険?メリットとデメリット

海外旅行保険では、さまざまな補償を受けることができます。
代表的な補償には次のようなものがあります(特定の保険会社の補償説明ではなく、あくまで一般的な内容を載せています)。

■治療費用・救援費用
ケガや病気により現地で病院を受診した時や、処方された薬を購入した時にかかった費用が補償されます。
また、ケガや病気で長期入院し、日本から家族が現地に駆けつける際にかかる費用が救援費用として補償されます。

■賠償責任補償
現地で何らかのトラブルにより、第三者に損害を与えてしまったときに保険金が支払われます。
例えば、現地の住まいでお湯を出しっぱなしにして寝てしまい、水浸しになり修理費を請求された時などに補償されます。

■携行品・生活用動産
自分の持ち物が壊れてしまったり、紛失や盗難に遭ってしまったりした時に保険金が支払われます。
例えば、外出先でスマートフォンを盗まれてしまった場合や、カメラを落として壊してしまった場合などです。

特に海外では日本人を狙ったひったくりや強盗などの犯罪が頻発していることから、この補償があると安心です。

海外旅行保険のメリット

海外旅行保険に加入しておくことで、病院を受診した際に治療費などの保険金が受け取れるほか、次のようなメリットがあります。
(特定の保険会社のサービス説明ではなく、あくまで一般的なメリットを載せています)

■治療費のキャッシュレスサービス
海外で病院を受診する時、保険会社から病院へ直接支払いを行う「キャッシュレスサービス」が利用できます。
このサービスを利用すれば、高額な治療費の窓口で支払いや立て替えが不要となります。

■24時間日本語対応のコールセンター
海外旅行保険に加入すると、保険会社のコールセンターが利用できます。
コールセンターでは、医療機関の紹介や手配のほか、パスポートやクレジットカードなどの紛失・盗難時の手続きなど対応を受けられます。
こういった現地での困りごとに、24時間365日、日本語で対応してもらうことが可能です。

■医療通訳サービス
多くの保険会社では、病院を受診する際の医療通訳サービスが提供されています。
ワーホリで海外を訪れる人の中には、現地の言葉に自信がないという人もいるでしょう。
病院を受診する前に保険会社に連絡を入れることで、電話などを利用した医療通訳サービスを受けることができます。

海外旅行保険のデメリット

海外旅行保険に加入する最大のデメリットは、一定のコスト負担(保険料)があることです。
保険会社やプランにもよりますが、一般的に1年間のワーキングホリデーであれば20~40万円程度の保険料がかかります。
分割は出来ず、加入時に一括で支払う必要があるため、まとまった支出が発生します。

香港ワーホリでの海外旅行保険の選び方

ワーホリ保険は多くの保険会社が取り扱っていますが、自分に合った保険会社やプランを選ぶことが大切です。
特に、次のようなポイントをしっかりと押さえて保険に加入しましょう。

滞在期間をカバーする保険会社を選ぶ

香港滞在中に病院にかかることになればその医療費は全額自己負担となってしまうため、滞在期間をしっかりとカバーした海外旅行保険に加入しておくことが重要です。
短期間プランだけしか販売していない保険会社もありますので、かならず中長期の補償期間に対応している保険会社を選びましょう

弊社ではAIG損害保険会社をお勧めしており、1年間(それ以上も可)のワーホリ渡航やネット申込にも対応しています。
プランにもよりますが、保険料は1年間で24万円~30万円です。

帰国時期が明確に決まっていない場合や変更となる可能性がある場合は、無保険の期間が生じないよう、最も長い期間で加入しておくことが大切です。
もし早期に帰国した時には、解約により保険料が返金されるので、保険会社や担当の保険会社に早めに相談しましょう。

必要な補償内容を選ぶ

海外旅行保険でもっとも大切な補償が、現地での医療費を補償する「治療救援費用」です。
海外では想像以上に高額な治療費を請求されることがあるため、保険金額が「無制限」となっているタイプがおすすめです。

弊社のお客様であった実例ですが、海外で心不全により救急搬送され、そのまま緊急手術&入院となり、2,000万円を超える医療費がかかったケースがありました

重大な疾患のほかにも交通事故や犯罪被害により大きなケガを負ってしまうこともありますから、充実した補償内容を選びましょう。

早めの準備が大切

海外旅行保険はネットから申込できるタイプのものも多くありますが、特別な事情がある場合には加入手続きに時間がかかることがあるため、早めに準備しておきましょう。

■入通院歴や持病のある人へ
通常、ワーキングホリデー保険に加入する時には、健康に関する告知が求められます。
直近で入院や通院をしたことのある人や、持病・既往症の治療を続けている人などは申告が必要となります。

