妊婦さん・子育て家庭のお金のご相談Q&A

NISAとiDeCoって何?メリットや違いを教えてください。

公開日:2021/09/16

質問

将来資金の確保のため、投資について色々と勉強を始めました。

まだあまり知識がない状態なので漠然とした質問なんですが、よく聞く「NISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ)」とはどのようなものなのでしょうか?
友人からは利用した方が良いと言われますが、どのくらい得する制度なのか教えてください。

アドバイス

NISAやiDeCoは投資する人を増やすために国が作った制度です。
投資をする人にはメリットの多い制度なので是非活用して下さい!

NISAとは?

NISAとは、少額投資非課税制度のことです。

通常は、投資で得た利益には約20%の課税がされます。
1万円利益が出れば約2,000円、10万円利益が出れば約2万円が税金として取られてしまいます。

実際の数字で見るとこの20%の税金は大きな数字ですよね。
特にはじめて投資をする人にとっては「税金で利益の20%も取られるなら、貯蓄した方が良いのでは?」と思う方も多く、日本人の積極的な投資活動への障害となっていました。

そこで政府は「少額の投資なら一定の条件を設けて課税しません!」としてNISAという制度を作ったのです。
つまり、年間で120万円までの投資なら、そこから出た利益は非課税になります。

始め方は、金融口座にNISA口座を作り、その中で投資を行います。口座は1人1口座しか作れず、金融機関によって扱う商品が異なるので、口座選びからしっかり行う必要があります。

2024年からは条件が少し変わる新NISAが始まり、やや制度の仕組み的には複雑になりますが、今のうちに投資に慣れておけば新制度も最大限に活用しやすくなると思います。

つみたてNISAとは?

先に出たNISAを一般NISAと言いますが、後から出来たNISAの制度で「つみたてNISA」というものがあります。
つみたてNISAは、NISAを積立投資に使いやすくアレンジしたものと考えると分かりやすいです。

投資資金は人によって異なります。一括で100万円用意出来る人もいれば、毎月1万円ずつ投資資金に回したいという人もいるでしょう。
つみたてNISAはそのような方向けに、毎月一定額を積み立てる投資に特化したものになります。

非課税投資枠は年間で最大40万円ですが、運用期間が最長20年と長く設定できるので、少額分散・長期運用希望の方向けの制度です。

一般NISAとつみたてNISAは残念ながら併用は出来ません。
そのため、最初の時点でどちらかを選択して口座を作る形になります。

ジュニアNISAとは?

一般NISAとつみたてNISAは20歳以上から口座が作れるのに対し、ジュニアNISAは0歳から19歳までの未成年専用の口座です。
期間は5年で、非課税枠は年間最大80万円になります。とは言っても運用するのは親権者等で、未成年の資産形成をサポートする制度として作られました。

ただ一般NISAやつみたてNISAと異なり、払い出しに制限があります。基本的に子供が18歳になるまで払い出しが出来ないという決まりなのです。

ジュニアNISAにも色々な活用法があるのですが、投資した資金を18歳まで引き出せないとなると、万が一その前に資金が必要になったら?など考える人が多く、口座開設数が伸び悩んでいました。
そのため、ジュニアNISAは2023年をもってその制度が廃止になることが今回の改正で決まりました。

しかし、廃止が決まってから口座開設者が増加したのです。それは、一番のデメリットだった払い出しの制限がなくなるからです。

2023年までは払い出し制限は続くのですが、2024年1月以降は未成年者が好きな時に払い出しが可能となります。
2021年の今開設するなら年間80万円×3年=最大240万円の非課税枠を利用できると開設者が増加したそうです。

iDeCoとは?

NISAと一緒に話題にあがるのがiDeCoです。iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことです。

その名の通り、個人が決まった掛け金を払って自分で年金を作っていく制度です。iDeCoは月々5,000円から始められますが、職種によって掛け金の上限が決められています。

勤めている会社が企業型確定拠出年金に加入している場合などはまた条件が変わってくるので、iDeCo加入の条件や掛け金の上限は人によって変わります。

iDeCoは所得控除の対象になる点や運用利益が非課税になることが最大のメリットですが、
年金に特化しているので60歳になるまで基本的に引き出しが出来ないというデメリットがあります。ジュニアNISAと同じで払い出しの制限がかかる分慎重に検討する必要があります。

NISAとiDeCoの活用法

NISAとiDeCo、どちらが良いかと良く聞かれるのですが、余力があるなら両方使った方が良いです。
ただiDeCoは老後資金に焦点を充てているので、老後資金以外の目的でも引き出す可能性があるならNISAから始めるのが良いでしょう

NISAとつみたてNISAで迷う場合は、投資スタイルと投資資金で決めるのがポイントです。
まとまった資金があって一括投資をする予定があれば一般NISA、毎月一定額資金を出せてリスク分散や長期運用を考えているならつみたてNISAがオススメです。

もちろんやってみて、合わなければ変更する事も可能なんですが、変更するのも一定の条件や手続きをしなければいけないので、始めに投資スタイルと投資資金を決めてスタートする事をお勧めします。

保険ウィズ編集部 佐藤日奈子

この記事の執筆者:FP 佐藤日奈子

保険ウィズ編集部の佐藤日奈子です。北海道出身、千葉県在住の2児の母。
損害保険会社での勤務を経て、現在はファイナンシャルプランナーとして活動しています。
https://twitter.com/withhearthoken

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