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ノルウェーのワーキングホリデーVISAと選ぶべき海外旅行保険。保険プロが解説。

投稿日:2024年12月19日

ノルウェーのワーキングホリデー。VISA要件と選ぶべき海外旅行保険を保険プロが解説

2024年12月時点での情報です。


木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。

ノルウェーの正式名称はノルウェー王国といい、ヨーロッパ北部のスカンジナビア半島に位置しています。
人口は約525万人で、首都はオスロ、言語はノルウェー語とサーミ語です。
EU加盟国ですが通貨はユーロを採用しておらず、独自通貨はノルウェークローネが用いられています。

ノルウェーの位置

国土は北緯57度以上という高緯度地帯に位置しており、夏は夜でも太陽が沈まない白夜、冬は1日中太陽が昇らない極夜の期間がそれぞれ2か月間ほどあります。
北部の大半は北極圏に含まれますが、北大西洋海流(暖流)の影響で気候は穏やかです。

ビザ申請要件

ノルウェーのワーキングホリデービザでは、最長1年間の滞在が可能です。
滞在期間中は、同一雇用主のもとで最長6か月間働くことができ、3か月未満の期間であれば語学学校などへ通うことも可能です。

項目 要件
滞在可能期間 1年間
年齢 18歳以上、30歳(申請時)まで
申請時に必要な資金 最初の3か月分の生活資金として、41,370ノルウェークローネ(約56万円)
銀行の取引明細書などの提出が必要
申請料 6,300ノルウェークローネ(約8万5千円)
医療保険 滞在期間中有効な医療保険に加入が必要
ビザ発給数 制限なし
申請時期 6か月前から

※1ノルウェークローネ=約13.5円、2024年11月30日時点

The Norwegian Directorate of Immigration (UDI) 「Checklist for working holiday for young adults from Japan」(ノルウェー移民局)

VISA申請の流れ

ノルウェーのビザ申請は、オンラインにて事前申請した上で、ビザ申請センターへ持参します。
具体的なステップは次の通りです。

■Step1:申請資格を確認する
ノルウェーのワーホリビザを申請するにあたっては、申請資格を満たしていなければなりません。
申請時の年齢のほか、現地での生活資金と、滞在期間中を補償する医療保険への加入が必要です。

■Step2:書類を準備し、オンラインで申請登録する
申請にあたっては、まず申請書類を準備し、オンラインで申請登録します。
申請の際に必要となる書類は次の通りです。

・パスポートおよびパスポートの使用済ページのコピー
・署名済の署名フォーム(オンライン申請時に受け取る)
・パスポートサイズの写真1枚
・最初3か月の生活資金があることの証明書類(銀行の取引明細書など)
・滞在期間中に有効な医療保険に加入していることを示す書類
・ノルウェーに居住地があることを示す文書(ホテルの予約状況や、ノルウェーで滞在する予定の人からの確認など)
・健康証明書(健康であることの証明)
・チェックリスト

■Step3:ビザ申請センターに予約し、書類を持参する
ノルウェーのワーホリビザ申請は、オンラインや郵送では手続きが完了しません。
ビザ申請センターへ予約して書類を持参する必要がありますので注意しましょう。

海外旅行保険に加入しておくことが重要!

ノルウェーではビザ申請時に、滞在期間中有効な医療保険に加入していることを証明する書類を提出しなければなりません。
医療保険にあたる治療費用が充分に補償される海外旅行保険へ加入しておくことが大切です。

Q&A ワーキングホリデーの海外旅行保険の費用の相場・目安はどのくらい?
ウィズハート 木代
木代

1年間の保険期間で、安い保険会社では大体20万円前後、高い保険会社ですと50万円となっているのが相場です。

保険会社によって行先や年齢に応じて価格(保険料)が変わってくるところもあり、40~50万円以上の金額になる保険会社もあります。

昨今の円安や海外医療費インフレでどの保険会社の海外旅行保険とも利益がひっ迫していることから値上げする保険会社が相次いでいて、今後も保険料相場は上がっていくことが予想されます。

