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台湾のワーキングホリデーVISAと選ぶべき海外旅行保険。保険プロが解説

投稿日:2025年01月31日

台湾のワーキングホリデー。VISA要件と選ぶべき海外旅行保険を保険プロが解説

2025年1月時点での情報です。


木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。

台湾は、沖縄本島の南西約600kmの地点に位置しており、人口は約2,342万人です。
公用語は中国語、台湾語などが使われており、通貨には新台湾ドルが用いられています。

台湾の位置

亜熱帯気候と熱帯気候が混在し、四季を通じて比較的温暖な気候です。
日本と同じように5~6月には梅雨があり、夏から秋にかけては台風が発生し、激しい雨風を伴うこともあります。

ワーホリビザの申請要件

台湾ワーホリは、最長1年間滞在することができ、付随的な活動として就業が認められています。

項目 要件
滞在可能期間 1年間
年齢 18歳以上30歳以下
申請時に必要な資金 20万円以上+往復航空券
(30万円以上あれば、申請時の往復航空券は不要)
申請料 不要
ビザ発給数 10,000件
申請時期 出発の1か月前以内が目安、
受理翌日から5開館日程度で交付

台北駐日経済文化代表処HP「ワーキング・ホリデー査証・必要書類について」より

VISA申請の流れ

台湾のワーホリビザはオンラインでの申請に対応していないため、申請者本人が管轄の代表処または弁事処へ直接持参し申請する必要があります。
具体的には次のようなステップで手続きを進めます。

■Step1:申請資格を確認する
台湾のワーホリビザの取得申請にあたっては、申請資格を満たしていなければなりません。
年齢のほか、一定額の預金など、申請要件をクリアしているか確認しましょう。

■Step2:必要な書類を準備する
ビザの申請に必要な書類には次のようなものがあります。

・パスポート(残存有効期限が渡航日より1年以上)
・パスポートのコピー
・申請書(専用Webサイトで作成し印刷後、署名したもの)
・カラー写真2枚
海外旅行保険の加入証明書(保険期間が申請書の滞在期間と一致し、死亡・傷害・疾病の補償があるもの)
・申請者名義の滞在費用証明書(残高20万円以上、発行3か月以内、英語または日本語)
・申請者名義の往復航空券(30万円以上の財力証明書の提示があれば、申請時は不要)
・履歴書および予定行動表(所定フォーマット)
・現住所証明(住民票・運転免許証・健康保険証・マイナンバーカードのいずれか1点)

■Step3:台北駐日経済文化代表処または弁事処に申請する
台湾ワーホリのビザ申請は、オンラインや郵送での受付が行われていません。
申請者本人が、現住所を管轄する代表処または弁事処に書類を持参して申請する必要があります。

なお、管轄は以下の通りで、訪問の際に予約が必要なところもあるため、事前によく確認して訪問しましょう。

・駐日代表処:関東 / 甲信越 / 東北
・横浜弁事処:神奈川県 / 静岡県
・大阪弁事処:近畿 / 東海 / 北陸 / 中国(山口県を除く) / 四国
・福岡弁事処:九州 / 山口県
・那覇弁事処:沖縄県
・札幌弁事処:北海道

海外旅行保険への加入が重要

台湾のワーホリビザ申請時には、ビザ申請期間と同一の期間を補償し、死亡・傷害・疾病の補償に対応した海外旅行保険に加入しなければなりません。
申請書類のひとつとして、海外旅行保険の加入証明書の提出が求められます。

Q&A ワーキングホリデーの海外旅行保険の費用の相場・目安はどのくらい?
ウィズハート 木代
木代

1年間の保険期間で、安い保険会社では大体20万円前後、高い保険会社ですと50万円となっているのが相場です。

保険会社によって行先や年齢に応じて価格(保険料)が変わってくるところもあり、40~50万円以上の金額になる保険会社もあります。

昨今の円安や海外医療費インフレでどの保険会社の海外旅行保険とも利益がひっ迫していることから値上げする保険会社が相次いでいて、今後も保険料相場は上がっていくことが予想されます。

弊社が取り扱っている保険会社はまだ値上げせずに20万円~30万円弱で頑張ってくれていますが(詳細は後述します)、もしかしたら今後上がる可能性があります。

Q&A 日本の健康保険は使えないの?
ウィズハート 木代
木代

台湾に限らず、海外では日本の健康保険証を使うことはできません
そのため海外で病院を受診した時は全額を支払う必要があり、高額な医療費がかかることがあります。

健康保険には「海外療養費制度」という制度があって帰国後に申請することで海外での治療費の一部金額の還付を受けることができますが、還付申請の手続きが複雑だったり、還付金が思ったよりもずっと少なかったケースもあるので頼り過ぎは禁物です。