保険会社への手続きや申し込みに時間がかかることもあるので、早めに確認するようにしましょう。
弊社でも持病のある方や薬を服用されている方の海外旅行保険のご相談やご加入を多く受け付けていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

海外旅行保険のご相談・お問合せはこちら

■加入証明書(保険付保証明書)が必要な場合
香港ワーホリビザ申請時には、海外旅行保険の加入証明書が提出必須となっています。
弊社の取り扱っているAIG損保の海外旅行保険は、英語での証明書発行が可能です。

保険契約証サンプル

弊社では加入証明書をお客様に発送する機会も多いですが、発行には日数を要することもあります。
英文契約証・証明書をご希望の方は、保険お申し込み後にお早めにご依頼ください。

また、一般的にはネットから海外旅行保険に申込できるのは出発予定日から2~3か月前となっているのですが、VISA申請のためもっと早くに保険加入したいという場合は特別方法にて対応可能ですのでご連絡ください。

その他、香港で生活する上での注意

香港では日本と異なる部分が多くありますので、生活する上で次のようなことに注意しましょう。

香港の衛生事情

香港の水道水は先進国並みの品質で、飲用も可能とされていますが、浄水器か市販のミネラルウォーターが推奨されています。
高温多湿な気候で、ものが腐りやすくカビが生えやすいため、食品の保管には注意が必要です。
また、露天で販売されている食品が原因で食中毒を起こすケースもあるため、信用のできるものを選んで食べるようにしましょう。

香港の治安・犯罪事情

香港は比較的治安のいい地域とされていますが、スリやひったくりなどの窃盗件数が増加傾向にあり、仲でもスリ事案は大幅に増加しています。
また、インターネット関連の詐欺が多数報告されており、日本人を名乗る人物による電話詐欺なども発生していることから、日本語であっても警戒が必要です。

■所持品から目を離さず、周囲警戒のため「ながら」歩きは避ける
スリやひったくりの被害に遭わないために、バッグは開口部を閉じる、道路と反対側に持つなど警戒してください。
念のため、貴重品はひとつにまとめず分散して管理するようにしましょう。
周囲への注意が散漫になってしまうため、「ながらスマホ」や「音楽を聴きながら」などの「ながら」歩きは、控えましょう。

■オンラインの情報管理に注意する
香港ではクレジットカード情報の不正売買による被害が世界3番目の多さとなっています。
オンラインショップ、オンライン決済は、暗号化された安全なWebサイトなど、信頼のできるサイトを利用しましょう。

また、共用PCやフリーWi-Fiは情報漏えいリスクが高いため、これらを使用している時はオンラインバンキングのログインやクレジットカード情報の入力は危険です。
安易にセキュリティ情報を入力したり、他者に教えたりしないよう注意しましょう。

外務省海外安全ホームページ「香港安全対策基礎データ」より

香港の医療制度と医療費

香港の医療水準は先進国レベルと高く、医療設備も整っています。
病院には政府系の公立病院と私立病院があり、どちらも高水準な医療を提供しています。
香港には日本のような皆保険制度はありませんが、政府系の公立病院では安価に医療を受けることが可能です。

■公立病院
公立病院は比較的安価に受診することができますが、待ち時間がとても長く、受診までに数時間かかることもあります。
一方、救急外来など緊急度が高いと判断された場合は、待ち時間なしで診察を受けることが可能です。
また、病院によって異なるものの、入院にあたり一定額の前払い金(デポジット)を求められることもあります。

■私立病院
香港の市立病院では高水準な医療が提供されており、日本語での対応が可能な病院も多くあります。
公立病院と比較して待ち時間が短く、比較的早く診察を受けることができますが、医療費は高額です。

外務省HP「世界の医療事情 中国(香港)」より

救急医療

香港の緊急ダイヤルは「999」で、警察と消防、救急が共通の番号となっています。
救急車を利用する時は、基本的に政府系の指定病院へ搬送されます。

一方で、日本の外務省では、旅行中に脳梗塞や心臓病等の重病で倒れ、高額な入院費や日本への緊急移送費が発生し、支払いに困るケースが多発しているとして、海外旅行保険への加入を呼びかけています

木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。

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