弊社が取り扱っている保険会社はまだ値上げせずに20万円~30万円弱で頑張ってくれていますが(詳細は後述します)、もしかしたら今後上がる可能性があります。

Q&A 日本の健康保険は使えないの?
ウィズハート 木代
木代

ノルウェーに限らず、海外では日本の健康保険証を使うことはできません
そのため海外で病院を受診した時は全額を支払う必要があり、高額な医療費がかかることがあります。

健康保険には「海外療養費制度」という制度があって帰国後に申請することで海外での治療費の一部金額の還付を受けることができますが、還付申請の手続きが複雑だったり、還付金が思ったよりもずっと少なかったケースもあるので頼り過ぎは禁物です。

Q&A クレジットカード付帯保険ではダメなの?
ウィズハート 木代
木代

ノルウェーワーホリでは、滞在期間中を補償する医療保険として、海外旅行保険に加入することが必要で、VISA申請時にその証明書を提出する必要があります。
クレジットカード付帯保険では不可となります。

海外旅行保険ってどんな保険?メリットとデメリット

海外旅行保険では、さまざまな補償を受けることができます。
代表的な補償には次のようなものがあります(特定の保険会社の補償説明ではなく、あくまで一般的な内容を載せています)。

■治療費用・救援費用
ケガや病気により現地で病院を受診した時や、処方された薬を購入した時にかかった費用が補償されます。
また、ケガや病気で長期入院し、日本から家族が現地に駆けつける際にかかる費用が救援費用として補償されます。

■賠償責任補償
現地で何らかのトラブルにより、第三者に損害を与えてしまったときに保険金が支払われます。
例えば、現地の住まいでお湯を出しっぱなしにして寝てしまい、水浸しになり修理費を請求された時などに補償されます。

■携行品・生活用動産
自分の持ち物が壊れてしまったり、紛失や盗難に遭ってしまったりした時に保険金が支払われます。
例えば、外出先でスマートフォンを盗まれてしまった場合や、カメラを落として壊してしまった場合などです。

特に海外では日本人を狙ったひったくりや強盗などの犯罪が頻発していることから、この補償があると安心です。

海外旅行保険のメリット

海外旅行保険に加入しておくことで、病院を受診した際に治療費などの保険金が受け取れるほか、次のようなメリットがあります。
(特定の保険会社のサービス説明ではなく、あくまで一般的なメリットを載せています)

■治療費のキャッシュレスサービス
海外で病院を受診する時、保険会社から病院へ直接支払いを行う「キャッシュレスサービス」が利用できます。
このサービスを利用すれば、高額な治療費の窓口で支払いや立て替えが不要となります。

■24時間日本語対応のコールセンター
海外旅行保険に加入すると、保険会社のコールセンターが利用できます。
コールセンターでは、医療機関の紹介や手配のほか、パスポートやクレジットカードなどの紛失・盗難時の手続きなど対応を受けられます。
こういった現地での困りごとに、24時間365日、日本語で対応してもらうことが可能です。

■医療通訳サービス
多くの保険会社では、病院を受診する際の医療通訳サービスが提供されています。
ワーホリで海外を訪れる人の中には、現地の言葉に自信がないという人もいるでしょう。
病院を受診する前に保険会社に連絡を入れることで、電話などを利用した医療通訳サービスを受けることができます。

海外旅行保険のデメリット

海外旅行保険に加入する最大のデメリットは、一定のコスト負担(保険料)があることです。
保険会社やプランにもよりますが、一般的に1年間のワーキングホリデーであれば20~40万円程度の保険料がかかります。
分割は出来ず、加入時に一括で支払う必要があるため、まとまった支出が発生します。

ノルウェーワーホリでの海外旅行保険の選び方

ワーホリ保険は多くの保険会社が取り扱っていますが、自分に合った保険会社やプランを選ぶことが大切です。
特に、次のようなポイントをしっかりと押さえて保険に加入しましょう。

滞在期間をカバーする保険会社を選ぶ

ワーホリ保険に加入するときは、滞在期間を十分にカバーできる期間の加入が必要です。
短期間プランだけしか取り扱っていない保険会社もあるので、1年間のような中長期の期間に対応している保険会社を選びましょう

弊社ではAIG損害保険会社をお勧めしており、1年間(それ以上も可)のワーホリ渡航やネット申込にも対応しています。
プランにもよりますが、保険料は1年間で24万円~30万円です。

帰国時期が明確に決まっていない場合や変更となる可能性がある場合は、無保険の期間が生じないよう、最も長い期間で加入しておくことが大切です。
もし早期に帰国した時には、解約により保険料が返金されるので、保険会社や担当の保険会社に早めに相談しましょう。

