2023年での廃止が決まったのに、ジュニアNISAの人気が出た理由
質問
ジュニアNISAが廃止になると決まってから加入者が増えたというニュースを見ました。
以前にFPの方に相談したときは、「ジュニアNISAは使い勝手が悪いのであまりお勧めできない」と言われました。
なぜ廃止が決まったのに加入者が増えているのでしょうか?
アドバイス
ジュニアNISAとは、19歳未満の子供を対象とした少額投資非課税制度です。
口座開設や運用は親権者等(親や祖父母)が行いますが、名義は子供になります。
非課税枠は年間で最大80万円、期間は最長5年です。
運用で得た利益には通常は20%程度の税金がかかるのですが、ジュニアNISA内で運用し、得た利益に対して税金はかかりません。
ただし、子供が18歳になるまで災害など特別な理由がない限り払い出しが出来ないという制限がありました。
ジュニアNISAはなぜ廃止になったのか?
「18歳まで払い出しが出来ない」という制限が大きなデメリットになり、ジュニアNISAは加入者があまり伸びませんでした。
もしお子さんが0歳だと18年間も資金を固定してしまうことになり、それを不便に感じて加入者が増えなかったのです。
そのような状況により、ジュニアNISAは2023年12月で新規口座の申し込みは終了し、制度自体も廃止になることが決まりました。
ジュニアNISA廃止が決まって、逆に人気になった理由
廃止が決まってからジュニアNISAは人気があがり、口座開設者が増加したようです。
その理由は、廃止が決まった事で「子供が18歳になるまで引き出せない制限」がなくなったからです。
これによりジュニアNISAで貯めたお金を、必要になったときにいつでも引き出すことが可能になったのです。
ジュニアNISAはの非課税枠の上限は年間80万円なので、2021年度中に口座を作れば
80万円×3年=240万円
の非課税枠を使える計算です。
そのため、この恩恵を出来る限り受けようと口座開設の申し込みが殺到したということです。
ジュニアNISAの活用法
ジュニアNISAの活用方法は大きく3つあります。
①教育資金対策
②投資教育
③相続税対策
ジュニアNISAを始める目的で一番多いのは教育資金対策です。
今回の廃止で引き出し制限がなくなったため、より流動的な教育資金として活用出来るようになりました。
また、近年は子供にもマネー教育が必要だと論じられています。子供が投資を理解出来る年齢なら、一緒に投資を行う事でマネー教育に繋げることが出来ます。
最後は相続税対策です。
生前に年間110万円までの贈与なら税金がかからない「生前贈与」という制度があります。
ジュニアNISAの投資可能額は年間最大80万円までで、この110万円の枠内に収まりますから、ジュニアNISAを使った贈与もメリットが大きいのです。
新規の申し込みは2023年までなので、ジュニアNISAを活用出来そうだと感じたら早めに申し込みをするのが良いでしょう。
この記事の執筆者:FP 佐藤日奈子
保険ウィズ編集部の佐藤日奈子です。北海道出身、千葉県在住の2児の母。
損害保険会社での勤務を経て、現在はファイナンシャルプランナーとして活動しています。
https://twitter.com/withhearthoken
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