Q&A クレジットカード付帯保険ではダメなの?
ウィズハート 木代
木代

ワーキングホリデー期間中をカバーする保険が必須のため、クレジットカード付帯保険ではその期間をカバーできず不可となります。
海外旅行保険への加入が必須です。

海外旅行保険ってどんな保険?メリットとデメリット

海外旅行保険では、さまざまな補償を受けることができます。
代表的な補償には次のようなものがあります(特定の保険会社の補償説明ではなく、あくまで一般的な内容を載せています)。

■治療費用・救援費用
ケガや病気により現地で病院を受診した時や、処方された薬を購入した時にかかった費用が補償されます。
また、ケガや病気で長期入院し、日本から家族が現地に駆けつける際にかかる費用が救援費用として補償されます。

■賠償責任補償
現地で何らかのトラブルにより、第三者に損害を与えてしまったときに保険金が支払われます。
例えば、現地の住まいでお湯を出しっぱなしにして寝てしまい、水浸しになり修理費を請求された時などに補償されます。

■携行品・生活用動産
自分の持ち物が壊れてしまったり、紛失や盗難に遭ってしまったりした時に保険金が支払われます。
例えば、外出先でスマートフォンを盗まれてしまった場合や、カメラを落として壊してしまった場合などです。

特に海外では日本人を狙ったひったくりや強盗などの犯罪が頻発していることから、この補償があると安心です。

海外旅行保険のメリット

海外旅行保険に加入しておくことで、病院を受診した際に治療費などの保険金が受け取れるほか、次のようなメリットがあります。
(特定の保険会社のサービス説明ではなく、あくまで一般的なメリットを載せています)

■治療費のキャッシュレスサービス
海外で病院を受診する時、保険会社から病院へ直接支払いを行う「キャッシュレスサービス」が利用できます。
このサービスを利用すれば、高額な治療費の窓口で支払いや立て替えが不要となります。

■24時間日本語対応のコールセンター
海外旅行保険に加入すると、保険会社のコールセンターが利用できます。
コールセンターでは、医療機関の紹介や手配のほか、パスポートやクレジットカードなどの紛失・盗難時の手続きなど対応を受けられます。
こういった現地での困りごとに、24時間365日、日本語で対応してもらうことが可能です。

■医療通訳サービス
多くの保険会社では、病院を受診する際の医療通訳サービスが提供されています。
ワーホリで海外を訪れる人の中には、現地の言葉に自信がないという人もいるでしょう。
病院を受診する前に保険会社に連絡を入れることで、電話などを利用した医療通訳サービスを受けることができます。

海外旅行保険のデメリット

海外旅行保険に加入する最大のデメリットは、一定のコスト負担(保険料)があることです。
保険会社やプランにもよりますが、一般的に1年間のワーキングホリデーであれば20~40万円程度の保険料がかかります。
分割は出来ず、加入時に一括で支払う必要があるため、まとまった支出が発生します。

台湾ワーホリでの海外旅行保険の選び方

ワーホリ保険は多くの保険会社が取り扱っていますが、自分に合った保険会社やプランを選ぶことが大切です。
特に、次のようなポイントをしっかりと押さえて保険に加入しましょう。

滞在期間をカバーする保険会社を選ぶ

台湾滞在中に病院にかかることになればその医療費は全額自己負担となってしまうため、滞在期間をしっかりとカバーした海外旅行保険に加入しておくことが重要です。
短期間プランだけしか販売していない保険会社もありますので、かならず中長期の補償期間に対応している保険会社を選びましょう

弊社ではAIG損害保険会社をお勧めしており、1年間(それ以上も可)のワーホリ渡航やネット申込にも対応しています。
プランにもよりますが、保険料は1年間で24万円~30万円です。

帰国時期が明確に決まっていない場合や変更となる可能性がある場合は、無保険の期間が生じないよう、最も長い期間で加入しておくことが大切です。
もし早期に帰国した時には、解約により保険料が返金されるので、保険会社や担当の保険会社に早めに相談しましょう。

必要な補償内容を選ぶ

海外旅行保険でもっとも大切な補償が、現地での医療費を補償する「治療救援費用」です。
海外では想像以上に高額な治療費を請求されることがあるため、保険金額が「無制限」となっているタイプがおすすめです。

弊社のお客様であった実例ですが、海外で心不全により救急搬送され、そのまま緊急手術&入院となり、2,000万円を超える医療費がかかったケースがありました

重大な疾患のほかにも交通事故や犯罪被害により大きなケガを負ってしまうこともありますから、充実した補償内容を選びましょう。

早めの準備が大切

海外旅行保険はネットから申込できるタイプのものも多くありますが、特別な事情がある場合には加入手続きに時間がかかることがあるため、早めに準備しておきましょう。

■入通院歴や持病のある人へ
通常、ワーキングホリデー保険に加入する時には、健康に関する告知が求められます。
直近で入院や通院をしたことのある人や、持病・既往症の治療を続けている人などは申告が必要となります。

保険会社への手続きや申し込みに時間がかかることもあるので、早めに確認するようにしましょう。
弊社でも持病のある方や薬を服用されている方の海外旅行保険のご相談やご加入を多く受け付けていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

