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フィンランドのワーキングホリデーVISAと選ぶべき海外旅行保険。保険プロが解説

投稿日:2025年01月15日

フィンランドのワーキングホリデー。VISA要件と選ぶべき海外旅行保険を保険プロが解説

2024年12月時点での情報です。


木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。

フィンランド共和国は北ヨーロッパに位置し、西はスウェーデン、東はロシアと接しています。
人口は約550万人で、公用語はフィンランド語、EU加盟国であり、通貨にはユーロが導入されています。

フィンランドの位置

首都のヘルシンキはフィンランド湾に面しており、国内でも南に位置していますが、最も気温の下がる2月の平均気温は‐5℃と厳しい寒さです。

ワーホリビザの申請要件

フィンランドのワーホリビザでは最長1年間滞在することができます。

就労の制限はありませんので、滞在期間中は同一の雇用主のもとで期間の制限なく働くことも可能です。

項目 要件
滞在可能期間 1年間
年齢 18歳から30歳
申請時に必要な資金 最初の3か月間の資金として、約2,450ユーロ
(約40万円)
申請料 オンライン申請:380ユーロ
紙申請:480ユーロ
ビザ発給数 制限なし
海外旅行保険への加入 フィンランド滞在中有効な、病気や入院治療をカバーする保険への加入が必要

フィンランド移民局「ワーキングホリデーの滞在許可申請」

VISA申請の流れ

フィンランドのビザ申請は、オンラインまたは紙申請のどちらも対応していますが、オンラインのほうが申請手数料は割安です。
オンライン、紙による申請のどちらも処理には3か月程度かかるとされていますので、余裕を持って申請しましょう。
また、どちらの申請方法でも、フィンランド大使館へ出向いて手続きが必要となります。

■Step1:申請資格を確認する
フィンランドのワーホリビザの取得申請にあたっては、申請資格を満たしていなければなりません。
年齢のほか、一定額の預金、海外旅行保険への加入など、申請要件をクリアしているか確認しましょう。

■Step2:必要な書類を準備する
ビザの申請に必要な書類には次のようなものがあります。

・申請書
・パスポート
・写真
滞在中の医療保険の加入証明書類
・フィンランドに滞在するのに十分な資金があることを示す書類
・往復航空券または往復航空券を取得するために十分な手段

■Step3:事前にメールで予約し、大使館で手続きを行う
オンラインまたは紙での申請後、大使館にメールで訪問予約します。
予約の取れた日に大使館を訪問し、現地での手続きを行います。

海外旅行保険への加入が必須!

フィンランドのワーホリビザを申請するにあたっては、滞在期間をカバーする海外旅行保険に加入しておく必要があります。

Q&A ワーキングホリデーの海外旅行保険の費用の相場・目安はどのくらい?
ウィズハート 木代
木代

1年間の保険期間で、安い保険会社では大体20万円前後、高い保険会社ですと50万円となっているのが相場です。

保険会社によって行先や年齢に応じて価格(保険料)が変わってくるところもあり、40~50万円以上の金額になる保険会社もあります。

昨今の円安や海外医療費インフレでどの保険会社の海外旅行保険とも利益がひっ迫していることから値上げする保険会社が相次いでいて、今後も保険料相場は上がっていくことが予想されます。

弊社が取り扱っている保険会社はまだ値上げせずに20万円~30万円弱で頑張ってくれていますが(詳細は後述します)、もしかしたら今後上がる可能性があります。

Q&A 日本の健康保険は使えないの?
ウィズハート 木代
木代

フィンランドに限らず、海外では日本の健康保険証を使うことはできません
そのため海外で病院を受診した時は全額を支払う必要があり、高額な医療費がかかることがあります。

健康保険には「海外療養費制度」という制度があって帰国後に申請することで海外での治療費の一部金額の還付を受けることができますが、還付申請の手続きが複雑だったり、還付金が思ったよりもずっと少なかったケースもあるので頼り過ぎは禁物です。

Q&A クレジットカード付帯保険ではダメなの?
ウィズハート 木代
木代

フィンランドでは海外旅行保険加入がVISA要件となっています。

クレジットカードの付帯保険ではVISA要件の保障期間を満たすことができないため、通らないでしょう。
(例えば楽天カードの付帯保険では渡航から3か月間までとなっています。)