必要な補償内容を選ぶ

海外旅行保険でもっとも大切な補償が、現地での医療費を補償する「治療救援費用」です。
海外では想像以上に高額な治療費を請求されることがあるため、保険金額が「無制限」となっているタイプがおすすめです。

弊社のお客様であった実例ですが、海外で心不全により救急搬送され、そのまま緊急手術&入院となり、2,000万円を超える医療費がかかったケースがありました


重大な疾患のほかにも交通事故や犯罪被害により大きなケガを負ってしまうこともありますから、充実した補償内容を選びましょう。

早めの準備が大切

海外旅行保険はネットから申込できるタイプのものも多くありますが、特別な事情がある場合には加入手続きに時間がかかることがあるため、早めに準備しておきましょう。

■入通院歴や持病のある人へ
通常、ワーキングホリデー保険に加入する時には、健康に関する告知が求められます。
直近で入院や通院をしたことのある人や、持病・既往症の治療を続けている人などは申告が必要となります。

保険会社への手続きや申し込みに時間がかかることもあるので、早めに確認するようにしましょう。
弊社でも持病のある方や薬を服用されている方の海外旅行保険のご相談やご加入を多く受け付けていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

海外旅行保険のご相談・お問合せはこちら

■加入証明書(保険付保証明書)が必要な場合
VISA申請にあたっては、英文の保険契約証(付保証明書)という書類の提出が必要になります。

弊社でもよくお客様に発送しておりますが、日数を要することもあります。
英文契約証・証明書をご希望の方は、保険お申し込み後にお早めにご依頼ください。

また、一般的にはネットから海外旅行保険に申込できるのは出発予定日から2~3か月前となっているのですが、VISA申請のためもっと早くに保険加入したいという場合は特別方法にて対応可能ですのでご連絡ください。

その他、ノルウェーで生活する上での注意

ノルウェーでは日本と異なる部分が多くありますので、生活する上で次のようなことに注意しましょう。

ノルウェーの衛生事情

ノルウェーは衛生的で、水道水もそのまま飲むことが可能です。
ただし、水質が硬水のため、飲み慣れるまで時間がかかるかもしれません。

また、街には公衆トイレも整備されていますが、場所によっては有料となっていることがあります。

ノルウェーの治安・犯罪事情

ノルウェーは比較的治安のいい国と言われていますが、日本と比較して犯罪が多く発生しています。
特にレストランやホテル、首都であるオスロ市内の主要観光地や公共交通機関などで、スリや置き引きなどが多発しています。

ノルウェーでの生活では次のようなことに注意しましょう。

■夜間の一人歩きは控える
基本的に治安のいい国ではありますが、オスロ中央駅周辺など、治安がいいとは言えないエリアも存在します。
治安が悪いと言われている場所を避け、夜間の一人歩きは控えましょう。

■貴重品から目を離さない
特に置き引きやスリなどの犯罪が多発しています。
レストランや空港などでは、手荷物を置いたまま席を離れないよう注意してください。
また、バッグを隣の席や足元に置くなどすると危険ですので、必ず身体から離さないようにしましょう。

ノルウェーの医療制度と医療費

ノルウェーの医療は高水準ですが、医薬品の大部分は医師の処方箋がないと購入できません。
また、皆保険制度が導入されており、病院を受診する時はまず地域のGP(かかりつけ医)にかかります。
どのような症状でも、基本的にはこのGPを受診する必要があり、症状に応じて専門医へ紹介されることとなります。

■公的な医療機関
GPや公立病院は医療費が低額である一方、待ち時間が長い傾向です。
予約しようとしても当日の受診は難しく、受診できるのが数日~数週間後ということもめずらしくありません。

■民間の医療機関
公立の病院は医療費が安いですが待ち時間が長くかかることから、早く診察を受けたい場合は、比較的予約の取りやすい民間の医療機関を受診することとなります。
しかし、医療費は公的医療機関よりも割高となってしまうため、海外旅行保険への加入が推奨されています

救急医療

ノルウェーの救急の緊急電話番号は「113」で、救急車は無料です。
公立の救急病院は24時間体制で運営されており、直接受診することも可能です。
また、私立の医療機関が運営する救急病院を受診することもできます

木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。