海外旅行保険のご相談・お問合せはこちら

■加入証明書(保険付保証明書)が必要な場合
台湾ワーホリビザ申請時には、海外旅行保険の加入証明書が提出必須となっています。
弊社の取り扱っているAIG損保の海外旅行保険は、英語での証明書発行が可能です。

弊社では加入証明書をお客様に発送する機会も多いですが、発行には日数を要することもあります。
英文契約証・証明書をご希望の方は、保険お申し込み後にお早めにご依頼ください。

また、一般的にはネットから海外旅行保険に申込できるのは出発予定日から2~3か月前となっているのですが、VISA申請のためもっと早くに保険加入したいという場合は特別方法にて対応可能ですのでご連絡ください。

その他、台湾で生活する上での注意

台湾では日本と異なる部分が多くありますので、生活する上で次のようなことに注意しましょう。

台湾の衛生事情

台湾では都市部や観光地などを中心に公共の場所にはゴミ箱が設置され、定期的に清掃が行われているなど、清潔に保たれています。
また、公共トイレも基本的に無料で使うことができますが、一部のトイレではトイレットペーパーが設置されておらず、事前に購入する必要があります。

また、食品衛生や水道水についても比較的高い衛生水準が保たれていますが、一部屋台などの飲食店では生ものを避け、飲用水もミネラルウォーターを選ぶなど、必要に応じて注意しましょう。

台湾の治安・犯罪事情

台湾の治安は世界的に見ても治安がいい国と言われていますが、刑法犯認知件数は日本の約2.1倍となっていることから、油断は禁物です。
特に、スリや置き引き、車上ねらいなどの窃盗犯罪は、日本人が被害者になりやすい犯罪のひとつです。
また、傷害や強制わいせつ、詐欺や恐喝などの犯罪も、日本人が被害に遭った事例があるため、次のようなことに注意が必要です。

■必要以上の貴重品は持ち歩かず、現金を人前で不用意に見せない
台湾には親日的な人が多く、日本語や日本製品も多く見られますが、「日本人は裕福で多額の現金や貴重品を持っている」というイメージを持つ人もいます。
そのため、多額の現金や貴重品は必要以上に持ち歩かず、現金を人前で不用意に見せないよう注意が必要です。

■派手な服装や過度な露出を避け、人通りの多く明るい場所を選んで歩く
犯罪に巻き込まれないためにも、目立たない服装や行動を心がけ、過度な肌の露出は避けたほうがいいでしょう。
特に夜間は人通りの多く明るい場所を選んで歩き、多少遠回りになっても、人通りの少ない場所や薄暗い場所は避けることが大切です。

台湾では日本語を話す人も多いですが、見知らぬ人の誘いに安易に乗らず、執拗な誘いは毅然と対応しましょう。

参考:外務省海外安全ホームページ「台湾安全対策基礎データ」

台湾の医療制度と医療費

台湾の医療水準は、日本や欧米と比較して同等であり、高水準な医療が提供されています。
また、ホームドクター制度は導入されていないため、日本と同じように、総合病院や大学病院など大きな病院を直接受診することが可能です。

■全民健康保険(NHI:National Health Insurance)
台湾では皆保険制度が導入されており、基本的にすべての住民が全民健康保険NHIに加入しています。
保険に加入している場合、公立・私立に関わらず、安価に病院を受診することが可能です。

■病院の仕組み
台湾では、日本と同じように、個人病院から総合病院、大学病院など、自分で病院を選んで受診することが可能です。
また、予約システムが普及しており、特に都市部の大病院や専門科などでは予約必須となっていることもありますが、個人クリニックなどでは予約なしでも受診できます。

また、日本のように医薬分業となっていないため、処方薬は基本的に病院の中の薬局で購入します。
街のドラッグストアも充実しており、風邪薬や頭痛薬、胃腸薬など一般的な市販薬の入手は容易です。

救急医療

台湾の緊急ダイヤルは「119」で、日本と同じく救急と消防が同じ番号で運用されています。
救急責任病院での24時間診療のほか、重度・中度の病院でも急性脳卒中や心疾患、緊急外傷などに対応する重度級病院・中度級病院が設けられています。

救急車を呼ぶ際には、希望する病院を指定し搬送してもらうことが望ましいとされており、事前に台湾の衛生福利部のホームページで調べておくことが推奨されています。

参考:台湾「衛生福利部」HP

日本の外務省では、旅行中に脳梗塞や心臓病等の重病で倒れ、高額な入院費や日本への緊急移送費が発生し、支払いに困るケースが多発しているとして、海外旅行保険への加入を推奨しています

木代 晃輔

この記事の執筆者:木代 晃輔

株式会社ウィズハート 代表取締役
神奈川県出身。大学卒業後に損害保険会社で勤務。
株式会社ウィズハートを創業し、保険相談サイト「保険ウィズ」やFP相談サイトを開設。

損保勤務時は損害保険の開発業務に携わり、現在は海外旅行保険や個人賠償責任保険のプロとしても活動中。

文書管理番号:24G01120