また現地で生活する中でクレジットカード付帯保険を活用できる場面があるかもしれませんが、クレジットカード付帯保険はあくまでオマケの保険です。
保険内容・補償金額が少なく十分とは言えません。

海外旅行保険ってどんな保険?メリットとデメリット

海外旅行保険では、さまざまな補償を受けることができます。
代表的な補償には次のようなものがあります(特定の保険会社の補償説明ではなく、あくまで一般的な内容を載せています)。

■治療費用・救援費用
ケガや病気により現地で病院を受診した時や、処方された薬を購入した時にかかった費用が補償されます。
また、ケガや病気で長期入院し、日本から家族が現地に駆けつける際にかかる費用が救援費用として補償されます。

■賠償責任補償
現地で何らかのトラブルにより、第三者に損害を与えてしまったときに保険金が支払われます。
例えば、現地の住まいでお湯を出しっぱなしにして寝てしまい、水浸しになり修理費を請求された時などに補償されます。

■携行品・生活用動産
自分の持ち物が壊れてしまったり、紛失や盗難に遭ってしまったりした時に保険金が支払われます。
例えば、外出先でスマートフォンを盗まれてしまった場合や、カメラを落として壊してしまった場合などです。

特に海外では日本人を狙ったひったくりや強盗などの犯罪が頻発していることから、この補償があると安心です。

海外旅行保険のメリット

海外旅行保険に加入しておくことで、病院を受診した際に治療費などの保険金が受け取れるほか、次のようなメリットがあります。
(特定の保険会社のサービス説明ではなく、あくまで一般的なメリットを載せています)

■治療費のキャッシュレスサービス
海外で病院を受診する時、保険会社から病院へ直接支払いを行う「キャッシュレスサービス」が利用できます。
このサービスを利用すれば、高額な治療費の窓口で支払いや立て替えが不要となります。

■24時間日本語対応のコールセンター
海外旅行保険に加入すると、保険会社のコールセンターが利用できます。
コールセンターでは、医療機関の紹介や手配のほか、パスポートやクレジットカードなどの紛失・盗難時の手続きなど対応を受けられます。
こういった現地での困りごとに、24時間365日、日本語で対応してもらうことが可能です。

■医療通訳サービス
多くの保険会社では、病院を受診する際の医療通訳サービスが提供されています。
ワーホリで海外を訪れる人の中には、現地の言葉に自信がないという人もいるでしょう。
病院を受診する前に保険会社に連絡を入れることで、電話などを利用した医療通訳サービスを受けることができます。

海外旅行保険のデメリット

海外旅行保険に加入する最大のデメリットは、一定のコスト負担(保険料)があることです。
保険会社やプランにもよりますが、一般的に1年間のワーキングホリデーであれば20~40万円程度の保険料がかかります。
分割は出来ず、加入時に一括で支払う必要があるため、まとまった支出が発生します。

フィンランドワーホリでの海外旅行保険の選び方

ワーホリ保険は多くの保険会社が取り扱っていますが、自分に合った保険会社やプランを選ぶことが大切です。
特に、次のようなポイントをしっかりと押さえて保険に加入しましょう。

滞在期間をカバーする保険会社を選ぶ

フィンランドワーホリでは、フィンランド国内で有効な海外旅行保険に加入しなければなりません。
当然ながら滞在期間中は補償されている必要がありますが、短期間プランだけしか販売していない保険会社もあります。
かならず中長期の補償期間に対応している保険会社を選びましょう

弊社ではAIG損害保険会社をお勧めしており、1年間(それ以上も可)のワーホリ渡航やネット申込にも対応しています。
プランにもよりますが、保険料は1年間で24万円~30万円です。

帰国時期が明確に決まっていない場合や変更となる可能性がある場合は、無保険の期間が生じないよう、最も長い期間で加入しておくことが大切です。
もし早期に帰国した時には、解約により保険料が返金されるので、保険会社や担当の保険会社に早めに相談しましょう。

必要な補償内容を選ぶ

海外旅行保険でもっとも大切な補償が、現地での医療費を補償する「治療救援費用」です。
海外では想像以上に高額な治療費を請求されることがあるため、保険金額が「無制限」となっているタイプがおすすめです。

弊社のお客様であった実例ですが、海外で心不全により救急搬送され、そのまま緊急手術&入院となり、2,000万円を超える医療費がかかったケースがありました

重大な疾患のほかにも交通事故や犯罪被害により大きなケガを負ってしまうこともありますから、充実した補償内容を選びましょう。

早めの準備が大切

海外旅行保険はネットから申込できるタイプのものも多くありますが、特別な事情がある場合には加入手続きに時間がかかることがあるため、早めに準備しておきましょう。

■入通院歴や持病のある人へ
通常、ワーキングホリデー保険に加入する時には、健康に関する告知が求められます。
直近で入院や通院をしたことのある人や、持病・既往症の治療を続けている人などは申告が必要となります。

保険会社への手続きや申し込みに時間がかかることもあるので、早めに確認するようにしましょう。
弊社でも持病のある方や薬を服用されている方の海外旅行保険のご相談やご加入を多く受け付けていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

海外旅行保険のご相談・お問合せはこちら

■加入証明書(保険付保証明書)が必要な場合
フィンランドワーホリでは、申請時に海外旅行保険の加入証明書の提出が必要です。
弊社の取り扱っているAIG損保の海外旅行保険は、英語での証明書発行が可能です。

弊社では加入証明書をお客様に発送する機会も多いですが、発行には日数を要することもあります。
英文契約証・証明書をご希望の方は、保険お申し込み後にお早めにご依頼ください。

また、一般的にはネットから海外旅行保険に申込できるのは出発予定日から2~3か月前となっているのですが、VISA申請のためもっと早くに保険加入したいという場合は特別方法にて対応可能ですのでご連絡ください。

その他、フィンランドで生活する上での注意

フィンランドでは日本と異なる部分が多くありますので、生活する上で次のようなことに注意しましょう。

フィンランドの衛生事情

フィンランドの衛生水準は他の先進国と比較しても問題ないレベルです。
上下水道も整備されており水道水を飲むこともできますが、カルキが多い硬水のため、簡易浄水器や市販のミネラルウォーターもうまく活用しましょう。

また、冬季は寒さが厳しく日照時間も極めて短くなるため、長期滞在の場合はビタミンDが不足しがちになります。
ビタミンDが不足すると、体調を崩したり精神的に落ち込みやすくなったりすることがあるため、ビタミン剤の服用やストレス発散を意識するなど、対策が必要です。

フィンランドの治安・犯罪事情

2022年のフィンランドにおける刑法犯認知件数は約46万件で、人口10万人当たりの認知件数は、日本と比較して約18倍に上ります。
特に2023年以降は、首都ヘルシンキ市内において路上強盗の件数が急増しており、治安悪化が社会問位となっています。
日本人が遭う犯罪被害はスリや置き引きなどの窃盗被害が多く、防犯意識と対策により防止できるため、次のようなことに注意しましょう。

■外出時の注意
夜間の繁華街や公共交通機関等では、トラブルに巻き込まれるリスクが高くなるため、一人歩きは避けましょう。

また、冬季の外出時は、車などからの視認性を高めるために、リフレクター(反射材)を身に付けることが重要です。

■外出中の行動には注意
置き引きの被害に遭わないようにするためにも、荷物からは目を離さず、貴重品は肌身離さず持っておくことが大切です。
特に、座席の確保のために荷物を置いたまま席を立つのは危険です。

また、混雑する場所ではリュックサックを背負わず、体の正面で抱えて持つようにしましょう。

在フィンランド日本国大使館 「安全の手引き」

フィンランドの医療制度と医療費

フィンランドの医療水準は高く、医療施設も整っており、医療事情の悪い近隣諸国からの緊急搬送先となっています。
フィンランドの医療機関では、英語がほぼ完全に通じるとされています。

■Kelaカード
Kelaとはフィンランドの社会保障制度を管轄する機関のことで、健康保険のほか失業保険などの社会保障を担当しています。
Kelaカードが発行されている人は、無償または低額で公共医療機関の診察・治療を受けることが可能で、外国人であっても1年以上の長期滞在者であればKelaカード発行の対象です。

一方で、Kelaカードを保有しない人の医療費は全額が自己負担となるため、医療費を十分にカバーできる海外旅行保険への加入が重要です

救急医療

フィンランドの緊急連絡センターの電話番号は「112」で、警察・消防・救急等の共通となっています。
緊急連絡センターでは「112 SUOMI」というアプリも提供されており、アプリからの通報もできます。
アプリから通報した場合は、センター側で通報者の位置情報を確認することが可能です。

木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。

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